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薬剤師レジデントマニュアル 第4版

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疾患や治療薬に関する基本的な情報に加え、現場で役立つ「薬剤師による薬学的ケア」「処方提案のポイント」が充実したマニュアル。①現場で役立つ実践的な情報を、②箇条書きで歯切れよく、③ポケットに入るサイズにまとめた。総論は調剤、DI、高齢者、検査、薬剤管理指導の要点を簡潔に記載し、各論は感染症、糖尿病、高血圧など主要54疾患を解説。卒後1,2年目の若手薬剤師はもちろん、実務実習の薬学生にもおすすめ。

監修 橋田 亨
編集 室井 延之 / 西岡 弘晶
発行 2025年10月判型:B6変頁:496
ISBN 978-4-260-06222-0
定価 4,180円 (本体3,800円+税)

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第4版 編集の序

 コロナ禍という大波を越えて,医療を取り巻く環境は劇的に変化し,そのスピードはさらに加速しています.加えて,テクノロジー進化の流れが一気に押し寄せようとしています.
 こうした変化の中で,私たち薬剤師もまた,時代のニーズに応じて進化し,絶えず新たな薬剤業務を展開していかなければなりません.この時にこそ,「不易流行」の心が大切だと思います.
 「不易」とは,時を経ても変わることのない本質を意味し,「流行」とは,その時々に応じて変化し続ける姿を意味します.私たちにとって「不易」は,ノウハウや創造性,そして臨床的に意味のある違いを見極める力であり,すなわちPharmacist-Scientistとしての実践です.一方の「流行」は,今までの医療のあり方と違う視点としてのDXではないでしょうか.調剤機器も進化を遂げ,センサー,知能・制御系,駆動系という三要素を備えた知能化ロボット調剤システムへと進んでいます.また,1年前には多くの人が懐疑的であった生成AIは,いつの間にか医薬品開発から市販後安全管理,さらには薬剤師業務では調剤やDI業務にも活用され,一大トレンドになってきました.
 その中において,医薬品の製造から患者への提供までのプロセスに関わるすべての者は,医薬品が「製品」や「商品」でなく,薬理作用のある「薬」であることの本質を忘れてはならないと思います.私たち現場の臨床薬剤師は製剤的特性を十分に理解した上での処方提案,調剤,鑑査,そして服薬指導,副作用のモニタリングによる継続した服薬管理まで,この一連の適正使用サイクルの中で,薬のプロファイルを科学的に評価し,責任をもって最適化治療を提供しなければなりません.
 『薬剤師レジデントマニュアル』は2013年に橋田亨先生(現・神戸市立医療センター中央市民病院院長補佐・臨床研究推進センター長)により「コモンディジーズの薬物治療を基本に,薬学的専門性を臨床で発揮するための知を,白衣のポケットに収まる形で提供する」ことをコンセプトとして創刊されました.その後,第2版(2018年),第3版(2021年)を経て,本書は新人薬剤師のみならず,医療の最前線で活躍する多くの病院薬剤師・薬局薬剤師の皆様に広く活用されてきました.そしてこのたび,第4版を刊行する運びとなったことを,関係者一同とてもうれしく思います.
 今回の第4版では,初版のコンセプトを大切に継承しつつ,先に述べたような目まぐるしい医療の変化に対応することを目指しました.神戸市立医療センター中央市民病院の薬剤師と総合診療科の医師が中心となって,高度急性期医療の最前線で得られた実践的ノウハウを反映するとともに,近年の創薬モダリティの多様化にも対応し,内容を大幅にアップデートしています.
 私たち薬剤師には,サイエンスの視点で医療の変化を乗り越える力があります.本書で得られた知識やアイデアを臨床,研究の現場で広く活用していただき,皆様のアクティビティによって,医療の質のさらなる向上へとつながることを,心から願っています.

 2025年9月
 神戸市立医療センター中央市民病院 薬剤部長
 神戸市立神戸アイセンター病院 薬剤部長
 室井 延之

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第1章 調剤
 1 調剤総論
 2 調剤で知っておきたい医薬品の情報

第2章 注射
 1 電解質・輸液
 2 注意すべき配合変化

第3章 医薬品情報
 1 医薬品情報源の収集,評価および保管
 2 医薬品情報の提供
 3 医療従事者などからの質疑への対応
 4 安全性情報の入手と対応

第4章 薬物療法を理解するための基礎知識
 1 臨床上重要な薬物動態・薬力学パラメータと薬物相互作用
 2 主な医薬品の薬物動態データ(TDM対象薬物を中心に)

第5章 スペシャルポピュレーションに対する薬物療法の注意点
 1 腎障害
 2 透析
 3 肝障害
 4 小児
 5 妊婦・授乳婦

第6章 高齢者に対する薬物療法の注意点
 1 特徴
 2 ポリファーマシー
 3 ガイドラインと実践的アプローチ

第7章 病態を理解するための主な検査
 1 生化学検査
 2 血清免疫学的検査
 3 内分泌学的検査
 4 腫瘍関連検査
 5 生体検査
 6 画像検査
 7 電気生理学検査
 8 内視鏡検査
 9 聴力検査
 10 視力検査
 11 その他

第8章 フィジカルアセスメント
 1 アセスメント時の基本マナー
 2 外観のアセスメント
 3 バイタルサイン
 4 血圧
 5 脈拍
 6 呼吸
 7 体温
 8 意識
 9 尿量

第9章 薬剤管理指導/病棟薬剤業務
 1 治療開始前
 2 治療開始後

第10章 感染症
 1 呼吸器感染症
 2 尿路感染症
 3 真菌感染症
 4 敗血症
 5 肺結核
 6 HIV

第11章 呼吸器疾患
 7 喘息・慢性閉塞性肺疾患(COPD)
 8 間質性肺炎

第12章 循環器疾患
 9 急性冠症候群
 10 不整脈
 11 心不全
 12 高血圧

第13章 消化器疾患
 13 消化性潰瘍
 14 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎,クローン病)
 15 肝炎
 16 肝硬変
 17 膵炎

第14章 腎泌尿器疾患
 18 前立腺肥大
 19 慢性腎臓病(CKD)
 20 透析
 21 ネフローゼ症候群

第15章 血液疾患
 22 貧血
 23 DIC(播種性血管内凝固症候群)

第16章 内分泌代謝疾患
 24 糖尿病
 25 痛風
 26 脂質異常症
 27 甲状腺疾患(機能亢進症・低下症)

第17章 膠原病,整形外科疾患
 28 関節リウマチ
 29 骨粗鬆症

第18章 神経疾患
 30 てんかん
 31 パーキンソン病
 32 脳血管障害
 33 認知症

第19章 精神疾患
 34 うつ病
 35 統合失調症
 36 せん妄

第20章 皮膚科疾患
 37 アトピー性皮膚炎
 38 乾癬

第21章 婦人科疾患
 39 切迫早産

第22章 眼科疾患
 40 緑内障
 41 加齢黄斑変性

第23章 耳鼻科疾患
 42 めまい(末梢性めまい)

第24章 がん
 43 乳がん
 44 肺がん
 45 胃がん
 46 大腸がん
 47 肝がん
 48 膵がん
 49 前立腺がん
 50 悪性リンパ腫(ホジキンリンパ腫,非ホジキンリンパ腫)
 51 白血病
 52 多発性骨髄腫
 53 免疫チェックポイント阻害薬

第25章 緩和
 54 オピオイド

付録
 1 妊婦・授乳婦への薬物投与
 2 ステロイドの力価一覧

索引

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