エビデンスに基づく
IPMN国際診療ガイドライン[日本語版](2024年版)
国際学会での議論を経て策定された診療ガイドラインをアップデートし、現在の理解に基づいた推奨を提示
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改訂の主眼は以下の5点である。①high-risk stigmata (HRS)とworrisome features(WF)の改訂、②IPMN非切除例の経過観察の結果、③IPMN切除例の術後経過観察の結果、④病理学的側面の改訂、⑤嚢胞内容液の分子マーカー研究の成果の最新情報の組み込み。これらの点に関して系統的なレビューを行って各々を別個に出し、エビデンスに基づく推奨を提供した。
著 | 国際膵臓学会ワーキンググループ [代表:大塚隆生] |
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訳 | 田中 雅夫 |
発行 | 2024年08月判型:B5頁:100 |
ISBN | 978-4-260-05666-3 |
定価 | 4,400円 (本体4,000円+税) |
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要約
国際膵臓学会の本研究グループは,IPMN国際診療ガイドライン2017年版の改訂を次の5点を主眼として行った。すなわち,high-risk stigmata(HRS)とworrisome features(WF)の改訂,IPMN非切除例の経過観察の結果,IPMN切除例の術後経過観察の結果,病理学的側面の改訂,そして囊胞内容液の分子マーカー研究の成果の最新情報の組み込みである。今回の改訂の新しい試みは,これらの点に関して系統的なレビューを行っておのおのを別個に出版し,エビデンスに基づく推奨を提供したことである。このエビデンスに基づいたガイドラインの特徴の1つは新しいアルゴリズムを提案したことであり,大きく改訂した点の1つはHRSとWFの評価に超音波内視鏡(EUS)所見を組み込み,EUSガイド下に細径針穿刺(EUS-FNA)を行った場合には,その細胞学的分析結果を入れたことである。また,サイズの小さいIPMNに生涯にわたる経過観察が必要か否かについては,「経過観察終了」と「変化のない小分枝型(BD-)IPMNにも併存膵癌の発生の可能性があるので5年経過後も経過観察を続行する」という2つの選択肢を挙げた。そのほかにも,浸潤癌ではなく切除断端も陰性であったIPMN切除例の術後再発リスクを高くする因子やIPMNの病理学的研究の最新の知見,IPMN以外の囊胞からの鑑別やhigh-grade dysplasiaあるいは浸潤癌の診断における囊胞液中のマーカーの新たな役割にも言及した。
目次
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要約
1 緒言
2 膵囊胞の頻度
3 分類
4 病理学的側面
4-1 異形成のグレード
4-2 組織学的亜型
4-3 遺伝子的変化と鑑別診断
4-4 T分類
5 診断のための諸検査
5-1 初回検査計画
5-2 HGD/浸潤癌のリスクと切除適応の評価
5-3 High-Risk Stigmata
5-4 Worrisome Features
5-5 複数のWF
6 リキッドバイオプシーサンプル中の分子マーカーの検索
6-1 血清
6-2 囊胞液
7 IPMNの外科的切除
8 非切除IPMNの経過観察
9 併存膵癌
10 多発性IPMNの管理
11 IPMNの化学療法,放射線療法およびアブレーション療法
12 IPMN切除後の経過観察
13 膵癌の家族歴の影響
14 膵外臓器の腫瘍
謝辞
参考文献
International evidence-based Kyoto guidelines for the management of intraductal papillary mucinous neoplasm of the pancreas
Abstract
1 Introduction
2 Incidence of pancreatic cysts
3 Classification
4 Pathological aspects
4-1 Grade of dysplasia
4-2 Morphological subtype
4-3 Genetic alterations and differential diagnosis
4-4 T-stage
5 Investigations
5-1 Diagnostic work-up
5-2 Assessment of the risk and indication for operation
5-3 High-risk stigmata
5-4 Worrisome features
5-5 Multiple WF
6 Investigations of molecular markers in liquid biopsy samples
6-1 Serum
6-2 Cyst fluid
7 Resection for IPMN
8 Surveillance for non-resected IPMN
9 Concomitant PDAC
10 Management of multifocal IPMNs
11 Chemotherapy, radiotherapy, and ablation therapy for IPMN
12 Surveillance after resection of IPMN
13 The effect of family history of pancreatic cancer
14 Extra-pancreatic neoplasms
Acknowledgements
Reference
索引