• HOME
  • 書籍
  • 腹部消化器がんに対する がん研流 手術のアート[Web動画付]


腹部消化器がんに対する がん研流 手術のアート[Web動画付]

もっと見る

本書には、運針・剥離・結紮といった真の基礎から、術野展開の要諦、脈管処理、さらには血管合併切除や肝離断といった応用、そして再建に至るまで、腹部消化器外科手術に求められる手技が網羅されている。これから外科を志す研修医や専攻医、さらには専門医を目指す医師にとって、本書はまさに「バイブル」となり得る一冊。“手術がもっとうまくなりたい”“外科の神髄を学びたい” そう願うすべての外科医はもちろん、指導医にもおすすめ。

編集 がん研有明病院 消化器外科
責任編集 秋吉 高志 / 井上 陽介 / 髙橋 祐 / 布部 創也
発行 2026年07月判型:B5頁:264
ISBN 978-4-260-06289-3
定価 13,200円 (本体12,000円+税)

お近くの取り扱い書店を探す

  • 更新情報はありません。
    お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。

  • 序文
  • 目次

開く

推薦の序/序

推薦の序

 どれほど高度で困難な手術であっても,その本質は基本手技の積み重ねです.すなわち,基本手技さえ確実に習得できれば,高度な手術もその応用にすぎません.一方で,基本手技が不安定であれば,術中の副損傷や術後合併症を招く恐れがあります.外科において基本手技は,それほどまでに重要な「礎」なのです.しかし残念なことに,基本手技の習得が光を浴びる機会は決して多くありません.学会や研究会では,華麗な手技や挑戦的な高難度手術の動画に目を奪われがちですが,その背景には,地道な基本の研鑽があることを忘れてはなりません.
 本書には,運針・剝離・結紮といった真の基礎から,術野展開の要諦,脈管処理,さらには血管合併切除や肝離断といった応用,そして再建に至るまで,腹部消化器外科手術に求められる手技が網羅されています.これから外科を志す研修医や専攻医,さらには専門医を目指す諸君にとって,本書はまさに「バイブル」となり得る1冊です.
 編者の井上陽介先生は,2000年に東京大学を卒業された後,研鑽を積まれ,2012年にがん研有明病院へ赴任されました.翌年には肝胆膵外科スタッフとなり,以来,高難度の肝胆膵手術や,腹腔鏡・ロボットを用いた低侵襲手術を次々と完遂.その獅子奮迅の活躍により,まさに当院肝胆膵外科の「顔」となりました.そして本年,その卓越した手術手技と数多の業績が評価され,帝京大学肝胆膵外科教授としてご栄転されました.
 肝胆膵外科と食道外科,専門こそ違えど,井上先生の成長と飛躍を間近で見てきたひとりとして,本書の出版は私にとっても望外の喜びです.このような素晴らしい教科書を企画された井上先生の慧眼と,精緻なシェーマや動画を用いてわかりやすく仕上げられたがん研有明病院の共著者の皆様のご尽力に,心より敬意を表します.
 「手術がうまくなりたい」.そう願う若手外科医の皆さん,ぜひ本書を手に取り,外科医としての神髄を学んでください.

 2026年5月吉日
 公益財団法人がん研究会有明病院 病院長
 渡邊雅之


 この本を手に取って序文を読んでくれている外科医,若手の先生,医学生の皆さん,ありがとうございます.筆者が外科医として働き始めて26年が経ちました.26年間のキャリアを臨床・手術一筋で過ごしてきて,今思うのは,優れた手術というのは本当に細かいコツや知識の積み重ねである,ということです.筆者自身も現在の技術に至るまで非常に多くの紆余曲折・苦労とともに,時にひらめき,時に天啓となるご指導を積み重ねてきました.なかには,もっと早く知っておきたかった,気づいておけば苦労しなかった,という手術のコツや理解も多数あります.
 本書は,腹部消化器外科領域全般,さらにはその分野も超えて,若手外科医の皆さんや,今後若手を育てていく指導医の先生方に向けて,手術の上達のヒントとなることを目指した教科書です.本書の執筆のため,がん研有明病院の腹部消化器外科のエキスパートが集結してくれました.あくまで筆者・共著者の先生方のこれまでの経験に基づいた技術論ですが,数多くのシェーマや動画とともに,各臓器で素晴らしい手術を日々実践されている第一線の外科医ならではの“手術のアート”の部分を凝縮した内容となっています.
 なかには皆さんの持つ“手術の常識”を覆すような内容も含まれていると思いますが,そういった内容こそ今伸び悩んでいるあなたの手術の壁を打開する手がかりになるかもしれません.ぜひ本書で得た手術のコツを明日の手術で実践してみてください.同時に,本書で得た手術のコツをさらにご自身で発展・進化させ,いつか私たちにfeedbackしていただけたら望外の喜びです.
 最後に,本書の執筆にご協力をいただいたすべての共著者の皆様,あたたかい推薦の序をご執筆くださいましたがん研有明病院病院長 渡邊雅之先生,すばらしい紹介文をお寄せくださった杏林大学主任教授 阪本良弘先生,そして長期にわたり本書の完成まで粘り強くサポートと応援を続けてくださいました医学書院の皆様にあつく御礼を申し上げます.

 2026年5月吉日
 帝京大学外科学講座肝胆膵外科 教授/がん研有明病院肝胆膵外科
 井上陽介

開く

1章 運針の基本
 運針の基本
  「運針」ってなに? | 実際の運針手順

2章 剝離の基本
 1.電気メスでの剝離/メッツェンでの剝離(開腹)
   開腹:適度なカウンタートラクション下での剝離 | [コラム] 胆摘でtension作り,tension探しをマスター!
 2.電気メスを使った剝離操作(腹腔鏡手術・ロボット手術)
   電気メスの仕組みと剝離の流れ
 3.エネルギーデバイスでの剝離
   ハーモニックを用いた剝離・切離手技(ラパロ) | ダブルバイポーラ法(ロボット)

3章 結紮の基本
 1.緩まない結紮とは? どうやったら2回目で締められる?
   最適な結紮糸の選定 | 確実に締まる結紮:2回目のノットで締めこむ技術 | 「結紮点沈め」のコツ | [コラム] 指の動線にまで気をつかおう | 状況別「結紮点沈め」のコツ
 2.どのくらい練習すればよい?
   1日15分の練習を心がける | ラパロ,ロボットの場合は?
 3.ラパロでの結紮のコツ
   理論編 | 実践編 | 訓練編
 4.ロボットでの結紮のコツ
   触覚がないことの克服 | 把持力が強いことへの工夫 | 助手のヘルプがしづらい/道具のデリバリーがしづらい

4章 視野だしの基本
 1.開腹での視野だし
  ▪ 肝切除
   皮膚切開・開腹 | 開創器による視野展開 | 肝門処理をする症例
  ▪ 膵切除
   皮膚切開・開腹 | 開創器のかけかた | 臓器圧排の基本
 2.ラパロでの視野だし
  ▪ 肝切除
   体位とポート配置 | 視野だしの各論
  ▪ 膵切除
   ポートセッティング | ラパロDPの戦略と手順 | 脾周囲の剝離 | 手順の重要性
  ▪ 胃切除
   患者体位・ポート配置 | マタドール法による網囊の開放と横行結腸のテイクダウン | 幽門下リンパ節郭清(右胃大網動静脈の処理) | 膵上縁郭清
  ▪ 直腸手術
   助手による視野だし | 術者による視野だし
  ▪ 結腸手術
   体位 | Port配置 | 後腹膜側授動 | 内側アプローチ | surgical trunkの郭清 | 網囊の開放・肝弯曲部の授動 | 腫瘍切除・腸管吻合 | ドレーン留置・創閉鎖
 3.ロボットでの視野だし
  ▪ 肝切除
   理想的な視野とは何だろうか? | 左肝系切除におけるport setting | 左肝系切除におけるscope transition | 右前区域系切除における体位・port setting | 右後区域系切除における体位・port setting | 右肝系切除におけるscope transition
  ▪ 膵切除
   RPDにおけるセッティングと術野展開 | 膵体尾部切除術(RDP)におけるセッティングと術野展開
  ▪ 胃切除
   患者体位・ポート配置 | 肝左葉の脱転 | 噴門周囲の剝離操作 | 横隔膜脚の展開 | 食道切離,頭側アプローチによる胃膵ヒダの衝立化
  ▪ 直腸手術
   ポート配置と体位 | 直腸授動
  ▪ 結腸手術(右半結腸切除術)
   術野展開のコンセプト | 手技の実際

5章 術野展開の基本
 1.開腹手術での大展開と小展開
   「展開」の定義 | 大展開/小展開の作り方のコツ
 2.ロボット膵切除での大展開と小展開
   ロボット膵切除での大展開の基本 | ロボット膵切除での小展開の基本 | 各論

6章 脈管処理の基本
 1.開腹での脈管処理のコツ
   動脈の処理 | 静脈枝の処理
 2.ラパロでの脈管処理のコツ
   動脈と静脈の組織学 | 血管周囲組織剝離・露出操作のコツ | 各論 | その他の注意点
 3.ロボットでの脈管処理のコツ
   動脈処理のコツ | 静脈処理のコツ

7章 止血の基本
 1.出血への対応はまず圧迫
   いろいろな圧迫止血法 | 圧迫法の使い分け | 圧迫後の対応
 2.出血点の見つけ方/見極め方/出血様式に応じた止血法
   動脈性出血の対応 | 静脈性出血の対応
 3.止血縫合あれこれ
   血管ごとの縫合止血 | それぞれの場面による縫合止血
 4.圧迫で止めきるには?
   圧迫で止めきるコツ
 5.ソフト凝固の功罪
   ソフト凝固とは | ソフト凝固の「功」:高い止血効果と低侵襲性 | ソフト凝固の「罪」:過剰な使用とそのリスク
 6.大量出血への対処:非常時の対応と準備
   術前の備え | 術中大量出血への初期対応 | 輸血の原則 | ダメージコントロール | 医療安全の観点から

8章 血管合併切除の基本
 1.静脈合併切除・再建
   静脈合併切除・再建の基本 | 静脈再建の種類 | 術式ごとの静脈再建
 2.動脈合併切除・再建
   腹腔動脈幹 | 肝動脈

9章 肝離断の基本
 1.肝離断の順序
   画像診断 | 皮切・開腹 | 術中超音波 | 肝授動
 2.離断法
  ▪ Clamp-crushing法
   術者 | 助手の役割
  ▪ CUSA
   CUSAの使い方 | CUSAを用いる場面と有用性
  ▪ Waterjet
   Waterjetとは | 特徴 | 道具の選択 | 使い方のコツ
 3.開腹手術でのランドマークの出し方
   術前準備 | デマルケーションライン | 肝門部胆管癌に対する肝離断(左肝切除・尾状葉切除)
 4.開腹手術でのランドマークがない場合の肝離断
   術前準備 | 離断ラインの設定 | 肝離断

10章 消化管再建の基本
 1.胃関連吻合
   ポート配置 | 幽門側胃切除術後再建 | 胃全摘術後再建:Roux-en Y 法再建 | 噴門側胃切除術後再建:観音開き法再建
 2.結腸直腸関連吻合
  ▪ 結腸
   機能的端端吻合 | 体腔内吻合(overlap法)
  ▪ 直腸
   double stapling technique(DST) | 経肛門吻合
 3.膵空腸吻合 ロボット支援膵頭十二指腸切除
   体位とトロッカー配置 | 縫合糸 | 手技の詳細
 4.胆管空腸吻合
   肝内胆管(右肝管もしくは左肝管)切離時 | 空腸挙上 | 吻合

11章 がん研の研修システム
 がん研の研修システム
   ハイボリュームセンターでの集約的な臨床経験 | がん研の肝胆膵外科における年間手術数と修練医の目標 | 高度技能専門医と技術認定医の取得 | 学会発表と論文執筆の重要性

12章 がん研のカンファレンス
 がん研のカンファレンス
   肝胆膵外科術前カンファレンス | 肝胆膵内科外科合同カンファレンス(別名,肝胆膵キャンサーボード) | 術前カンファレンス(消化器外科全体) | 消化器センターカンファレンス(キャンサーボード)

索引

  • 更新情報はありません。
    お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。