人体の構造と機能[1]
解剖生理学 第11版
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- 解剖学と生理学を融合させ、カリキュラムに対応し、学生の理解をより促す構成となっています。
- 人体を、そのはたらきからとらえ、器官系を有機的に結びつけた構成とすることによって、看護学生に必要な解剖学・生理学の知識を網羅し、かつ興味をもちながら体系的に理解できる内容を目ざしました。
- 第1章は、器官系から人体を説きおこす新たな構成としました。人体にはさまざまな機能をもつ器官があることを説明し、人体の部位とも結びつけることで、人体のイメージを明確化します。また、ホメオスタシスの概念を、章全体で意識した記述としています。
- 新設の第11章では、看護技術を理解するうえで重要な体表解剖を取り上げました。
- 臨床での実践につながる解剖生理学の知識をコラム「臨床との関連」に記述し、臨床での実践を意識して学習できるよう各所に配置しました。解剖生理学を学習する動機づけと学習意欲の向上につなげます。
- 「系統看護学講座/系看」は株式会社医学書院の登録商標です。
シリーズ | 系統看護学講座-専門基礎分野 |
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執筆 | 坂井 建雄 / 岡田 隆夫 / 宇賀 貴紀 |
発行 | 2022年01月判型:B5頁:564 |
ISBN | 978-4-260-04687-9 |
定価 | 4,180円 (本体3,800円+税) |
更新情報
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正誤表を追加しました。
2022.05.24
- 序文
- 目次
- 正誤表
序文
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はしがき
解剖学と生理学は,人体の「構造」と「機能」を学ぶ学問であり,看護師を含む医療専門職の教育において最重要の基礎となるものである。医学と医療技術は急速に進化・発展しており,社会とのかかわりはきわめて密接になり,医療に対する期待とニーズも大きくなっている。医療専門職の教育においても十分な質を確保しつつ,高度な内容を効率的に学習することが求められている。本書は故日野原重明先生らによる1968年の第1版から始まり,時代の流れを先取りした改訂により版を重ね,これまでに140万人をこえる人たちの学習に用いられてきた。
本書は第7版から解剖学の坂井と生理学の岡田の2名で担当し,学習者の理解しやすさの視点から,①解剖学と生理学を融合する,②器官系を有機的に結びつける,③全ページをフルカラーにするという,書物の骨格をかえる全面的な改訂を行った。その後の3回の改訂を経て,体表からみた人体の構造を加えるなど内容をさらに深化させ,幸いにも高い評価を得て多くの人たちに受け入れられてきた。
今回の改訂では,高等学校を卒業して看護師をはじめとする医療専門職を目ざす人たちが,最初に人体について学ぶにあたって,大切なことはなにかということをあらためて考えてみた。そこで第1章の解剖生理学の基礎知識の内容を,A 構造からみた人体,B 人体のさまざまな器官,C 素材からみた人体,に再編成して,分かり易い切り口を提供した。また第1章の冒頭で扱っていた内容の一部を,第11章の体表からみた人体の構造として独立させた。
各章の内容についてもこれまでと同様に見直しをはかり,一例をあげれば,本文につながるような注記を側注(NOTE)として加え,臨床に関わるコラムClinical Eyeを「臨床との関連」と改め,新たに15個ほど追加した。本書の改訂を通じてとくに心がけているのは,内容が正確であるのはもちろんのこと,解剖学と生理学を融合させて人体の構造と機能が平易に学習できること,臨床的な視点をいかして学習者の動機づけをはかることである。
現在の著者,坂井と岡田による改訂は今回で5回目となるが,今回から新たに宇賀が執筆者として加わった。改訂を重ねるごとに著者と編集部の間であうんの呼吸が生まれ,解剖学と生理学という垣根をこえて有機的に統合されて,類書にない新鮮で充実した教科書に育ってきたと感じている。伝統をふまえて新しい発展を目ざしている本書が,医療のあらゆる場で幅広く活用されることを願っている。今後とも忌憚のないご意見,ご批判,ご叱正をお願いするしだいである。
2021年11月
坂井建雄 岡田隆夫 宇賀貴紀
目次
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序章 人体の構造と機能を学ぶために
第1章 解剖生理学のための基礎知識
A 構造からみた人体
B 人体のさまざまな器官
C 素材からみた人体
第2章 栄養の消化と吸収
A 口・咽頭・食道の構造と機能
B 腹部消化管の構造と機能
C 膵臓・肝臓・胆囊の構造と機能
D 腹膜
第3章 呼吸と血液のはたらき
A 呼吸器の構造
B 呼吸
C 血液
第4章 血液の循環とその調節
A 循環器系の構成
B 心臓の構造
C 心臓の拍出機能
D 末梢循環系の構造
E 血液の循環の調節
F リンパとリンパ管
第5章 体液の調節と尿の生成
A 腎臓
B 排尿路
C 体液の調節
第6章 内臓機能の調節
A 自律神経による調節
B 内分泌系による調節
C 全身の内分泌腺と内分泌細胞
D ホルモン分泌の調節
E ホルモンによる調節の実際
第7章 身体の支持と運動
A 骨格とはどのようなものか
B 骨の連結
C 骨格筋
D 体幹の骨格と筋
E 上肢の骨格と筋
F 下肢の骨格と筋
G 頭頸部の骨格と筋
H 筋の収縮
I 運動と代謝
第8章 情報の受容と処理
A 神経系の構造と機能
B 脊髄と脳
C 脊髄神経と脳神経
D 運動機能と下行伝導路
E 感覚機能
F 体性感覚と上行伝導路
G 眼の構造と視覚
H 耳の構造と聴覚・平衡覚
I 味覚と嗅覚
J 痛み(疼痛)
K 脳の統合機能
第9章 身体機能の防御と適応
A 皮膚の構造と機能
B 生体の防御機構
C 体温とその調節
第10章 生殖・発生と老化のしくみ
A 男性生殖器
B 女性生殖器
C 受精と胎児の発生
D 成長と老化
第11章 体表からみた人体の構造
巻末資料
1 解剖学によく出る漢字と概念
2 解剖生理学を学ぶための化学の基礎知識
索引
正誤表
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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。
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正誤表を追加しました。
2022.05.24