標準精神医学 第6版
精神医学の面白さがわかる教科書—最新のDSM-5にも対応した改訂第6版
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「精神医学の面白さがわかる!」と好評を博している医学生向け教科書の改訂第6版。DSM-5を踏まえた精神医学の「現在のスタンダード」がやさしく示されている。好評の「構成マップ」に加え、今版からは各章冒頭に「この章で学んでほしい要点」「最近の動向」を掲載、学習のサポートが益々充実した。重要箇所が太字で明示された本文紙面や充実した付録・コラムも継続し、日々の学習も試験対策もこれ1冊で万全。
シリーズ | 標準医学 |
---|---|
監修 | 野村 総一郎 / 樋口 輝彦 |
編集 | 尾崎 紀夫 / 朝田 隆 / 村井 俊哉 |
発行 | 2015年03月判型:B5頁:562 |
ISBN | 978-4-260-02041-1 |
定価 | 7,150円 (本体6,500円+税) |
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第6版 序
精神医学は,人間の心という奥深く,また複雑なものを対象とした学問である.そのため,しばしば医学のみならず心理学や哲学といった人文科学的な視点を求められる場合があり,その結果,精神医学は科学的な客観性や論理性を欠いているとの批判を招くこともあった.しかし,昨今の医学界で強調されるEBM(evidence-based medicine)の潮流や,脳科学・ゲノム科学研究の進展は,精神医学にも影響を与えつつある.精神疾患の診断の信頼性を向上させ,世界的に標準化することを目的とした操作的診断基準の普及も,その流れの1つと言える.米国精神医学会の診断基準であるDSMは,今や世界的な影響力をもち,2013年に発行されたDSM-5はわが国でも大きな関心をもって迎えられた.
このように精神医学を巡る情勢が刻々と変わり,精神科医療に寄せられる世間の期待がかつてないほど高まっているなかで,本書第6版は企画された.前版の発行からわずか3年だが,発展著しい精神科医療界において,信頼に足る,わが国の精神医学の「標準的な教科書」であり続けるために,今回は比較的大規模な改訂を行った.前述した,DSM-5の発行に伴う疾患名,診断基準の変更が大きな改訂点だが,現在の臨床現場では,いまだ従来の疾患名が使用されている場合があり,また医師国家試験はICD─10に準拠しているという事情もある.本書はそのような過渡期であることを考慮し,疾患名は複数を併記する形を取っている点,ご了承いただきたい.
その他に,アンケートなどによる読者からの声も反映し,以下のような点を改訂している.
今後,診断基準を中心とした精神医学の信頼性の担保と同時に,脳科学・ゲノム科学など科学的アプローチによる精神疾患の病態解明が重要であることは疑いないが,現時点で,それらに過度な偏重をきたす姿勢は避けるべきと考えた.本書の執筆者諸先生方には,自身の豊富な経験に根ざした臨床のエッセンスを文章に盛り込んでいただいた.第2版から継続する「読み物としても面白い,新しい知識を盛り込んだ教科書」という姿勢は今回も維持され,さらに強固なものとなったと考えている.
本書は今後も3年に1回を目安とした改訂を行い,常に最新の情報を読者にお届けしたい.ご意見をいただければ幸いである.
2015年初春
編者
精神医学は,人間の心という奥深く,また複雑なものを対象とした学問である.そのため,しばしば医学のみならず心理学や哲学といった人文科学的な視点を求められる場合があり,その結果,精神医学は科学的な客観性や論理性を欠いているとの批判を招くこともあった.しかし,昨今の医学界で強調されるEBM(evidence-based medicine)の潮流や,脳科学・ゲノム科学研究の進展は,精神医学にも影響を与えつつある.精神疾患の診断の信頼性を向上させ,世界的に標準化することを目的とした操作的診断基準の普及も,その流れの1つと言える.米国精神医学会の診断基準であるDSMは,今や世界的な影響力をもち,2013年に発行されたDSM-5はわが国でも大きな関心をもって迎えられた.
このように精神医学を巡る情勢が刻々と変わり,精神科医療に寄せられる世間の期待がかつてないほど高まっているなかで,本書第6版は企画された.前版の発行からわずか3年だが,発展著しい精神科医療界において,信頼に足る,わが国の精神医学の「標準的な教科書」であり続けるために,今回は比較的大規模な改訂を行った.前述した,DSM-5の発行に伴う疾患名,診断基準の変更が大きな改訂点だが,現在の臨床現場では,いまだ従来の疾患名が使用されている場合があり,また医師国家試験はICD─10に準拠しているという事情もある.本書はそのような過渡期であることを考慮し,疾患名は複数を併記する形を取っている点,ご了承いただきたい.
その他に,アンケートなどによる読者からの声も反映し,以下のような点を改訂している.
● | 各章の冒頭に「この章で学んでほしい要点」と「最近の動向」を設けた.教科書は標準的な知識をまとめたものであると同時に,学生諸君には最新の動向についても目を向けてほしいという意図で,この両者を付け加えた. |
● | 前版で追加し好評だった症例提示と,症状や徴候を図示したイラストは,今版で大幅に増やした.初学者にはイメージしにくい病像も,具体性を増すことで学習の助けになればと考えている. |
● | 第5版まで編集者だった野村総一郎,樋口輝彦は今版から監修者となり,編集者として新たに村井俊哉が加わった.編集者も徐々に世代交代を図る方針である. |
本書は今後も3年に1回を目安とした改訂を行い,常に最新の情報を読者にお届けしたい.ご意見をいただければ幸いである.
2015年初春
編者
目次
開く
総論
第1章 精神医学とは
I 精神医学とは何か
II 異常と正常
III 精神医学の方法論
IV 精神医学の歴史
V 精神疾患の分類と診断
第2章 脳科学と精神医学
第3章 精神機能とその異常
I 意識
II 知覚
III 記憶
IV 見当識
V 睡眠
VI 知能
VII 言語
VIII 思考
IX 感情
X 意志,欲動,行動
XI 自我意識
XII 人格(パーソナリティ),性格
第4章 精神発達
第5章 精神医学的診察と診断
I 面接法
II 検査法
第6章 精神科治療学
I 身体療法
II 薬物療法
III 精神療法
第7章 コンサルテーション・リエゾン精神医学
第8章 精神医療と社会
I 精神保健福祉法
II 地域精神医療
III 司法精神医学
IV 精神保健
V 災害精神医学
各論
第9章 神経症性障害
第10章 パーソナリティ障害と行動異常
I パーソナリティ障害
II 行動異常
第11章 心的外傷およびストレス因関連障害
I 総論
II 各論
第12章 統合失調症
第13章 うつ病と双極性障害
第14章 発達障害およびその他の児童期の精神疾患
第15章 摂食障害
第16章 認知症
I 総論
II 各論
第17章 症状性を含む器質性精神障害
I 器質性精神障害
II 症状性精神障害
III 化学物質中毒などによる精神障害
第18章 睡眠覚醒障害
第19章 てんかん
第20章 精神作用物質使用に伴う精神および行動の障害
I 概念
II 各論
付録 精神科臨床実習の手引き
資料 1 医師国家試験出題基準(平成25年版)
2 医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成22年度改訂版)
人名索引
和文索引
欧文索引
第1章 精神医学とは
I 精神医学とは何か
II 異常と正常
III 精神医学の方法論
IV 精神医学の歴史
V 精神疾患の分類と診断
第2章 脳科学と精神医学
第3章 精神機能とその異常
I 意識
II 知覚
III 記憶
IV 見当識
V 睡眠
VI 知能
VII 言語
VIII 思考
IX 感情
X 意志,欲動,行動
XI 自我意識
XII 人格(パーソナリティ),性格
第4章 精神発達
第5章 精神医学的診察と診断
I 面接法
II 検査法
第6章 精神科治療学
I 身体療法
II 薬物療法
III 精神療法
第7章 コンサルテーション・リエゾン精神医学
第8章 精神医療と社会
I 精神保健福祉法
II 地域精神医療
III 司法精神医学
IV 精神保健
V 災害精神医学
各論
第9章 神経症性障害
第10章 パーソナリティ障害と行動異常
I パーソナリティ障害
II 行動異常
第11章 心的外傷およびストレス因関連障害
I 総論
II 各論
第12章 統合失調症
第13章 うつ病と双極性障害
第14章 発達障害およびその他の児童期の精神疾患
第15章 摂食障害
第16章 認知症
I 総論
II 各論
第17章 症状性を含む器質性精神障害
I 器質性精神障害
II 症状性精神障害
III 化学物質中毒などによる精神障害
第18章 睡眠覚醒障害
第19章 てんかん
第20章 精神作用物質使用に伴う精神および行動の障害
I 概念
II 各論
付録 精神科臨床実習の手引き
資料 1 医師国家試験出題基準(平成25年版)
2 医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成22年度改訂版)
人名索引
和文索引
欧文索引
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