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院内教育プログラムの立案・実施・評価
「日本型看護職者キャリア・ディベロップメント支援システム」の活用

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院内教育は、病院の条件や、構成する看護師の経験などによってニードが異なるため、病院ごとにニードをアセスメントした独自のプログラムが必要となる。本書はこのような現場の要望に応えるものとして、日本の看護現場の状況に基づいて開発され、学習ニードと教育ニードの視点からプログラム作りの知識と方法を示すとともに、既存のプログラムの検証もできる。院内教育担当者必携の書。
編集 舟島 なをみ
発行 2007年08月判型:B5頁:232
ISBN 978-4-260-00492-3
定価 3,520円 (本体3,200円+税)
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舟島なをみ(編者)

 本書は,病院に就業し,院内教育を企画,実施,評価する役割を担う看護職者の皆様がこれまでの経験を重要視しながらも明瞭な根拠を持ってこの活動に従事するために必要な知識を整理,開発し,統合した書である。
 千葉大学看護学部看護教育学教育研究分野は,本書『院内教育プログラムの立案・実施・評価-「日本型看護職者キャリア・ディベロップメント支援システム」の活用』に結実した知識の整理と開発を,1998年に開始した。その契機は,筆者舟島の千葉大学看護学部における就職対策委員としての活動にあった。当時,助教授としてこの委員会のメンバーの一人であった筆者は,病院への就職を希望する看護学部4年次生の多くが,院内教育の充実度を選択の基準としていることを知った。筆者は,病院に就業する看護師として13年間の経験を持っており,院内教育にも関わっていた。しかし,当時,各病院がそこに就業する看護職員を対象にして提供している教育が,学生の学習ニードを充足するプログラムを提供しているか否かに関しては確たる事実を把握していなかった。また,文献を検索してみても筆者の疑問に答える内容を入手することはできなかった。数年間,就職対策委員を務めた筆者は,いつか機会を得て,院内教育がどのようになっているのかを明らかにする研究をしたいと考えていた。
 その機会は1998年の秋,突然,到来した。それは,当時,千葉大学看護学部に編入学した学生との出会いであり,その学生は,卒業論文の指導を受けるために看護教育学教育研究分野を選択した。学生は,編入学以前に13年間,病院の看護師として就業した経験を持ち,院内教育を受けた経験はもとより,副看護師長として院内教育を提供した経験も持っていた。研究テーマを焦点化していく過程を通して,筆者の関心と学生の問題意識が合致し,学生は,卒業研究として院内教育をテーマとして選択した。卒業研究の結果は,多くの病院が院内教育に多大なエネルギーを注いでいるものの,その内容や方法に確信が持てない状況を浮き彫りにした。これを契機として,千葉大学看護学部看護教育学教育研究分野における院内教育の研究は徐々に拡大した。
 また,2003年,千葉大学看護学部の「日本文化型看護学の創出・国際発信拠点」は,21世紀COEプログラムに採択され,筆者らはその活動を通して,「日本型看護職者キャリア・ディベロップメント支援システム」を開発した。これは,前述した研究の成果とこの活動を通して新たに産出された成果を統合し作成され,院内教育プログラムの立案,実施,評価の方法論として活用でき,既にその有効性が検証できたシステムである。この活動が,本書に掲載した知識の産出と統合を加速したことはいうまでもない。
 本書は,多くの方々の貢献なくして誕生することはなかった。先述したように本書のほとんどは筆者らが1998年から実施してきた研究成果により構成されている。それらの多くを千葉大学大学院看護学研究科看護教育学専攻の修了生が担った。中でも松田安弘さんは執筆協力者として支援を提供し,望月美知代さんは本書の校正をすべて担当してくださった。また,ベルランド総合病院,山形済生病院の看護部の皆様は,「日本型看護職者キャリア・ディベロップメント支援システム」の開発に多大なる貢献をした。さらに,医学書院の杉之尾成一氏は,企画段階から本書の完成に向け的確な助言をくださった。加えて,群馬県立県民健康科学大学学長杉森みど里先生は,この過程を常に見守り,時には様々な困難にくじけそうになる筆者を激励し続けてくださった。
 これら多くの皆様に心から感謝申し上げる。
 最後に,看護教育学研究として院内教育に関わる内容を扱う契機となった卒業研究を行った編入生は,本書の共著者三浦弘恵さんであることを追記する。三浦さんは,千葉大学卒業に引き続き博士前期課程,後期課程へと進学し,博士号取得後はCOEフェローとして2年間,研究者として活動した。今,筆者は,修了生と共著書を作成できた「喜び」を的確に表す言葉を見つけられないでいる。しかし,教育の重要性と責務,その成果を得るために膨大な時間を要する事実を再認識し,これまで以上に教授者としての自己,学習者としての学生に誠実に向かい合いたいと考えている。
 2007年夏

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第1章 看護師とそのキャリア・ディベロップメント
  I 看護職者が学習を継続しなければならない理由
  II 看護継続教育とその必要性
  III 看護継続教育と看護職者のキャリア・ディベロップメント
  IV 看護職者のキャリア・ディベロップメントと院内教育
第2章 院内教育プログラム立案・実施・評価に必要な基礎知識
  I 院内教育の定義
  II 院内教育プログラム立案に必要な基礎知識
  III 院内教育プログラムの展開に必要な基礎知識
  IV 日本型看護職者キャリア・ディベロップメント支援システム
    活用に必要な基礎知識
第3章 教育ニード・学習ニードの診断結果に基づく教育プログラムの展開
 第1節 教育ニード優先型教育プログラムの展開
  I 教育ニード優先型教育プログラムの展開に必要な基礎的知識
  II 教育ニード優先型教育プログラム展開の実際-Y病院の試み-
 第2節 学習ニード優先型教育プログラムの展開
  I 学習ニード優先型教育プログラムの展開に必要な基礎的知識
  II 学習ニード優先型教育プログラム展開の実際-H病院の試み-
第4章 看護教育学研究の成果を活用した研修計画の作成と授業の展開
  I 新人看護師の指導を担当するプリセプター養成を目的とした研修
  II 勤務帯リーダーの養成を目的とした研修に活用可能な
    看護教育学の研究成果
  III 患者安全に関する研修に活用可能な看護教育学の研究成果
用語解説
索引

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