パルスオキシメータを10倍活用する
血液ガス“超”入門
パルスオキシメータの本当の使い方、教えます
もっと見る
「SpO2だけを見ていると危険?」 「換気が増えるとSpO2はどう変わる?」 パルスオキシメータを徹底活用するために必要な血液ガス交換の知識を、平易なたとえ話でひもとく。ありそうでなかった血液ガス“超”入門!
シリーズ | 看護ワンテーマBOOK |
---|---|
編著 | 堀川 由夫 |
発行 | 2013年03月判型:B5変頁:120 |
ISBN | 978-4-260-01786-2 |
定価 | 1,980円 (本体1,800円+税) |
更新情報
-
更新情報はありません。
お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。
- 序文
- 目次
序文
開く
はじめに
日常の業務の中で、みなさんは患者さんのバイタルサインをチェックしていることでしょう。その際にパルスオキシメータを見て、SpO2が低いといった異常が見られたら、主治医に報告をして指示を仰いでいると思います。またSpO2が85%などの低値を示した時には、マスクや鼻カニューレを通した酸素投与を行うといった処置を、特に意識することなく、日常の臨床の中で行っていると思います。しかし、「なぜSpO2が90%未満になったら酸素投与の指示が出るのか?」ということを、深く考える機会はこれまであまりなかったのではないでしょうか。
本書では「SpO2とは何か」という原点に立ち返って、みなさんがルーチンワークとして観察しているパルスオキシメータのチェックポイントを解説しています。SpO2が下がれば危険、ということは誰でもわかりますが、同じ値であってもそのまま観察を続けていい状況と、差し迫った危機の前触れとしてのSpO2低下では、その意味合いはかなり異なります。
血液ガス交換について苦手意識を持つ読者も多いと思いますが、身近なパルスオキシメータを題材にすることで、「SpO2が90%になれば血液中の酸素はどれだけ減少するのか?」「酸素投与中のSpO2の数値が高値であっても安心できないのはなぜか?」といった問題を1つひとつ考えることによって、組織への酸素運搬についての総合的な理解を深めていくことができると思います。
パルスオキシメータに表示される値を見るだけでは、単にモニターの数値を読みとっているにすぎません。血液ガス交換の知識を身につけ、その数値が意味するところを理解できるようになれば、目の前の患者さんがどのような状況に陥っているのかを把握し、適切な対応ができるようになるでしょう。本書がそうした「ワンランク上の判断力」を養うきっかけとなれば幸いです。
2013年1月 堀川由夫
日常の業務の中で、みなさんは患者さんのバイタルサインをチェックしていることでしょう。その際にパルスオキシメータを見て、SpO2が低いといった異常が見られたら、主治医に報告をして指示を仰いでいると思います。またSpO2が85%などの低値を示した時には、マスクや鼻カニューレを通した酸素投与を行うといった処置を、特に意識することなく、日常の臨床の中で行っていると思います。しかし、「なぜSpO2が90%未満になったら酸素投与の指示が出るのか?」ということを、深く考える機会はこれまであまりなかったのではないでしょうか。
本書では「SpO2とは何か」という原点に立ち返って、みなさんがルーチンワークとして観察しているパルスオキシメータのチェックポイントを解説しています。SpO2が下がれば危険、ということは誰でもわかりますが、同じ値であってもそのまま観察を続けていい状況と、差し迫った危機の前触れとしてのSpO2低下では、その意味合いはかなり異なります。
血液ガス交換について苦手意識を持つ読者も多いと思いますが、身近なパルスオキシメータを題材にすることで、「SpO2が90%になれば血液中の酸素はどれだけ減少するのか?」「酸素投与中のSpO2の数値が高値であっても安心できないのはなぜか?」といった問題を1つひとつ考えることによって、組織への酸素運搬についての総合的な理解を深めていくことができると思います。
パルスオキシメータに表示される値を見るだけでは、単にモニターの数値を読みとっているにすぎません。血液ガス交換の知識を身につけ、その数値が意味するところを理解できるようになれば、目の前の患者さんがどのような状況に陥っているのかを把握し、適切な対応ができるようになるでしょう。本書がそうした「ワンランク上の判断力」を養うきっかけとなれば幸いです。
2013年1月 堀川由夫
目次
開く
はじめに
Lesson 1 パルスオキシメータはモニタリングの基本ツール
パルスオキシメータの強み
PaO2の代替としてのSpO2
処置や検査時のモニタリング
誤嚥性肺炎を見抜く
慢性呼吸不全患者のセルフモニタリングとして活用する
在宅医療で活用する
Lesson 2 パルスオキシメータのしくみからわかる落とし穴
パルスオキシメータは「何」を測っているのか
パルスオキシメータでは一酸化炭素中毒に気づけない
拍動が弱いと測定値が不正確になる
プレスチモグラフは参考程度に
Lesson 3 SpO2は酸素運搬の要
酸素運搬プロセスのなかのSpO2
SpO2と動脈血酸素含量
SpO2が低下すると心臓に負荷がかかる
心不全患者に酸素投与を行う意味
Lesson 4 血液ガス分析の代用としてのパルスオキシメータ
酸素は圧較差で移動する
酸素解離曲線のS字カーブに沿って酸素は組織に行き渡る
パルスオキシメータだけで判断できないときは血液ガス分析
血液ガス分析で押さえておくべき項目
SpO2だけを見ていると危険な場面
組織が酸素を要求すると酸素解離曲線は右に移動する
Lesson 5 酸素投与とSpO2
分圧がわかると血液ガス交換がわかる
PAO2とPaO2
最後の関門、A-aDO2
酸素投与でSpO2はどう変わる
換気を増やすとSpO2はどう変わる
酸素投与中のパルスオキシメータの数値には要注意
空気呼吸時のパルスオキシメータは信頼できるか
慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者に酸素投与を行うときの注意
睡眠時無呼吸症候群(OSAS)のモニタリングにパルスオキシメータを使う
Lesson 6 換気と酸塩基平衡
pHは酸素解離曲線を移動させる
代謝性の変化と呼吸性の変化を鑑別する
SpO2と患者観察からpHの変動を推測する
呼吸性代償から病態を推測する
代償反応としての過換気
Lesson 7 換気血流不均等とSpO2
「換気」と「血流」のバランスを保つしくみ
肺塞栓症(V/Q比上昇)
無気肺(V/Q比低下)
V/Q比を改善するには? 体位呼吸療法
+(プラス)1
SpO2とSaO2
血液ガスの表記法
禁煙と手術
血液ガス分析であればCOHbを判別できる
動脈血と静脈血の色の違い
胎児ヘモグロビン(HbF)
心拍出量と酸素運搬量
2,3-DPGのはたらき
脳機能モニタとしてのパルスオキシメータ
冠動脈スパズム
CO2ナルコーシス
圧力の単位
カプノメータを併用して、肺塞栓症を見つける
Lesson 1 パルスオキシメータはモニタリングの基本ツール
パルスオキシメータの強み
PaO2の代替としてのSpO2
処置や検査時のモニタリング
誤嚥性肺炎を見抜く
慢性呼吸不全患者のセルフモニタリングとして活用する
在宅医療で活用する
Lesson 2 パルスオキシメータのしくみからわかる落とし穴
パルスオキシメータは「何」を測っているのか
パルスオキシメータでは一酸化炭素中毒に気づけない
拍動が弱いと測定値が不正確になる
プレスチモグラフは参考程度に
Lesson 3 SpO2は酸素運搬の要
酸素運搬プロセスのなかのSpO2
SpO2と動脈血酸素含量
SpO2が低下すると心臓に負荷がかかる
心不全患者に酸素投与を行う意味
Lesson 4 血液ガス分析の代用としてのパルスオキシメータ
酸素は圧較差で移動する
酸素解離曲線のS字カーブに沿って酸素は組織に行き渡る
パルスオキシメータだけで判断できないときは血液ガス分析
血液ガス分析で押さえておくべき項目
SpO2だけを見ていると危険な場面
組織が酸素を要求すると酸素解離曲線は右に移動する
Lesson 5 酸素投与とSpO2
分圧がわかると血液ガス交換がわかる
PAO2とPaO2
最後の関門、A-aDO2
酸素投与でSpO2はどう変わる
換気を増やすとSpO2はどう変わる
酸素投与中のパルスオキシメータの数値には要注意
空気呼吸時のパルスオキシメータは信頼できるか
慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者に酸素投与を行うときの注意
睡眠時無呼吸症候群(OSAS)のモニタリングにパルスオキシメータを使う
Lesson 6 換気と酸塩基平衡
pHは酸素解離曲線を移動させる
代謝性の変化と呼吸性の変化を鑑別する
SpO2と患者観察からpHの変動を推測する
呼吸性代償から病態を推測する
代償反応としての過換気
Lesson 7 換気血流不均等とSpO2
「換気」と「血流」のバランスを保つしくみ
肺塞栓症(V/Q比上昇)
無気肺(V/Q比低下)
V/Q比を改善するには? 体位呼吸療法
+(プラス)1
SpO2とSaO2
血液ガスの表記法
禁煙と手術
血液ガス分析であればCOHbを判別できる
動脈血と静脈血の色の違い
胎児ヘモグロビン(HbF)
心拍出量と酸素運搬量
2,3-DPGのはたらき
脳機能モニタとしてのパルスオキシメータ
冠動脈スパズム
CO2ナルコーシス
圧力の単位
カプノメータを併用して、肺塞栓症を見つける
更新情報
-
更新情報はありません。
お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。