認知症専門医試験問題・解説集
専門医を目指す人はもちろん、認知症を診る全ての医師にとって役に立つ1冊
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日本認知症学会の専門医試験対策の問題と解説をまとめた学会オフィシャルテキスト。過去問109題に新作問題170題を加えた全279題をわかりやすい解説とともに収載。問題の範囲は基礎から症候、鑑別診断、治療、リハ・ケア、疾患各論まで網羅的にカバー。専門医試験受験者はもちろん、認知症を診る機会のある医師にとっても役に立つ1冊。
監修 | 日本認知症学会 |
---|---|
編集 | 認知症専門医試験問題・解説集 編集委員会 |
発行 | 2020年08月判型:B5頁:308 |
ISBN | 978-4-260-04286-4 |
定価 | 7,700円 (本体7,000円+税) |
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- 目次
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序
認知症患者は2012年の厚生労働省の調査で462万人と報告されており,団塊の世代が後期高齢に差し掛かる2025年には700万人に達すると予測されています.このような認知症患者数の急激な増加は人口の高齢化の結果ですが,その影響は社会インフラの様々な方面に及んできています.認知症は,患者本人のみならず介護者にも大きな負担が生じ,介護離職など様々な問題を引き起こします.対策として認知症の根本治療薬の開発が待たれて久しいのですが,その実現までにはまだ相当な時間が必要と思われます.
このような状況を踏まえて,2019年6月に国が発表した認知症施策推進大綱は,認知症の共生と予防を軸に対策に取り組むことを謳っています.認知症者と家族が尊厳と希望をもって生きることのできる社会の実現のためには,認知症に関わる医療関係者が一致団結し,疾患の早期発見,早期介入,非薬物療法をふくむ治療法の確立に努めると共に,医療資源の有効活用を可能にする人材の育成を図ることが重要です.とりわけ,認知症専門医は認知症診療のエキスパートとして診断・治療の中核的役割を果たすことが期待されています.
わが国の認知症専門医には,日本認知症学会認定専門医と日本老年精神医学会認定専門医の2つがあります.日本認知症学会は1982年に老年期脳障害研究会としてスタートし,1988年日本痴呆学会となり,2005年に疾患名称の変更に伴って現在の学会名に改称されました.その専門医制度は2008年に開始され2011年に現在の筆記試験制度の体裁が整い,現在に至っています.一方,日本老年精神医学会は1986年に設立され,2000年に専門医制度を開始しました.それ以降,認知症を診る専門医は年々増加してはいますが,両学会専門医を合わせても2,500名程度に留まっているため,専門医一人に対して認知症患者2,000名の比率となり,認知症医療充実のためには,専門医の更なる育成が求められています.
そのため,日本認知症学会では,認知症専門医の前段階として認定臨床医制度を設けて,2021年から認定を開始し,5年以内に筆記試験に合格することで認知症専門医への移行を可能とする制度を予定しています.また2008年から2011年の認定制度開始の初期段階において筆記試験を経ずに認定された認知症専門医などを対象に,2020年の秋から移行措置試験を実施して,専門医資格の平準化を図ることにしています.これらの状況を受け,まとまった問題・解説集の要望の声が高まっていることを考慮して,日本認知症学会では認知症学会専門医試験問題・解説集編集委員会を設置しました.本テキストは,委員の先生方のご努力によって既出問題の一部を大幅に改変し,更に新作問題を追加したものです.
認知症の診断と治療の分野では,新しい検査法の開発や疾患修飾薬の実用化により,革新的変化が予測され,認知症医療は新しいステージに移りつつあります.本テキストが次世代の認知症専門医の育成に少しでもお役に立つことを期待しています.
2020年7月
認知症学会専門医試験問題・解説集編集委員会を代表して
葛原茂樹
認知症患者は2012年の厚生労働省の調査で462万人と報告されており,団塊の世代が後期高齢に差し掛かる2025年には700万人に達すると予測されています.このような認知症患者数の急激な増加は人口の高齢化の結果ですが,その影響は社会インフラの様々な方面に及んできています.認知症は,患者本人のみならず介護者にも大きな負担が生じ,介護離職など様々な問題を引き起こします.対策として認知症の根本治療薬の開発が待たれて久しいのですが,その実現までにはまだ相当な時間が必要と思われます.
このような状況を踏まえて,2019年6月に国が発表した認知症施策推進大綱は,認知症の共生と予防を軸に対策に取り組むことを謳っています.認知症者と家族が尊厳と希望をもって生きることのできる社会の実現のためには,認知症に関わる医療関係者が一致団結し,疾患の早期発見,早期介入,非薬物療法をふくむ治療法の確立に努めると共に,医療資源の有効活用を可能にする人材の育成を図ることが重要です.とりわけ,認知症専門医は認知症診療のエキスパートとして診断・治療の中核的役割を果たすことが期待されています.
わが国の認知症専門医には,日本認知症学会認定専門医と日本老年精神医学会認定専門医の2つがあります.日本認知症学会は1982年に老年期脳障害研究会としてスタートし,1988年日本痴呆学会となり,2005年に疾患名称の変更に伴って現在の学会名に改称されました.その専門医制度は2008年に開始され2011年に現在の筆記試験制度の体裁が整い,現在に至っています.一方,日本老年精神医学会は1986年に設立され,2000年に専門医制度を開始しました.それ以降,認知症を診る専門医は年々増加してはいますが,両学会専門医を合わせても2,500名程度に留まっているため,専門医一人に対して認知症患者2,000名の比率となり,認知症医療充実のためには,専門医の更なる育成が求められています.
そのため,日本認知症学会では,認知症専門医の前段階として認定臨床医制度を設けて,2021年から認定を開始し,5年以内に筆記試験に合格することで認知症専門医への移行を可能とする制度を予定しています.また2008年から2011年の認定制度開始の初期段階において筆記試験を経ずに認定された認知症専門医などを対象に,2020年の秋から移行措置試験を実施して,専門医資格の平準化を図ることにしています.これらの状況を受け,まとまった問題・解説集の要望の声が高まっていることを考慮して,日本認知症学会では認知症学会専門医試験問題・解説集編集委員会を設置しました.本テキストは,委員の先生方のご努力によって既出問題の一部を大幅に改変し,更に新作問題を追加したものです.
認知症の診断と治療の分野では,新しい検査法の開発や疾患修飾薬の実用化により,革新的変化が予測され,認知症医療は新しいステージに移りつつあります.本テキストが次世代の認知症専門医の育成に少しでもお役に立つことを期待しています.
2020年7月
認知症学会専門医試験問題・解説集編集委員会を代表して
葛原茂樹
目次
開く
1 基礎知識
2 症候学
3 診断,評価尺度
4 鑑別診断(てんかん,うつ,妄想性障害など)
5 画像診断
6 薬物療法・予防・疫学
7 高齢者の特性と薬物療法の留意点
8 リハビリテーションとケア
9 社会環境・資源・倫理
10 Alzheimer型認知症
11 血管性認知症
12 Lewy小体型認知症
13 前頭側頭葉変性症
14 その他の認知症
索引
2 症候学
3 診断,評価尺度
4 鑑別診断(てんかん,うつ,妄想性障害など)
5 画像診断
6 薬物療法・予防・疫学
7 高齢者の特性と薬物療法の留意点
8 リハビリテーションとケア
9 社会環境・資源・倫理
10 Alzheimer型認知症
11 血管性認知症
12 Lewy小体型認知症
13 前頭側頭葉変性症
14 その他の認知症
索引
正誤表
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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。
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