内科レジデントの鉄則 第4版
多くのレジデントに読まれてきました。研修医になったらまずコレ!
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本書は、臨床現場で一番大事なこと──備えた知識を最大限に活かし、緊急性・重要性を判断した上で、適切な対応ができるか──に主眼を置いて構成されています。第4版では、前版同様に教え上手の著者らが研修医にアンケート調査を行い、これまでの改善点を徹底的に洗い直し、分かりやすい解説を心掛けるとともに、少しアドバンストな内容や参考文献を充実するなど、さらに読者目線で役立つ本をめざしました。
編集 | 聖路加国際病院内科チーフレジデント |
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発行 | 2023年10月判型:B5頁:512 |
ISBN | 978-4-260-05119-4 |
定価 | 5,280円 (本体4,800円+税) |
更新情報
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【2024年6月30日開催終了】『内科レジデントの鉄則』セミナー2024
2024.07.01
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2024.06.07
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2024.04.19
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2023.12.27
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2023.11.09
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2023.11.02
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2023.10.27
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2023.10.25
- 本書の特長
- 序文
- 目次
- 書評
- 正誤表
本書の特長
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序文
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第4版の序
今や医学生と研修医にとって必読書となった『内科レジデントの鉄則』は,2004-05年度の内科チーフレジデントが立ち上げた「内科コアカンファレンス」から生まれました.2005年に内科研修医として聖路加国際病院に入職した私は執筆者の先生方から直接教えていただいた世代であり,第3版の編集の大任を拝した際,大変光栄であるとともに身の引き締まる思いでした.素晴らしい執筆陣に巡り会えたこともあり,おかげさまで第3版はこれまでになく好評を博していると伺っています.
『内科レジデントの鉄則』は単なる教科書ではありません.医学生や研修医にとって,稀な疾患を知り鑑別を広げることは大事かもしれません.臨床推論能力を高めることも大事でしょう.ですが,臨床現場で最も大事なことは,蓄えた知識を最大限に活かし,緊急性・重要性を判断したうえで,いかに適切な行動を取ることができるか,ということです.『内科レジデントの鉄則』はまさにそこに主眼を置いて構成されています.現場でよく遭遇する症例をベースに,絶対に知っておくべき知識を簡潔に整理するとともに,どのようにワークアップし,どのように動くべきか,ということが一貫して強調されているのです.
今回,第4版の執筆にあたったのは2017年度に内科チーフレジデントを務めた福井翔先生,2019年度の鈴木隆宏先生,藤野貴久先生です.彼らは歴代チーフレジデントの中でも,医学知識や臨床能力が傑出しており,素晴らしい教育者でもあります.それぞれが各専門分野に進み忙しい日常を過ごしていましたが,第3版を超える改訂は彼らにしかできないと執筆を依頼し,快諾してくれました.今回の改訂に際して当院の初期研修医,専門研修医に対して独自にアンケート調査を行い,彼らが本書のどこに満足しているのか,あるいはどのような改善を望んでいるのかを徹底的に洗い出しました.また基本的な部分はできるだけわかりやすく簡潔に記載するとともに,少しアドバンストな内容についても記載するなどメリハリを効かせた構成にしています.そしてとりわけ参考文献に力を注ぎました.出来る限り新しい知見を紹介するとともに,具体的に何が重要な文献であるかについての解説を記載しています.そうすることで自分自身のブラッシュアップのみならず,後輩への教育にも役立つことが期待されるからです.
改訂の企画立案から1年強にわたり,幾度となく執筆者と議論を重ねて無事第4版の完成に漕ぎ着けました.多忙を極める日々でしたが,一切の妥協をせず,先輩方から引き継いだ本書をよりよいものにしようとする執筆者の熱意と真摯な姿勢に心打たれました.彼ら3人を心から誇りに思います.
最後になりましたが,このような良書が生み出されるのは教え好き,教えられ好きが集まり脈々と屋根瓦式教育が引き継がれる聖路加国際病院という豊かな土壌があるからにほかなりません.すべての病院関係者の方々に感謝申し上げます.そして丁寧な校正を行っていただきました医学書院の方々に深謝申し上げます.
2023年8月
聖路加国際病院感染症科医長
森 信好
目次
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I 病棟当直編 重症患者の見逃し厳禁! 目指せデキ当直医!
1 発熱──全身状態に注意しつつ,全身の所見を取る!
2 ショック──血圧の絶対値ではなく循環が維持されているかの意識を
3 酸素飽和度低下──バイタルサイン異常で一番怖い! 迅速な対応を!
4 意識障害──失神じゃなければAIUEOTIPS
5 徐脈頻脈──不安定な不整脈を見極める!
6 胸痛──5 killer chest painを見逃すな!
7 腹痛──腹痛診療は急性腹症の除外から始まる
8 頭痛──まずは二次性頭痛から!
9 嘔気・嘔吐──「NAVSEA」で鑑別を
10 血糖異常──低くても高くても注意
11 不眠とせん妄──“とりあえず薬”から脱却しよう!
12 病棟で経験するアレルギー──I型? 重症?
13 その他(転倒,点滴・経鼻胃管・胃瘻自己抜去,点滴漏れ)──どんなコールも油断大敵
II 入院編 正確で迅速な診断を! 緊急性の高い病態を見極めろ!
14 肺炎──背景と起因菌を想定した診療を
15 尿路感染症(UTI)──単純? それとも複雑?
16 細菌性髄膜炎──初期対応は丸暗記! 1秒でも早く抗菌薬投与!
17 喘息発作・COPD増悪──wheeze = 喘息発作とは限らない
18 急性心不全──迅速に病態を把握し,すみやかに治療介入をする
19 脳梗塞──多彩な治療でペナンブラを救え!
20 けいれん──あせらずまずはABC確保
21 急性腎障害(AKI)──常に同じステップで考えられるようになろう!
22 低ナトリウム血症──Naは体内最大の浸透圧物質
23 高カリウム血症──疑うが,信じて対応,高カリウム
24 消化管出血──出血の性状から出ている部位を見極める
25 急性膵炎──最重要Pointは輸液,適正な輸液を心がける!
26 肝機能障害──「肝なのか,胆なのか」
27 関節痛・関節炎──感染に注意して診断を進めよう!
28 甲状腺──亢進症と低下症の基本的なワークアップを覚えよう!
29 オンコロジック・エマージェンシー──癌診療は全身診療! 緊急性のある病態に対応できるようになろう!
III 病棟管理編 病棟管理は医療の基本! 目指せデキ病棟長!
30 血算──頻度の高い血算異常に対応できるようになろう
31 輸液──たかが輸液,されど輸液
32 栄養──計算せずして食わせるべからず
33 便秘・下痢──よく出会うからこそ,診断を丁寧に!
34 癌性疼痛・オピオイド──痛みは我慢させない!
35 慢性腎臓病(CKD)──クレアチニンだけが腎機能じゃない
36 動脈血液ガス検査──隠れた異常を見逃さない!
37 ステロイドの使用法──副作用を予測して先手で対応!
38 抗菌薬の使い方 総論──抗菌薬の乱用をしない!
39 抗菌薬の使い方 応用編──さまざまな感染症を知る!
あとがき
索引
書評
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臨床の「型」を学習したい研修医に最適
書評者:野木 真将(米国クイーンズメディカルセンターホスピタリスト部門長・副メディカルディレクター / 亀田総合病院総合内科部長)
本書は,聖路加国際病院内科チーフレジデントが編集・執筆した,内科レジデント向けのテキストブックです。第4版では,前版同様に研修医にアンケート調査を行い,これまでの改善点を徹底的に洗い直し,わかりやすい解説を心掛けるとともに,少しアドバンストな内容や参考文献を充実するなど,さらに読者目線で役立つ本をめざして改訂されました。
「鉄則」とは,臨床現場で頻繁に遭遇する典型的な症例の病態生理や診療方針など,医師が知っておくべき重要な知識のコアを指します。これは医学教育の分野で「クリニカルパール」と呼ばれるもので,具体的な症例から抽象化・概念化された知識です。クリニカルパールを熟知することで,似たような症例に迅速かつ的確に対応できる力が身につきます。また,コンパクトなフローチャートや語呂合わせを用いることで,限られた時間の中で効率良く重要な知識を整理し覚えることができるでしょう。クリニカルパールを明確化し視覚化するアプローチは,多忙な臨床現場での意思決定を支援する上で大変有用だと考えます。
しばらく当院の研修医との病棟チームラウンドで使用してみました。内科レジデントとして身につけるべき病棟管理の知識や技術を,症候別に体系的に解説しており,特にフローチャートが視覚的に目に入りやすいので,時間のないときに重宝しました。各症候の概要から,診断・治療の基本,鑑別診断,症例の振り返りまで,幅広い内容を網羅しています。電解質異常,心不全の病棟管理,肝硬変の合併症管理など多岐にわたるテーマにも有用でした。特に一番気に入ったのはアップデートされた知識と,本書に散りばめられた語呂合わせです。心不全の項目を読みましたが,最新ガイドラインの要点やFantastic FourをはじめとするGDMT(Guideline directed medical therapy)の解説もあり,初期研修医から専攻医まで満足させる内容の充実さでした。忙しい研修医は原著論文や総説を読む時間が取りにくいと思いますが,本書では効率良く知識の更新ができます。
本書の分厚さで内科全般をカバーできるのか? 疑問に思うかもしれませんが,内容としては「病棟管理」に集中しているので,ホスピタリストをめざす人やフローチャートや語呂合わせを使用して,臨床の「型」を学習したい研修医に最適です。
また,症例の振り返りでは,実際の症例を基に,臨床推論の過程や治療の選択肢などを検討しているので,自学自習でも指導医の思考過程を追体験できますね! 初期研修で一通り読み込み,しばらく時間を空けて今度はちょっと先輩医師になった際に見直してみる(spaced learning)と病棟での指導に奥行きが出そうです。
本書は,内科レジデント(専攻医)や,内科の初期研修医を対象とし,内科の基本的な知識や技術を身につけたい,臨床推論力を向上させたい,症例の振り返りを通して臨床力を高めたい,といった方にもお薦めです。
内科医師全員に薦めたい「臨床の鉄則」本
書評者:徳田 安春(群星沖縄臨床研修センター長)
内科系の救急および夜間や休日の病棟患者ケアをレジデント主体で対応してきた歴史を持つ聖路加国際病院内科の「臨床の鉄則」本の改訂が出た。当直を担当する内科系医師はここまでやれると良いことがわかる本だ。今版もチーフレジデント経験者が主体となって執筆されており,屋根瓦のコアメンバーによる最新のクリニカルパールが満載である。箇条書きで重要点が整理されており,読みやすい。研修医や専攻医などのいわゆる内科レジデントはもちろんのこと,内科実習に参加する医学生や内科病棟ケアに関係する医療者に幅広くお薦めできる。
「病棟当直編」では,重症患者の見逃しを避けるための鉄則を示し,安心して任せられる当直医となれるような内容となっている。ショックについては,発熱や全身状態に注意しつつ全身の所見を取ることが重要であり,血圧の絶対値ではなく循環が維持されているかの意識を持つことが必要としている。「臨床的なショックとは重要臓器循環不全であること」を強調してくれている。重要かつコモンな症状について,病歴,診察,診断,検査,治療の重要点が記載されており,酸素飽和度低下や意識障害,不安定な不整脈,胸痛,腹痛,頭痛,嘔気・嘔吐,血糖異常,不眠,せん妄,そして1型アレルギーなどのさまざまな病態をカバーしてくれている。
「入院編」では,正確で迅速な診断を行い,緊急性の高い病態の早期診断と治療の重要ポイントを網羅している。重症度の高い疾患である,肺炎や尿路感染症,細菌性髄膜炎,喘息発作・COPD,急性心不全などについての入院診療がわかりやすく記載されている。コモンな病態についての対応方法も記載されており,脳梗塞や高カリウム血症,消化管出血,急性膵炎,肝機能障害,関節痛・関節炎,甲状腺,オンコロジック・エマージェンシーなどがカバーされてある。
「病棟管理編」では,血算異常や輸液,栄養計算,便秘・下痢,癌性疼痛・オピオイド,慢性腎臓病(CKD),動脈血液ガス検査,ステロイドの使用法,抗菌薬の使い方など,病棟管理に必要な検査やマネジメントの解釈方法や基本的な知識が満載となっている。
全国の研修病院のいくつかでは,チーフレジデントを導入しつつあるが,まだ導入前のところも多いだろう。そんな病院では,チーフレジデントの代わりに,本書を内科の病棟や医局に備え付けて参照できるようにすると,内科レジデントを助けることになるだろう。私の知るある病院では,指導医も参加する毎週のレジデント勉強会で本書を活用しているとのことだ。つまり,指導医師自身の総合内科の実践力アップデートにも活用できているということである。その意味で本書を内科医師全員にも薦めることができるだろう。
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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。
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