助産診断・技術学Ⅱ 第7版
[2]分娩期・産褥期
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- ①分娩期・産褥期の助産を体系的に学べます
- 分娩期・産褥期の解剖・生理から疾患、助産診断、介助法まで一連の流れにそって体系的に効率よく学べます。
- ②最新のデータや知識、発展的な内容も収載
- つねに新しくなるデータや知識、発展的な内容は欄外の「NOTE」に収載されています。毎年、見直しを行うことで変化の速い助産の分野にも対応できます。
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序文
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序
助産師をめぐる動向
わが国では,出産取り扱い施設の縮小や産科医の偏在・減少といった構造的課題が続くなか,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を経て妊産婦の孤立が顕在化した。そのようななか,わが国の無痛(硬膜外麻酔)分娩の普及率は,2024(令和6)年に16.2%となり6年連続で上昇しており,無痛分娩を選択する女性は確実に増えている。東京都では2025(令和7)年10月より無痛分娩費用の助成(最大10万円)を導入し,対象医療機関で出産した都民に対する経済的支援を開始するなどの動きもある。国の政策においては,こども家庭庁を中心とした子ども・子育て政策の一元化が進んでいる。こうした動きは少子化対策や出産時の選択肢の拡大を後押しする一方,分娩体制や安全管理の強化,情報提供の質向上など,新たな実務的課題を生じさせている。
国際的には国際助産師連盟(ICM)が,助産に関する基本文書や基準類などを継続的に改訂し,女性中心のケア,自律性,人権,エビデンスに基づく実践,多職種連携の重要性を明確化し,提供してきた。「ICM助産実践に必須のコンピテンシー(ICM Essential Competencies for Midwifery Practice)」では,2024年の改訂において性と生殖に関する健康と権利 sexual and reproductive health and right(s SRHR)を独立カテゴリー化し,知識・技能・行動指標を拡充している。「ICM助産師教育の世界基準(ICM Global Standards For Midwifery Education)」は2021年の改訂で,学習成果に基づく教育・質保証・継続的改善を強調し,ダイレクトエントリー3年,既有資格者18か月の最低修業年限の枠組みが再確認された。さらに2025年には「ICM助産の定義(ICM Definition of Midwifery)」「助産ケアの理念とモデル(Philosophy and Model of Midwifery Care)」「助産専門職の枠組み(Professional Framework for Midwifery)」などの基本文書が改訂され,リーダーシップ,ジェンダーの公正性,気候変動や人道危機への対応といった視座が一層明確化された。
わが国でも,2000年代後半以降,規制改革の提起を契機に助産師の権限や役割の見直しが進み,産科医不足やニーズの多様化・複雑化に対応するため助産外来や院内助産など,助産師の専門性をいかしたケア提供体制が全国で広がった。教育面では,2010(平成22)年の保健師助産師看護師法改正により助産師・保健師の基礎教育年限が6か月から1年以上へ延長された。2011(平成23)年の保健師助産師看護師学校養成所指定規則の改正において助産師教育は28単位に,さらに2022(令和4)年の改正では31単位に拡充されるなど,質・量両面の整備が段階的にはかられてきた。これらは,高度化・複雑化する母子保健および周産期医療の課題に,助産師が自律的・専門的に対応するための基盤整備として重要である。
改訂の趣旨
本書第7版では,上記の国内外の動向を踏まえ,改正された保健師助産師看護師学校養成所指定規則の基本的枠組みを踏襲しつつ,エビデンスに基づく医療(EBM)を基礎に,必修的内容と発展的内容をバランスよく提示することを目的とする。狙いは,助産学教育の水準を向上させ,助産学の発展・確立に寄与し,さらにSRHR,無痛分娩の安全な提供体制,多文化・多様性への配慮,倫理的意思決定,緊急時対応などの今日的な課題に実践的に対応できる助産師養成の基盤を強化することである。なお,本講座は第一義に助産師学生の基礎教育テキストであり,助産師国家試験出題基準の内容を網羅している。
第7版では,妊娠・分娩・産褥各期における母親および新生児・乳幼児の身体的・心理的・社会的状態を正しく把握し,正常からの逸脱の早期同定と適切な援助につなげるため,基礎から高次の助産診断・技術までを最新のエビデンスに基づき,図表を多用してわかりやすく記述した。
執筆は各領域の第一線で活躍する教育者・実践家に依頼し,見やすさ・使いやすさに配慮した。学生の学習はもとより,臨床・地域で活躍する助産師の指導書としても幅広く活用されることを期待する。
本講座は,我妻堯・前原澄子両氏の編集による初版(1991年)以来,改訂を重ね,本版で第7版となった。ここに,本講座の発展に尽力された編著者各位に深甚なる謝意を表する。
2026年1月
編者ら
目次
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第1部 分娩期
第1章 分娩の生理と検査
A 分娩に関する定義と種類
1 分娩とは
2 分娩開始と分娩の経過
3 分娩の種類
B 分娩の3要素
1 娩出力
2 産道
3 娩出物(胎児および胎児付属物)
C 分娩が母体・胎児に及ぼす影響
1 分娩が母体に及ぼす影響
2 分娩が胎児に及ぼす影響
D 胎児心拍数陣痛図の基礎知識
1 定義と概念
2 CTGの基本事項
3 CTGの用語とその定義
4 胎児機能不全の診断と対応
5 CTG波形の分類と対応
第2章 分娩期のアセスメント
A 分娩期のフィジカルアセスメント
1 分娩開始の予知の診断
2 入院判断のための電話による問診
3 入院時の情報収集・観察とフィジカルアセスメント
4 全身状態と分娩の3要素の観察とアセスメント
5 分娩各期における分娩進行の観察とアセスメント
B 分娩期の心理・社会的変化のアセスメント
1 産婦の心理・社会的変化
2 産婦の日常生活活動の充足と適応のアセスメント
3 家族の心理・社会的変化
第3章 分娩介助法
A 分娩介助の目標と準備
1 分娩介助の目標
2 分娩介助の準備
B 正常分娩介助法の実際
1 正常分娩の介助技術と機転
2 分娩体位による介助法
C 胎児付属物の検査と計測
1 検査の必要性
2 観察項目
3 計測の実際
第4章 産婦への支援
A 産婦への支援の基本
1 基本的な助産ケア
2 「ポジティブな出産体験のための分娩期ケア」による推奨項目
B 分娩経過にそったケア
1 分娩第1期の助産ケア
2 分娩第2期・第3期の助産ケア
3 分娩第4期(分娩後2時間まで)の助産ケア
第5章 分娩期の異常・偶発疾患
A 分娩の3要素の異常
1 娩出力の異常
2 産道の異常
3 娩出物の異常
B 分娩に伴う損傷・偶発疾患・合併症
1 胎児機能不全
2 分娩時の異常出血
3 羊水塞栓症
4 子宮内反症
5 子宮破裂
6 絨毛膜羊膜炎
7 子癇発作
第6章 産科手術および産科的医療処置
A 産科手術の準備
1 インフォームドコンセント
2 術前検査
3 産婦に対する準備
4 手術人員および手術室の準備
5 手術時の産婦の体位
B 産科手術および産科的医療処置の各論
1 分娩誘発・陣痛促進法
2 骨盤位牽出術(骨盤位娩出術)
3 器械的急速遂娩術
4 子宮底圧迫法(クリステレル胎児圧出法)
5 帝王切開術
6 会陰切開術・縫合術
7 会陰裂傷・腟壁裂傷縫合術
8 外陰血腫・腟壁血腫に対する処置
9 頸管裂傷縫合術
10 胎盤用手剝離術
11 双合(双手)子宮圧迫法
12 臍帯脱出に際しての対応
13 子宮内反症に対する整復術
14 子宮破裂に対する手術
C 産科麻酔
1 分娩・出産の鎮痛法(無痛分娩)
2 帝王切開術の麻酔
第7章 ハイリスク・異常分娩時のアセスメントと支援
A ハイリスク・異常分娩時のアセスメントの視点
1 母体の異常状態を把握するアセスメントの視点
2 胎児や胎児付属物の異常状態を把握するアセスメントの視点
B ハイリスク・異常分娩時の産婦への支援
1 分娩経過に伴う異常産婦への支援
2 合併症を有する産婦への支援
C 無痛分娩を選択した産婦への支援
1 無痛分娩に求められる助産
2 妊娠期からの支援の実際
3 分娩期の支援の実際
4 無痛分娩におけるチーム医療
第8章 分娩期の助産診断の視点
A 分娩期の助産診断の特徴と全体像
1 分娩期のアセスメントの特徴
2 分娩期の助産診断
3 分娩期の助産計画
4 分娩期の助産ケア・評価
5 ハイリスク産婦の助産診断
6 分娩期の助産診断・助産ケアの内省的検討
B 分娩期の助産過程の展開
1 正常な経過の事例展開
2 異常のある経過の事例展開
第9章 救急処置
A 救急処置の実際
1 周産期救命救急の特徴
2 救急蘇生法のプログラム
3 ショックとその分類
4 産科危機的出血(分娩前後の出血性ショック)への対応
5 産科危機的出血における止血法
6 非出血性ショック
B 母体搬送における周産期医療連携
1 搬送元施設における流れ
2 搬送先施設における流れ
第2部 産褥期
第10章 産褥の生理
A 産褥期の全身の変化と特徴
1 産褥の定義
2 産褥期の全身の変化の特徴
3 産褥期の器官別の変化の特徴
B 産褥期の局所的な変化と特徴
1 後陣痛
2 子宮復古
3 悪露
4 乳汁分泌
5 月経の再開と産褥期の終了
第11章 産褥期のアセスメント
A 産褥期のフィジカルアセスメント
1 褥婦の健康診査に必要な技術
2 産褥経過の正常性の診断のためのアセスメント
B 産褥期の心理・社会的変化のアセスメント
1 褥婦の心理・社会的変化
2 褥婦の日常生活行動の充足と適応のアセスメント
3 家族の形成と社会的変化
第12章 褥婦への支援
A 退行性変化促進の支援
1 子宮収縮の促進に関する支援
2 創部治癒を促す支援
3 活動と休息のバランスの促進による支援
B 進行性変化促進の支援
1 授乳の準備に対する支援
2 授乳行動に対する支援
3 なんらかのトラブルがある場合の支援
C 産後の生活に関する支援
1 育児行動獲得への支援
2 褥婦と家族への心理・社会的支援
第13章 産褥期の異常・偶発疾患
A 産褥期におこる身体的な問題
1 生殖器の異常
2 周産期感染症
3 血管に関連する異常
4 乳房・乳腺異常,乳汁分泌異常
5 産後後遺症
B 産褥期におこる精神的な問題
1 マタニティブルーズ
2 産褥精神病
第14章 ハイリスク・異常褥婦へのアセスメントと支援
A ハイリスク・異常褥婦へのアセスメント
1 身体的ハイリスク・異常要因のアセスメント
2 心理・社会的ハイリスク・異常要因のアセスメント
B ハイリスク・異常褥婦への支援
1 痛みがある褥婦への支援
2 生殖器の異常に対する支援
3 周産期感染症に対する支援
4 母子感染症に対する支援
5 血管に関連する異常に対する支援
6 産後後遺症に対する支援
7 精神的な問題をかかえる褥婦への支援
8 乳房管理を必要とする褥婦への支援
9 特別な状況にある褥婦への支援
第15章 産褥期の助産診断の視点
A 産褥期の助産診断の特徴と全体像
1 産褥期のアセスメントの特徴
2 産褥期の助産診断
3 産褥期の助産計画
4 産褥期の助産ケア・評価
5 ハイリスク褥婦の助産診断
6 産褥期の助産診断・助産ケアの内省的検討
B 産褥期の助産過程の展開
1 正常な過程で進行する産褥期の事例展開
付章 母乳育児の歴史と現状
1 世界的な母乳育児推進の概要
2 母乳代用品の国際規準と安全性
3 わが国の母乳育児の状況
索引
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