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家族計画指導の理論と実際 第3版
超少子社会における新しい家族のあり方を求めて

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家族計画指導や性教育に際して必要な知識として人口動態や社会の変化、避妊に関する情報、男女の身体的機能や命の誕生など網羅した書。今回の改訂では、妊娠できる身体づくりを目指したプレコンセプションケアを充実させた。また、著者の家族計画指導外来での実践や中学校・高校での性教育をもとにした教育プログラムを提示している。

齋藤 益子 / 木村 好秀 / 古賀 文敏
発行 2025年02月判型:B5頁:192
ISBN 978-4-260-05777-6
定価 3,520円 (本体3,200円+税)

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第3版 はじめに

 本書の初版を木村好秀先生と共著で出版したのは,1997年の三楽病院助産師学校教務主任の時代のことです。当時,三楽病院では「家族計画指導外来」を60分で実施しており,ペッサリー挿入やコンドーム・腟錠剤の使い方などの実践を取り入れた大変専門性の高い指導をしていました。その指導内容を本にまとめたらどうかと,当時の医学書院の編集者に声をかけられ,外来での指導内容だけでなく,少子化へと向かっていく社会背景や,性意識・性行動なども加え,約2年の歳月をかけて初版が誕生しました。その後,時代の変化を反映しながら,第2版,第2版増補版と続き,このたび,新たな執筆者として生殖医学に造詣の深い古賀文敏先生を迎えて,第3版を上梓するはこびとなりました。
 本のタイトルは,今回の改訂で『家族計画指導の理論と実際──超少子社会における新しい家族のあり方を求めて』として「理論」という文字を追加し,執筆にあたっては,「実際」だけでなく理論的根拠を明確に示すように努力しました。また,家族計画指導の内容は性教育が土台になっています。
 すべての章で,今日の社会情勢に合わせて内容の全面的な見直しと加筆修正を行い,最新のデータを調査して編集しました。たとえば,若い層の性意識や性情報の収集源が大きく変わったことや,産後の性生活の開始が遅れていることなどが著者の調査結果よりわかりました。また,卵子凍結,プレコンセプションケアなどを新たにとりあげました。さらに,避妊法について現在使用されていないものを簡略化したり,性教育と家族計画に関する基本を整理し,資料として指導案を充実させたりしております。
 今回の改訂にあたり,お忙しい中で執筆して頂いた古賀先生に深く感謝いたしますとともに,一部のデータ収集・分析を手伝ってくれ,内容が時代に添ったものであることを若手の助産師の目で確認してくれた田所潤子さん,池田真弓さんに心からお礼を申し上げます。
 本書が明日の家族形成への支援を担う看護系学生の皆様,助産師,保健師などの看護職の皆様や社会学・教育学など学校保健関係者の皆様の参考になれば幸甚です。皆様からの忌憚のないご意見を頂ければありがたく存じます。

 2025年2月
 著者代表 齋藤益子

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第1章 世界の人口爆発後の少子高齢社会の到来
  1.増え続けた世界の人口と人口減少が進む先進国
  2.世界の未来を表す日本の少子・超高齢社会

第2章 性意識と性行動
  1.男女の性差
  2.性意識・性行動の変化
  3.若者の性意識と性行動
  4.婚外性交
  5.性の商品化
  6.セックスレス
  7.マイノリティの性
  8.障害者の性
  9.世界性の健康学会「性の権利宣言」

第3章 産む性・産めない性・産まない性
 A.産む性
  1.性機能のメカニズム
  2.妊娠の成立
 B.産めない性
  1.不妊症
  2.不妊症の治療(一般不妊治療)
  3.生殖補助医療(ART)
  4.卵子凍結
  5.不育症
  6.プレコンセプションケア・妊娠しやすい身体づくり
  7.生殖技術の進展と倫理的問題
 C.産まない性
  1.性と生殖における女性の権利
  2.人工妊娠中絶
  3.家族計画

第4章 受胎調節法の実際(各種避妊法)
 A.女性が利用する方法:性周期を利用する方法
  1.オギノ式避妊法
  2.基礎体温法
  3.排卵自覚法(リズム法)
 B.女性が利用する方法:殺精子剤を用いる方法
  1.殺精子剤
 C.女性が利用する方法:バリアを利用する方法
  1.ペッサリー法
  2.女性用コンドーム
 D.女性が利用する方法:子宮内避妊用具(IUD)法
  1.子宮内避妊用具
 E.女性が利用する方法:経口避妊薬による方法
  1.経口避妊薬(ピル)
 F.女性が利用する方法:緊急避妊法(emergency contraception)
 G.男性が利用する方法
  1.コンドーム法
  2.腟外射精法(性交中絶法)
 H.その他の近代的避妊法
  1.ミニピル(progesterone only pill)
  2.男性用ピル
  3.注射法
  4.皮下移植法
  5.腟リング
  6.hCGワクチンによる避妊
 I.永久避妊法
  1.不妊手術

第5章 いのちの伝承としての家族計画
  1.性教育
  2.家族計画指導
  3.女性たちが子どもを産むことを選択できるための支援

第6章 発達段階に応じた性教育と家族計画指導
 A.高校生までの性教育
  1.就学前の子どもへのかかわり
  2.小学生に対するかかわり
  3.中学生に対するかかわり
  4.高校生に対するかかわり
  5.保護者に対するかかわり
  6.教員に対するかかわり
 B.青年期からの家族計画
  1.婚前期から新婚期のライフプラン
  2.産後の家族計画指導
  3.末子出産後のかかわり

第7章 性教育と家族計画指導の具体的な内容
  1.学習指導要領にそった性教育の進め方
  2.性教育の要点
  3.性教育実施にあたっての留意点

資料1 小学生への性教育指導案
資料2 中学生への性教育指導案
資料3 中学生・高校生に対する性教育指導案
資料4 未婚期の家族計画指導案
資料5 産後の家族計画指導案
資料6 中・高年期の健康教育

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