援助者必携
はじめての精神科 第3版
最前線で働く援助者から圧倒的支持! メンタルヘルスの名著、全面改稿して第3版へ
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きれいごと一切ナシ! 口は悪いが役に立つ! 同じ精神科の最前線で働く者だけが知る共感力を全開にした「超実践的アドバイス」集は、いよいよ第3版へ。クレーマー対策、援助者としてのアイデンティティの保ち方、当事者・家族に対峙する時のちょっとしたコツなど、「こんなこと、誰も教えてくれなかった」度はますますアップ! はじめて精神科に足を踏み入れたなら誰もが感じる「不安」を、優しく解きほぐします。
著 | 春日 武彦 |
---|---|
発行 | 2020年04月判型:A5頁:336 |
ISBN | 978-4-260-04235-2 |
定価 | 2,200円 (本体2,000円+税) |
更新情報
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- 序文
- 目次
序文
開く
はじめに
本書の第1版を上梓してから16年が経過しました。9年前に改訂版を出しましたが、世の中は刻一刻と変わっていきます。援助の世界も知識や技術や考え方がどんどん変化しています。古い内容のままではかえって援助者を混乱に招きかねないし、またケース検討会への参加や研修会での質疑応答などから、皆さんが「どんなことに困り、どんなところで悩むのか」もいろいろ見えてきました。そこで今回、第3版の刊行に踏み切りました。
大きく変更した部分は、4つあります。
①全面改稿……すべていったん白紙に戻し、構成も変え、まったく新しく書き直しました。以前にはなかった項目や説明なども大幅に加えて、パワーアップを図っています。
②「です」「ます」調の採用……文末を「です」「ます」とすることで、実際に皆さんを前に語りかけるような調子で分かりやすく書けるのではないかと考えました。親しみを覚えていただければ成功です。
③判型の変更……サイズを小さくしました(そのぶん厚くなりましたが)。手になじみ、カバンにも入れやすくなったほうが「役立ち度」が増すだろうと考えた次第です。
④猫濃度増強……第2版の表紙を猫の絵にしたら評判がよく、「猫本」と呼んでくれる読者もいました。そこで調子に乗り、今回は北澤平祐さんにイラストレーションをお願いしました。猫の居場所は表紙だけではないので、そのあたりも楽しみつつ読んでください。
理解しやすく役に立ち、しかも読んで気持ちが楽になる本――これが初版以来の目標です。率直でリアル、腑に落ちて前向きになる。そうでなければ多忙な援助者に対して時間泥棒となってしまいましょう。わたしなりに一所懸命に書きました。ぜひともぼろぼろになるまで使い倒していただきたいと思います。
本書の第1版を上梓してから16年が経過しました。9年前に改訂版を出しましたが、世の中は刻一刻と変わっていきます。援助の世界も知識や技術や考え方がどんどん変化しています。古い内容のままではかえって援助者を混乱に招きかねないし、またケース検討会への参加や研修会での質疑応答などから、皆さんが「どんなことに困り、どんなところで悩むのか」もいろいろ見えてきました。そこで今回、第3版の刊行に踏み切りました。
大きく変更した部分は、4つあります。
①全面改稿……すべていったん白紙に戻し、構成も変え、まったく新しく書き直しました。以前にはなかった項目や説明なども大幅に加えて、パワーアップを図っています。
②「です」「ます」調の採用……文末を「です」「ます」とすることで、実際に皆さんを前に語りかけるような調子で分かりやすく書けるのではないかと考えました。親しみを覚えていただければ成功です。
③判型の変更……サイズを小さくしました(そのぶん厚くなりましたが)。手になじみ、カバンにも入れやすくなったほうが「役立ち度」が増すだろうと考えた次第です。
④猫濃度増強……第2版の表紙を猫の絵にしたら評判がよく、「猫本」と呼んでくれる読者もいました。そこで調子に乗り、今回は北澤平祐さんにイラストレーションをお願いしました。猫の居場所は表紙だけではないので、そのあたりも楽しみつつ読んでください。
理解しやすく役に立ち、しかも読んで気持ちが楽になる本――これが初版以来の目標です。率直でリアル、腑に落ちて前向きになる。そうでなければ多忙な援助者に対して時間泥棒となってしまいましょう。わたしなりに一所懸命に書きました。ぜひともぼろぼろになるまで使い倒していただきたいと思います。
目次
開く
はじめに
I アプローチの基本――迷わないための考え方
1 援助者としての姿勢を自己点検する
2つの姿勢を使い分ける
たとえばクレーマーと向き合うとき
「経験」とはパターンを増やすこと
パターンとしての病名
「そうこなくっちゃ」というセリフのこと
2 人は素直に助けを求められない
困っているのは誰か
選択肢というキーワード
妄想という説明装置
人はつらさを何かに託す
もう一度、困っているのは誰か?
3 心の余裕がすべてに優る
陰性感情は伝わるか
「様子を見る」ために
「待つ」ために
人事を尽くして天命を待つ
4 「問題が解決する」とは?
解決より「落としどころ」
目標設定という落とし穴
働きかけが功を奏しない場合
共依存の人たち
共依存はなぜ安定しているか
共依存ケースにどう対応するか
当人が困っていなければそれでよいのか
いま一度、選択肢というキーワードについて
患者の本音はどこにある?
拒薬をどう考えるか
5 「精神に問題がある」とは?
優先順位の問題
孤独になれば誰でも狂う
精神的な視野狭窄
中途半端に耐えられない人たち
プライド、こだわり、被害者意識
アイデンティティという罠
6 安心感を処方する
便秘を望む老人
排尿誘導と安心感
マンネリと安心感
均一性と安心感
安心感を与えるいくつかの方法
II 疾患のイメージ――目の前の相手を理解する
1 高齢者の(突飛な)妄想
病気ではない?
高齢者は妄想と親和性が高い
アパート住まいの老女の話
なすべきことは何か
2 統合失調症
この病気は慢性疾患である
急性期――陽性症状の時期
慢性期――陰性症状の時期
誤診しやすいケース
統合失調症の原因と治療
デイケアはなぜ有効か
病識のこと
3 うつ状態
うつに関する問題点
従来型うつ病
高齢者のうつ病
新型うつ病とは何か
魔法の薬と救済
4 双極性障害
うつ病と躁うつ病
双極I型とII型
薬物療法の種類
m-ECTという方法
5 ストレス関連
神経症
PTSDのこと
さまざまなストレス
6 パーソナリティ障害
パーソナリティ障害とは
境界性パーソナリティ障害(BPD)
空虚感がもたらすもの
見捨てられ不安
相手を試す
他人を操作する
対応のツボ
職場でBPDに出会ったら
7 発達障害
発達障害とは何か
発達障害の治療と援助
8 依存症
「底つき体験」をめぐって
動機づけ面接法
用語に関する補遺
9 認知症
教科書的な知識
考え方の基本――3つの法則
嘘をついてはいけないか?
3つの思い出
ユマニチュードについて
III 処遇困難ケース――くじけそうなときの処方箋
1 家族へのアプローチ
落ち着きを取り戻していた高齢者
家族の精神的余裕の重要性
2 ひきこもり
ひきこもりの種類――似て非なる
ひきこもりはなぜ長引くのか
では、どう対応したらよいのだろう
いくつかの補足
3 セルフネグレクトとゴミ屋敷
人はときおり助けを求めないまま自己完結してしまう
セルフネグレクトとは何か
ゴミ屋敷のこと
どう対応したらよいか
4 自殺
自殺をめぐる諸相
自殺「された」側の思い
自殺念慮者へどう声を掛けたらよいか
5 クレーマー対策
クレーマーと呼ばれる人たち
感情レベルで寄り添う
プチ特別扱いという秘技
その他の工夫
IV 援助者の精神安定のために
1 何がわたしたちを苦しめるのだろう
苦悩の三大要素
わたしたちは無力ではない
立腹のてんまつ
2 カウンセリングはなぜ「効く」のか
言語化という魔法
他者という鏡
3 ささやかだけれど(たぶん)大切なこと
V 今さら聞きにくいQ&A
Q1 魔法の言葉
Q2 ワイルドカード
Q3 クレーマー事情
Q4 おせっかい
Q5 邪悪な親
Q6 しゃべってくれない
Q7 コントロール願望
Q8 共依存
Q9 愛着障害
Q10 ケース検討会
Q11 笑顔
索引
おわりに
I アプローチの基本――迷わないための考え方
1 援助者としての姿勢を自己点検する
2つの姿勢を使い分ける
たとえばクレーマーと向き合うとき
「経験」とはパターンを増やすこと
パターンとしての病名
「そうこなくっちゃ」というセリフのこと
2 人は素直に助けを求められない
困っているのは誰か
選択肢というキーワード
妄想という説明装置
人はつらさを何かに託す
もう一度、困っているのは誰か?
3 心の余裕がすべてに優る
陰性感情は伝わるか
「様子を見る」ために
「待つ」ために
人事を尽くして天命を待つ
4 「問題が解決する」とは?
解決より「落としどころ」
目標設定という落とし穴
働きかけが功を奏しない場合
共依存の人たち
共依存はなぜ安定しているか
共依存ケースにどう対応するか
当人が困っていなければそれでよいのか
いま一度、選択肢というキーワードについて
患者の本音はどこにある?
拒薬をどう考えるか
5 「精神に問題がある」とは?
優先順位の問題
孤独になれば誰でも狂う
精神的な視野狭窄
中途半端に耐えられない人たち
プライド、こだわり、被害者意識
アイデンティティという罠
6 安心感を処方する
便秘を望む老人
排尿誘導と安心感
マンネリと安心感
均一性と安心感
安心感を与えるいくつかの方法
II 疾患のイメージ――目の前の相手を理解する
1 高齢者の(突飛な)妄想
病気ではない?
高齢者は妄想と親和性が高い
アパート住まいの老女の話
なすべきことは何か
2 統合失調症
この病気は慢性疾患である
急性期――陽性症状の時期
慢性期――陰性症状の時期
誤診しやすいケース
統合失調症の原因と治療
デイケアはなぜ有効か
病識のこと
3 うつ状態
うつに関する問題点
従来型うつ病
高齢者のうつ病
新型うつ病とは何か
魔法の薬と救済
4 双極性障害
うつ病と躁うつ病
双極I型とII型
薬物療法の種類
m-ECTという方法
5 ストレス関連
神経症
PTSDのこと
さまざまなストレス
6 パーソナリティ障害
パーソナリティ障害とは
境界性パーソナリティ障害(BPD)
空虚感がもたらすもの
見捨てられ不安
相手を試す
他人を操作する
対応のツボ
職場でBPDに出会ったら
7 発達障害
発達障害とは何か
発達障害の治療と援助
8 依存症
「底つき体験」をめぐって
動機づけ面接法
用語に関する補遺
9 認知症
教科書的な知識
考え方の基本――3つの法則
嘘をついてはいけないか?
3つの思い出
ユマニチュードについて
III 処遇困難ケース――くじけそうなときの処方箋
1 家族へのアプローチ
落ち着きを取り戻していた高齢者
家族の精神的余裕の重要性
2 ひきこもり
ひきこもりの種類――似て非なる
ひきこもりはなぜ長引くのか
では、どう対応したらよいのだろう
いくつかの補足
3 セルフネグレクトとゴミ屋敷
人はときおり助けを求めないまま自己完結してしまう
セルフネグレクトとは何か
ゴミ屋敷のこと
どう対応したらよいか
4 自殺
自殺をめぐる諸相
自殺「された」側の思い
自殺念慮者へどう声を掛けたらよいか
5 クレーマー対策
クレーマーと呼ばれる人たち
感情レベルで寄り添う
プチ特別扱いという秘技
その他の工夫
IV 援助者の精神安定のために
1 何がわたしたちを苦しめるのだろう
苦悩の三大要素
わたしたちは無力ではない
立腹のてんまつ
2 カウンセリングはなぜ「効く」のか
言語化という魔法
他者という鏡
3 ささやかだけれど(たぶん)大切なこと
V 今さら聞きにくいQ&A
Q1 魔法の言葉
Q2 ワイルドカード
Q3 クレーマー事情
Q4 おせっかい
Q5 邪悪な親
Q6 しゃべってくれない
Q7 コントロール願望
Q8 共依存
Q9 愛着障害
Q10 ケース検討会
Q11 笑顔
索引
おわりに