消化器疾患

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Navigateシリーズ第5弾。内科学をはじめて学ぶ学生を意識した分かりやすい文体で、消化器疾患の病態から治療までを丁寧に解説。図表や医師国家試験で実際に出題された写真を多数掲載しているので、医学生がおさえるべきポイントが“一目瞭然”で理解できる。また、紛らわしい病態や所見の比較が表にまとまっており、頭の整理には最適。消化器系をこの1冊でマスターしよう!
*「Navigate」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ Navigate
石橋 賢一
発行 2017年09月判型:B5頁:458
ISBN 978-4-260-03260-5
定価 4,620円 (本体4,200円+税)

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  • 序文
  • 目次

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Foreword

 内科学を臓器ごとに分冊の形で学習する「Navigateシリーズ」もこれで5冊目になりました.本シリーズでは,内科学を初めて学ぶ医学生の視点に立って,本文が平易に通読できるようにすることに努めています.さらに,重要事項に緑下線(注)注意事項に黄下線(禁)禁止事項には赤下線を引くことによって強調し(underscore),ポイントが確実に記憶できるように工夫しています.
 一方で,先端的な内容や歴史的な視点も含めて,興味深いエピソードやトリビア,語彙の補足説明などを欄外に「One More Navi」として挿入しています.これによって本文を読み進めながら,細かい内容に関しても理解が深められるように配慮しています.
 また,理解を助ける図や表だけでなく,医師国家試験で出題された症例・検査データ・図も挿入することで具体的な疾患のイメージがつかめるようにしています.

 本文は医学生向きに記述しましたが,解剖・生理の理解が比較的不十分な薬学生や看護学生を含むコメディカルのスタッフにも理解できるように,総論部分を詳しくしました.これによって病気の診断と治療だけでなく、そのメカニズム(病態生理)も理解ができるようになり,病気を深く学習できるようになったと思います.さらに,「One More Navi」も含めて,研修医になっても役立つアドバンストな内容も含まれています.

 薬学部が4年制から6年制に延長され,薬剤師の臨床薬学がパワーアップできるように,筆者は2007年に医学部から薬学部に転じました.以来,専門の腎臓内科だけでなく,臨床分野を広くカバーした病理学,病態生理学,薬物治療学,症例解析演習,医療の歴史,臨床生理学,臨床薬学英語などの講義・演習を年間100~150コマ行ってきました.
 授業では事実の羅列ではなく「なぜそうなるのか」という理屈と,「どれくらいの頻度か」という定量的な視点から病気が理解できるように努めてきました.さらに,「ああ,そうだったのか!」という病気や病態生理についての意外な事実や仕組み・トリビアを説明することにも努めています.これは「AH(アハ)体験」ともいわれ,この時には脳に電気が走り記憶が強固になるとされています.実は「One More Navi」の一部はこの目的のためにも書かれていますので,これを拾い読みすることで,さらに気分転換にもなるでしょう.

 患者も少なく比較的理解が難しい「腎疾患」と「神経疾患」をまず出版し,引き続いて内科学の基本ともいうべき「循環器疾患」と「呼吸器疾患」を1年間隔でこれまで出版してきました.そして今回2年かかりましたが5冊目の「消化器疾患」を出版することができ,これによって内科学の主要分野がほぼカバーできるようになったと思います.
 というのも,消化器は患者が最も多く,疾患も多岐にわたる重要臓器だからです.さらに,内視鏡,エコー,CT/MRIなどの画像診断も進んでおり,また一連の複数臓器が関与しているので疾患を総合的に学習することが重要です.それで,今回比較的理解しやすい消化管だけでなく,より複雑で血液検査所見も重要な肝胆膵を合わせて一冊としました.このため執筆に時間がかかり,ページ数も増えてしまいましたが,これによって解剖・生理や症候学を一連の消化器系としてまとめて学習できるようになったので,疾患の病態がより理解しやすくなったのではないかと思います.
 もちろんはじめから全部理解できる内容ではありませんので,消化器系の基礎医学(特に消化吸収の妙に注目)を総論のところでしっかり学習して,各論部分に読み進めていくことをお勧めします.

最後に,執筆中に相次いで亡くなった両親に本書を捧げたいと思います.

 2017年9月
 石橋賢一

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A 消化器の解剖
B 消化器の生理
C 消化器疾患の症候
D 消化器疾患の診察
E 食道疾患
F 胃・十二指腸疾患
G 腸疾患
H 直腸・肛門疾患
I その他の消化管疾患
J 腹膜・腹壁疾患
K 肝疾患
L 胆道・胆嚢疾患
M 膵疾患

文献一覧
Index

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