標準精神医学 第7版
「精神医学のおもしろさ」がわかる定番教科書。DSM-5を強化した改訂第7版!
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「精神医学の面白さがわかる!」と好評を博している医学生向け教科書の改訂第7版。DSM-5を踏まえた精神医学の「現在のスタンダード」がやさしく示されている。好評の「構成マップ」「この章で学んでほしい要点」「最近の動向」を各章冒頭に掲載し、学習を強力にサポート。重要箇所が太字で明示された本文紙面や、充実した付録・コラムも継続し、日々の学習も試験対策もこれ1冊で万全。
● | 『標準医学シリーズ 医学書院eテキスト版』は「基礎セット」「臨床セット」「基礎+臨床セット」のいずれかをお選びいただくセット商品です。 |
● | 各セットは、該当する領域のタイトルをセットにしたもので、すべての標準シリーズがセットになっているわけではございません。 |
シリーズ | 標準医学 |
---|---|
編集 | 尾崎 紀夫 / 三村 將 / 水野 雅文 / 村井 俊哉 |
発行 | 2018年03月判型:B5頁:586 |
ISBN | 978-4-260-03246-9 |
定価 | 7,150円 (本体6,500円+税) |
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第7版 序
人の心という魅力的であると同時に,複雑でとらえがたいものを対象とする精神医学は,時に心理学や哲学といった人文学的な視点が必要となり,人生の問題にも踏み込むことがある.一方,診療の方針を決めるうえで,当事者のニーズや医療者の経験とともに医学的な証左を尊ぶEBM(evidence-based medicine)が精神医学でも強調されるようになり,科学的な客観性,論理性や再現性が一層重要となってきている.精神疾患の診断の信頼性(評価者間の一致率)を向上させ,世界的に標準化することを目的とした操作的診断基準の普及も,その流れの1つと言える.
2013年に原書が発行され,2014年に日本語版が発行された米国精神医学会の診断基準DSM-5にも,本書はいち早く前版(第6版)から対応した.しかし,第6版発行当時はDSM-5の発行に伴う疾患名や診断基準の変更に臨床現場が即応していない部分もあり,各執筆者には過渡期であることを考慮した注意深い記述をお願いした.それから3年が経過し,DSM-5が浸透した現場の実情がどのように変わったかと同時に,診断の妥当性などDSM-5の限界や問題点(例えば,ある診断基準内に多様な病態が混在する可能性)も踏まえた精神医学の「現在のスタンダード」が,今回の本書第7版では示されていると言えよう.
また今回の改訂でも,アンケートや読者モニターを実施し,時代的要請に応えるのみならず,読者にとっての有用性がさらに高まるように努めた.主な改訂点は以下のとおりである.
・各章の冒頭に掲載した「この章で学んでほしい要点」「最近の動向」「構成マップ」は好評のため継続する.特に「この章で学んでほしい要点」は,箇条書きで簡潔な形にしてほしいという読者の声に応え,よりわかりやすくポイントを押さえた記述を心がけた.
・症例提示と,症状や徴候を図示したイラストも,今版で強化した.初学者にはイメージしにくい病像も,具体性を増すことで学習の助けになればと考えている.
・野村総一郎先生と樋口輝彦先生が監修者を,朝田 隆先生が編集者を勇退なさった.長く本書の編集に携わり,その礎を築いていただいたことに感謝したい.今版は,尾崎紀夫,村井俊哉に加え,新たに三村 將,水野雅文が編集者として参加した.その他,各章の執筆担当者も世代交代し,6名の新たな執筆者を迎えた.
精神医学の世界的潮流においては,現行の診断基準を中心とした信頼性の担保とともに,新たな精神医学診断システムの模索も続けられている.脳科学・ゲノム科学など科学的アプローチによる精神疾患の病因・病態解明による妥当性の向上と,病態に基づく治療法の開発といった将来像も今後描けるようになるかもしれない.本書はそのような最新の動向も視野に入れつつも,第2版から継続する「精神医学のおもしろさ,奥深さを伝える教科書」を目指すという編集方針を堅持する.執筆者諸先生方には,今版でも豊富な経験に根ざした臨床のエッセンスを惜しみなく盛り込んでいただいた.
本書が,精神医学を学ぼうとする多くの読者にとって有用な教科書であり続けるために,今後も3年に1回を目安とした改訂を行い,常に最新の情報をお届けできるよう努力したい.読者の皆さまからご意見をいただければ幸いである.
2018年初春
編者
人の心という魅力的であると同時に,複雑でとらえがたいものを対象とする精神医学は,時に心理学や哲学といった人文学的な視点が必要となり,人生の問題にも踏み込むことがある.一方,診療の方針を決めるうえで,当事者のニーズや医療者の経験とともに医学的な証左を尊ぶEBM(evidence-based medicine)が精神医学でも強調されるようになり,科学的な客観性,論理性や再現性が一層重要となってきている.精神疾患の診断の信頼性(評価者間の一致率)を向上させ,世界的に標準化することを目的とした操作的診断基準の普及も,その流れの1つと言える.
2013年に原書が発行され,2014年に日本語版が発行された米国精神医学会の診断基準DSM-5にも,本書はいち早く前版(第6版)から対応した.しかし,第6版発行当時はDSM-5の発行に伴う疾患名や診断基準の変更に臨床現場が即応していない部分もあり,各執筆者には過渡期であることを考慮した注意深い記述をお願いした.それから3年が経過し,DSM-5が浸透した現場の実情がどのように変わったかと同時に,診断の妥当性などDSM-5の限界や問題点(例えば,ある診断基準内に多様な病態が混在する可能性)も踏まえた精神医学の「現在のスタンダード」が,今回の本書第7版では示されていると言えよう.
また今回の改訂でも,アンケートや読者モニターを実施し,時代的要請に応えるのみならず,読者にとっての有用性がさらに高まるように努めた.主な改訂点は以下のとおりである.
・各章の冒頭に掲載した「この章で学んでほしい要点」「最近の動向」「構成マップ」は好評のため継続する.特に「この章で学んでほしい要点」は,箇条書きで簡潔な形にしてほしいという読者の声に応え,よりわかりやすくポイントを押さえた記述を心がけた.
・症例提示と,症状や徴候を図示したイラストも,今版で強化した.初学者にはイメージしにくい病像も,具体性を増すことで学習の助けになればと考えている.
・野村総一郎先生と樋口輝彦先生が監修者を,朝田 隆先生が編集者を勇退なさった.長く本書の編集に携わり,その礎を築いていただいたことに感謝したい.今版は,尾崎紀夫,村井俊哉に加え,新たに三村 將,水野雅文が編集者として参加した.その他,各章の執筆担当者も世代交代し,6名の新たな執筆者を迎えた.
精神医学の世界的潮流においては,現行の診断基準を中心とした信頼性の担保とともに,新たな精神医学診断システムの模索も続けられている.脳科学・ゲノム科学など科学的アプローチによる精神疾患の病因・病態解明による妥当性の向上と,病態に基づく治療法の開発といった将来像も今後描けるようになるかもしれない.本書はそのような最新の動向も視野に入れつつも,第2版から継続する「精神医学のおもしろさ,奥深さを伝える教科書」を目指すという編集方針を堅持する.執筆者諸先生方には,今版でも豊富な経験に根ざした臨床のエッセンスを惜しみなく盛り込んでいただいた.
本書が,精神医学を学ぼうとする多くの読者にとって有用な教科書であり続けるために,今後も3年に1回を目安とした改訂を行い,常に最新の情報をお届けできるよう努力したい.読者の皆さまからご意見をいただければ幸いである.
2018年初春
編者
目次
開く
総論
第1章 精神医学とは
本章の構成マップ
I 精神医学とは何か
II 正常と異常
III 精神医学の方法論
IV 精神医学の歴史
V 精神疾患の分類と診断
第2章 脳科学と精神医学
本章の構成マップ
第3章 精神機能とその異常
本章の構成マップ
I 意識
II 知覚
III 記憶
IV 見当識
V 睡眠
VI 知能
VII 言語
VIII 思考
IX 感情
X 意志,欲動,行動,精神運動
XI 自我意識
XII 人格(パーソナリティ),性格
第4章 精神発達
本章の構成マップ
I 総論
II 発達段階とその特徴
第5章 精神医学的診察と診断
本章の構成マップ
I 面接法
II 検査法
第6章 精神科治療学
本章の構成マップ
I 身体療法
II 薬物療法
III 精神療法
第7章 コンサルテーション・リエゾン精神医学
本章の構成マップ
第8章 精神医療と社会
本章の構成マップ
I 精神保健
II 地域精神医療
III 災害精神医学
IV 精神保健福祉法
V 司法精神医学
各論
第9章 神経症性障害(不安症・強迫症・解離症・身体症状症)
本章の構成マップ
I 概念・歴史・分類
II 不安症群/不安障害群
III 強迫症および関連症群/強迫性障害および関連障害群
IV 解離症群/解離性障害群
V 身体症状症および関連症群
第10章 パーソナリティ障害と行動異常
本章の構成マップ
I パーソナリティ障害
II 行動異常
第11章 心的外傷およびストレス因関連障害
本章の構成マップ
I 総論
II 各論
第12章 統合失調症
本章の構成マップ
第13章 うつ病と双極性障害
本章の構成マップ
第14章 発達障害(神経発達症群)およびその他の児童期の精神疾患
本章の構成マップ
I 発達障害(DSM-5の「神経発達症群/神経発達障害群」)
II その他の児童期の精神疾患
III 児童期の診察の留意点
第15章 摂食障害
本章の構成マップ
第16章 認知症
本章の構成マップ
I 総論
II 各論
第17章 症状性を含む器質性精神障害
本章の構成マップ
I 器質性精神障害
II 症状性精神障害
III 化学物質中毒などによる精神障害
第18章 睡眠-覚醒障害
本章の構成マップ
I 総論
II 各論
第19章 てんかん
本章の構成マップ
第20章 精神作用物質使用に伴う精神および行動の障害
本章の構成マップ
I 概念
II 各論
付録 精神科臨床実習の手引き
資料
人名索引
和文索引
欧文索引
こころの病を描いた映画
解離性健忘 『パリ,テキサス』
統合失調症 『ビューティフル・マインド』
病気不安症 『ハンナとその姉妹』
パニック症 『アナライズ・ミー』
強迫症 『恋愛小説家』
境界性パーソナリティ障害 『17歳のカルテ』
PTSD 『再会の街で』
統合失調症 『シャイン』
うつ病 『セント・オブ・ウーマン 夢の香り』
認知症 『電話で抱きしめて』
アルコール使用障害 『男が女を愛する時』
第1章 精神医学とは
本章の構成マップ
I 精神医学とは何か
II 正常と異常
III 精神医学の方法論
IV 精神医学の歴史
V 精神疾患の分類と診断
第2章 脳科学と精神医学
本章の構成マップ
第3章 精神機能とその異常
本章の構成マップ
I 意識
II 知覚
III 記憶
IV 見当識
V 睡眠
VI 知能
VII 言語
VIII 思考
IX 感情
X 意志,欲動,行動,精神運動
XI 自我意識
XII 人格(パーソナリティ),性格
第4章 精神発達
本章の構成マップ
I 総論
II 発達段階とその特徴
第5章 精神医学的診察と診断
本章の構成マップ
I 面接法
II 検査法
第6章 精神科治療学
本章の構成マップ
I 身体療法
II 薬物療法
III 精神療法
第7章 コンサルテーション・リエゾン精神医学
本章の構成マップ
第8章 精神医療と社会
本章の構成マップ
I 精神保健
II 地域精神医療
III 災害精神医学
IV 精神保健福祉法
V 司法精神医学
各論
第9章 神経症性障害(不安症・強迫症・解離症・身体症状症)
本章の構成マップ
I 概念・歴史・分類
II 不安症群/不安障害群
III 強迫症および関連症群/強迫性障害および関連障害群
IV 解離症群/解離性障害群
V 身体症状症および関連症群
第10章 パーソナリティ障害と行動異常
本章の構成マップ
I パーソナリティ障害
II 行動異常
第11章 心的外傷およびストレス因関連障害
本章の構成マップ
I 総論
II 各論
第12章 統合失調症
本章の構成マップ
第13章 うつ病と双極性障害
本章の構成マップ
第14章 発達障害(神経発達症群)およびその他の児童期の精神疾患
本章の構成マップ
I 発達障害(DSM-5の「神経発達症群/神経発達障害群」)
II その他の児童期の精神疾患
III 児童期の診察の留意点
第15章 摂食障害
本章の構成マップ
第16章 認知症
本章の構成マップ
I 総論
II 各論
第17章 症状性を含む器質性精神障害
本章の構成マップ
I 器質性精神障害
II 症状性精神障害
III 化学物質中毒などによる精神障害
第18章 睡眠-覚醒障害
本章の構成マップ
I 総論
II 各論
第19章 てんかん
本章の構成マップ
第20章 精神作用物質使用に伴う精神および行動の障害
本章の構成マップ
I 概念
II 各論
付録 精神科臨床実習の手引き
資料
人名索引
和文索引
欧文索引
こころの病を描いた映画
解離性健忘 『パリ,テキサス』
統合失調症 『ビューティフル・マインド』
病気不安症 『ハンナとその姉妹』
パニック症 『アナライズ・ミー』
強迫症 『恋愛小説家』
境界性パーソナリティ障害 『17歳のカルテ』
PTSD 『再会の街で』
統合失調症 『シャイン』
うつ病 『セント・オブ・ウーマン 夢の香り』
認知症 『電話で抱きしめて』
アルコール使用障害 『男が女を愛する時』