院内教育プログラムの立案・実施・評価 第2版
院内教育・学習・研修・実習指導の質を高めるために
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就職先の病院を決める際に多くの新人看護師が重視する「院内教育の充実度」。本書は、その企画・実施・評価に携わる看護職者に必要な知識を開発・整理。病院で働く看護職者のニードを根拠を持って測定できる「学習ニードアセスメントツール」「教育ニードアセスメントツール」を臨床看護師用のほか、助産師、教育担当者、実習指導者、看護師長用に新たに開発。研修過程の評価尺度とその活用ガイドや研修事例も追加した。
監修 | 舟島 なをみ |
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発行 | 2015年12月判型:B5頁:388 |
ISBN | 978-4-260-02395-5 |
定価 | 4,180円 (本体3,800円+税) |
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序
『院内教育プログラムの立案・実施・評価』は,病院に就業し,院内教育を立案,実施,評価する役割を担う看護職者の皆様がこれまでの経験を重要視しながらも,明瞭な根拠をもってこの活動に従事するために必要な知識を整理,開発し,統合した書である。2007年に誕生し,2015年に第2版の出版を実現した。この間,初版を充実すべく研究を継続するとともに,読者となって下さった皆様の声を反映すべく努力を継続し,現在に至っている。初版から第2版の改訂は,主に次の4点である。
第1は,第2章に,院内教育の評価に活用可能な知識として,看護職者が院内教育の一環である研修を評価する基準を補充したことである。
第2は,同じく第2章に,研修の過程を評価する尺度を開発し,尺度とその活用ガイドを掲載したことである。この2点は,新たに著者の一人となった山澄直美さんが千葉大学大学院博士後期課程に在籍し,約4年半の年月をかけ実施した研究の成果である。この研究は,第1段階として,質的帰納的研究による看護職者が研修を評価する基準の解明,第2段階として,その基準を用いて研修過程を評価する尺度とその活用ガイドの開発,第3段階として,尺度と活用ガイドを用いた評価が研修の改善に有効であることの確認,この3段階を経た。研究者の努力とともに各段階のデータ提供を許諾して下さった病院,実際にデータ提供者となって下さった看護職者の皆様の理解と協力なくして,上記改訂は実現しなかった。
主要な改訂の第3は,「第4章 研修計画の作成と授業の展開」にある。初版は「研修計画の作成と授業の展開」の具体例として,プリセプター養成を目的とした研修1例のみを紹介したが,第2版は,「勤務帯リーダーとしての能力向上を目的とした研修」「患者の安全確保を目的とした研修」を具体例として加筆し,研修事例は合計3例となった。これは,「研修事例の紹介は,実際に研修計画作成に向け参考となる」「性質の異なる研修事例を紹介してほしい」という読者の皆様の声に応えた改訂である。
主要な改訂の第4は,「第5章 院内教育プログラムの展開に活用可能な測定用具」を新たにおこし,合計11種類の測定用具を紹介したことである。この11種類とは,看護師,助産師,院内教育担当者,実習指導者,看護師長用各々の学習ニードアセスメントツール,教育ニードアセスメントツール,研修過程評価スケール─院内教育用─である。このうち,看護師,助産師の学習ニードアセスメントツール,教育ニードアセスメントツール,研修過程評価スケール─院内教育用─は,『看護実践・教育のための測定用具ファイル 第3版』(医学書院刊)にも掲載されているが,院内教育担当者,実習指導者,看護師長用の学習ニードアセスメントツール,教育ニードアセスメントツールは,本書への掲載に向け研究を累積した成果である。役割別,役職別の院内教育プログラムの立案に活用していただきたい。
また,筆者らの開発した測定用具は既に多くの看護職者によって使用されており,測定用具の有効性を評価していただく一方,許諾手続きの煩雑さへの指摘も受けてきた。この声に応え,Webにより本書に掲載した学習・教育ニードアセスメントツール11種類に,勤務帯リーダー役割自己評価尺度,患者安全のための看護実践自己評価尺度を加え合計13種類の許諾を申請できるようになった。このシステムを活用することを通して,簡便かつ迅速に測定用具の使用許諾を得られるようになった。
『院内教育プログラムの立案・実施・評価』の初版は,2名の著者によって執筆された。それから8年が経過し,初版からの著者1名に新たに11名が加わり,合計12名が毎月1回,編集会議を開催し,第2版の出版を実現した。12名の著者は全員,看護教育学を専門とし,看護教育学研究を中核に据え,活動している。本書は,看護教育学が看護継続教育,特に院内教育という領域に重要な責務を持ち,この責務を担い続けなければならないことを明言している。同時に,新たに加わった著者に,この責務を果たす能力をどのように高め,また,どのように責務を果たしていくのかという課題も明示している。
本書の誕生に向け,多くの方々の支援を受けた。望月美知代さんは,本書の執筆に向け,重要な提案をするとともに,必要な資料収集や校正に尽力してくださった。また,医学書院の複数の方々が改訂の道を切り開き,完成に向け,惜しみない支援を提供してくださった。心から感謝申し上げる。
2015年10月
舟島なをみ
『院内教育プログラムの立案・実施・評価』は,病院に就業し,院内教育を立案,実施,評価する役割を担う看護職者の皆様がこれまでの経験を重要視しながらも,明瞭な根拠をもってこの活動に従事するために必要な知識を整理,開発し,統合した書である。2007年に誕生し,2015年に第2版の出版を実現した。この間,初版を充実すべく研究を継続するとともに,読者となって下さった皆様の声を反映すべく努力を継続し,現在に至っている。初版から第2版の改訂は,主に次の4点である。
第1は,第2章に,院内教育の評価に活用可能な知識として,看護職者が院内教育の一環である研修を評価する基準を補充したことである。
第2は,同じく第2章に,研修の過程を評価する尺度を開発し,尺度とその活用ガイドを掲載したことである。この2点は,新たに著者の一人となった山澄直美さんが千葉大学大学院博士後期課程に在籍し,約4年半の年月をかけ実施した研究の成果である。この研究は,第1段階として,質的帰納的研究による看護職者が研修を評価する基準の解明,第2段階として,その基準を用いて研修過程を評価する尺度とその活用ガイドの開発,第3段階として,尺度と活用ガイドを用いた評価が研修の改善に有効であることの確認,この3段階を経た。研究者の努力とともに各段階のデータ提供を許諾して下さった病院,実際にデータ提供者となって下さった看護職者の皆様の理解と協力なくして,上記改訂は実現しなかった。
主要な改訂の第3は,「第4章 研修計画の作成と授業の展開」にある。初版は「研修計画の作成と授業の展開」の具体例として,プリセプター養成を目的とした研修1例のみを紹介したが,第2版は,「勤務帯リーダーとしての能力向上を目的とした研修」「患者の安全確保を目的とした研修」を具体例として加筆し,研修事例は合計3例となった。これは,「研修事例の紹介は,実際に研修計画作成に向け参考となる」「性質の異なる研修事例を紹介してほしい」という読者の皆様の声に応えた改訂である。
主要な改訂の第4は,「第5章 院内教育プログラムの展開に活用可能な測定用具」を新たにおこし,合計11種類の測定用具を紹介したことである。この11種類とは,看護師,助産師,院内教育担当者,実習指導者,看護師長用各々の学習ニードアセスメントツール,教育ニードアセスメントツール,研修過程評価スケール─院内教育用─である。このうち,看護師,助産師の学習ニードアセスメントツール,教育ニードアセスメントツール,研修過程評価スケール─院内教育用─は,『看護実践・教育のための測定用具ファイル 第3版』(医学書院刊)にも掲載されているが,院内教育担当者,実習指導者,看護師長用の学習ニードアセスメントツール,教育ニードアセスメントツールは,本書への掲載に向け研究を累積した成果である。役割別,役職別の院内教育プログラムの立案に活用していただきたい。
また,筆者らの開発した測定用具は既に多くの看護職者によって使用されており,測定用具の有効性を評価していただく一方,許諾手続きの煩雑さへの指摘も受けてきた。この声に応え,Webにより本書に掲載した学習・教育ニードアセスメントツール11種類に,勤務帯リーダー役割自己評価尺度,患者安全のための看護実践自己評価尺度を加え合計13種類の許諾を申請できるようになった。このシステムを活用することを通して,簡便かつ迅速に測定用具の使用許諾を得られるようになった。
『院内教育プログラムの立案・実施・評価』の初版は,2名の著者によって執筆された。それから8年が経過し,初版からの著者1名に新たに11名が加わり,合計12名が毎月1回,編集会議を開催し,第2版の出版を実現した。12名の著者は全員,看護教育学を専門とし,看護教育学研究を中核に据え,活動している。本書は,看護教育学が看護継続教育,特に院内教育という領域に重要な責務を持ち,この責務を担い続けなければならないことを明言している。同時に,新たに加わった著者に,この責務を果たす能力をどのように高め,また,どのように責務を果たしていくのかという課題も明示している。
本書の誕生に向け,多くの方々の支援を受けた。望月美知代さんは,本書の執筆に向け,重要な提案をするとともに,必要な資料収集や校正に尽力してくださった。また,医学書院の複数の方々が改訂の道を切り開き,完成に向け,惜しみない支援を提供してくださった。心から感謝申し上げる。
2015年10月
舟島なをみ
目次
開く
第1章 看護師とそのキャリア・ディベロップメント
I 看護職者が学習を継続しなければならない理由
II 看護継続教育とその必要性
III 看護継続教育と看護職者のキャリア・ディベロップメント
IV 看護職者のキャリア・ディベロップメントと院内教育
第2章 院内教育プログラム立案・実施・評価に必要な基礎知識
I 院内教育の定義
II 院内教育プログラム立案に必要な基礎知識
III 院内教育プログラムの展開に必要な基礎知識
IV 日本型看護職者キャリア・ディベロップメント支援システム活用に必要な基礎知識
第3章 教育ニード・学習ニードの診断結果に基づく教育プログラムの展開
A 教育ニード優先型プログラムの展開
I 教育ニード優先型プログラムの展開に必要な基礎知識
II 教育ニード優先型プログラム展開の実際-Y病院の試み-
B 学習ニード優先型プログラムの展開
I 学習ニード優先型プログラムの展開に必要な基礎知識
II 学習ニード優先型プログラム展開の実際-H病院の試み-
第4章 研修計画の作成と授業の展開
I 新人看護師の指導を担当するプリセプター養成を目的とした研修
II 勤務帯リーダーとしての能力向上を目的とした研修
III 患者の安全確保を目的とした研修
第5章 院内教育プログラムの展開に活用可能な測定用具
A 看護師の学習ニード・教育ニードを測定する
I 学習ニードアセスメントツール-臨床看護師用-
II 教育ニードアセスメントツール-臨床看護師用-
B 助産師の学習ニード・教育ニードを測定する
I 学習ニードアセスメントツール-助産師用-
II 教育ニードアセスメントツール-助産師用-
C 院内教育担当者の学習ニード・教育ニードを測定する
I 学習ニードアセスメントツール-教育担当者用-
II 教育ニードアセスメントツール-教育担当者用-
D 実習指導者の学習ニード・教育ニードを測定する
I 学習ニードアセスメントツール-実習指導者用-
II 教育ニードアセスメントツール-実習指導者用-
E 看護師長の学習ニード・教育ニードを測定する
I 学習ニードアセスメントツール-看護師長用-
II 教育ニードアセスメントツール-看護師長用-
F 研修を測定する
I 研修過程評価スケール-院内教育用-
用語解説
付録
1 使用許諾手続きの流れ
2 測定用具別問い合わせ先
索引
I 看護職者が学習を継続しなければならない理由
II 看護継続教育とその必要性
III 看護継続教育と看護職者のキャリア・ディベロップメント
IV 看護職者のキャリア・ディベロップメントと院内教育
第2章 院内教育プログラム立案・実施・評価に必要な基礎知識
I 院内教育の定義
II 院内教育プログラム立案に必要な基礎知識
III 院内教育プログラムの展開に必要な基礎知識
IV 日本型看護職者キャリア・ディベロップメント支援システム活用に必要な基礎知識
第3章 教育ニード・学習ニードの診断結果に基づく教育プログラムの展開
A 教育ニード優先型プログラムの展開
I 教育ニード優先型プログラムの展開に必要な基礎知識
II 教育ニード優先型プログラム展開の実際-Y病院の試み-
B 学習ニード優先型プログラムの展開
I 学習ニード優先型プログラムの展開に必要な基礎知識
II 学習ニード優先型プログラム展開の実際-H病院の試み-
第4章 研修計画の作成と授業の展開
I 新人看護師の指導を担当するプリセプター養成を目的とした研修
II 勤務帯リーダーとしての能力向上を目的とした研修
III 患者の安全確保を目的とした研修
第5章 院内教育プログラムの展開に活用可能な測定用具
A 看護師の学習ニード・教育ニードを測定する
I 学習ニードアセスメントツール-臨床看護師用-
II 教育ニードアセスメントツール-臨床看護師用-
B 助産師の学習ニード・教育ニードを測定する
I 学習ニードアセスメントツール-助産師用-
II 教育ニードアセスメントツール-助産師用-
C 院内教育担当者の学習ニード・教育ニードを測定する
I 学習ニードアセスメントツール-教育担当者用-
II 教育ニードアセスメントツール-教育担当者用-
D 実習指導者の学習ニード・教育ニードを測定する
I 学習ニードアセスメントツール-実習指導者用-
II 教育ニードアセスメントツール-実習指導者用-
E 看護師長の学習ニード・教育ニードを測定する
I 学習ニードアセスメントツール-看護師長用-
II 教育ニードアセスメントツール-看護師長用-
F 研修を測定する
I 研修過程評価スケール-院内教育用-
用語解説
付録
1 使用許諾手続きの流れ
2 測定用具別問い合わせ先
索引
更新情報
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