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医療者のためのExcel入門 第2版
超・基礎から医療データ分析まで

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Excelへの入力といった"超・基礎"から、便利な集計機能「ピボットテーブル」を駆使したデータの集計・分析、グラフ作成のポイントまで、豊富な画面例でやさしく伝授。医療現場を想定したサンプルデータを用いているので、身近な業務データの整理にも即役立ちます! 「スライド原稿を作る便利ワザ」など、医療者がより便利にExcelを使いこなすための有益な情報も満載。Excel2019対応。
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田久 浩志
発行 2020年02月判型:B5頁:184
ISBN 978-4-260-04079-2
定価 2,640円 (本体2,400円+税)

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  • 序文
  • 目次
  • 書評
  • 付録・特典

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はじめに

 かつて筆者は羊土社から1997年にMacintosh版のExcelを題材にした『Excelによるナース・ドクターのためのかんたんデータ整理法』という本を出し,その後,2000年に看護師を対象にした『ナースのためのかんたんExcel―在院日数分析・満足度解析なんかこわくない』を,2001年に学部学生を対象にした『実力養成Word & Excel―らくらくレポート作成・データ集計』を出版しました。そして,本書の初版『医療者のためのExcel入門』(医学書院刊)を2013年に出版しました。
 初版刊行からこれまで,Excelは2010から2013,2016,2019と進化し,医療現場ではビッグデータの解析も広く行われるようになりました。またパソコンはより一層,一般的になり,個人がいろいろな場面で使うようになりました。
 しかし,学生時代にExcelの使い方を習っても,実際に利用する機会がないと,医療現場でExcelを使用する頃にはその使い方を忘れてしまいます。また,医療者の方がビジネス用のExcel解説書で学習をしようとしても,扱うデータが医療分野とまるで異なるために,Excelを学ぶには困難がつきまといます。
 本書の初版は,筆者が以前に出した著書の内容を基本にし,医学部,看護学部,リハビリテーション学部,体育学部で行ってきた授業の内容や,現場の医療従事者の方の研究支援の経験,そして著者の専門の大規模データの解析で培ったノウハウをもとに作成しました。
 多職種連携で,データの解析を他の方に任せていては,その方の都合が悪くなったら,自分の解析が頓挫します。そこで,医療系学生や医療現場の方が,実際のデータを自分の手で解析し,そこで得た情報を自分の手で表現する,というのが本書のコンセプトです。
 今回の改訂では,Excel 2019に合わせて画面の説明はすべて差し替えました。また,難しい操作に関しては説明を補足しました。さらに,今回は,とくに筆者が自分で使って便利だったノウハウを多く取り入れました。
 本書が医療者の皆様の日常業務や研究に少しでもお役に立てば幸いです。

 2019年12月
 田久 浩志

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はじめに
本書の構成

Step 1 Excelに慣れよう 基本操作編
 1 基本的メニュー
 2 アクティブセルの選び方
 3 データの種類
 4 日付と時間の表現
 5 セル間の計算
 6 操作の取り消し方法
 7 データのコピー,ペースト,カット
 8 セルの挿入,削除,消去
 9 挿入,削除を簡単にするには
 10 おかしなセル表示になったとき
 11 関数と式の入力のポイント
 12 セル範囲の指定
 13 数式と関数の利用
 14 マウスによるセル参照の指定
 15 データ入力の修正方法
 16 ブックとワークシート
 17 セル参照の種類

Step 2 データを準備しよう 情報処理編
 1 練習用患者台帳を作る
 2 診療科コードより科名を求める
 3 日付から在院日数と曜日を求める
 4 各種の統計量を求める
 5 条件付き書式で条件に合致するセルを強調する
 6 データの個数を数える
 7 データのフィルターと並べ替え
 8 データを修正する
 9 データを変換する
 10 データに入力規則をあてはめる
 11 データの形を変える
 12 おかしなデータをチェックする

Step 3 表とグラフを作ろう 分析結果の表現編
 1 グラフの種類
 2 自力で表とグラフを作る
 3 グラフのデザインを調整する
 4 WordやPowerPointへの貼り付け

Step 4 ピボットテーブルを使ってみよう 集計とグラフ応用編
 1 データの集計方法
 2 ピボットテーブルで集計する
 3 連続変数を集計する
 4 棒グラフを作る
 5 折れ線グラフを作る
 6 散布図を作る
 7 複合グラフを作る
 8 箱ひげ図を作る
 9 生存時間分析のグラフを作る
 10 オッズ比のグラフを作る

Step 5 検定してみよう 検定の基礎編
 1 検定とは
 2 対応のないt検定
 3 対応のあるt検定
 4 分散分析
 5 カイ2乗(χ2)検定

Column
 高木兼寛と統計学
 特殊記号の読み方
 統計解析に必要なデータ数はどのくらい?
 Excelで作れるグラフの種類と特徴
 統計ソフトを過信するべからず
 検定手法の選び方

■データ入力が楽になる裏ワザ
 ①基本的なキー操作
 ②少し便利なキー操作
 ③セルの書式設定
 ④セルの表示方式の変更
 ⑤セル範囲の選択
 ⑥セルの移動
 ⑦データの便利な入力方法
 ⑧一連のデータ入力
 ⑨罫線の操作

■スライド原稿を作る便利ワザ
 ①ExcelでPowerPointの原稿を作る
 ②WordでPowerPointの原稿を作る

おわりに
索引

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医療者がExcelを使うときのノウハウを伝授する秘伝の書(雑誌『看護教育』より)
書評者: 篠崎 惠美子 (人間環境大学大学院看護学研究科 教授)
 本書を手に取り、私はすぐにパソコンの電源を入れてExcelを操作したい衝動にかられました。

 私の書棚には、田久浩志先生の著作『統計解析なんかこわくない─データ整理から学会発表まで』『看護研究なんかこわくない─計画立案から文章作成まで』などが並んでいます。私は田久先生と先生が執筆された数々の書籍に、なんと20年ほどお世話になっているのです。初めて看護研究に真摯に取り組んだとき、多くの看護研究初心者がそうであるのと同じように、私も数字の扱いに悩み、書籍に手をのばしたのがきっかけでした。一端の研究者になった今でも、本書から新たな発見を得ています。

 サブタイトルに「超・基礎から医療データ分析まで」とあるように、本書はExcel初心者にわかりやすいだけでなく、医療データを分析しようとしている研究者に向けてもExcelの使い方をやさしく示しています。単なるExcelのマニュアル本(解説本)というよりも、田久先生がコツコツと集めてきたノウハウを伝授するために書かれた秘伝の書という表現が合うのではないかと思います。

 たとえば、#や@といった特殊記号の読み方などのように、ふだんは気に留めませんが、「これはどのように読むのか」と尋ねられると答えられないようなことも本書には記載されています。今さら人には聞けない、どうしようと困ったときに、「ここに書いてありますよ」とこっそりと教えてくれる、そんな書籍です。また、データ入力やスライド原稿作成が楽になる裏ワザなどもていねいに示されています。多くの読者から「もっと早くに知っていたら……」という嘆きの声が聞こえてきそうな内容です。

 本書を読み終えて、私は田久先生に「統計の専門家として、執筆するときに意識した点」を尋ねてみました。すると、「わかりやすさ。肌感覚で理解できる、数式でなくても、あ、そうかとわかる工夫」という言葉が返ってきました。なるほど、先生はこれまで看護研究で迷える看護師たちの味方として、数多くの看護研究にかかわってきたその経験から、「わかりやすさ」を追求して書かれたのだということを実感しました。

 本書が発行された2020年はナイチンゲール生誕200年にあたります。ナイチンゲールは近代看護の創始者であり、統計学者でもありました。また、カール・ピアソンは統計学を「科学の文法」であると述べています。本書は、私たち看護師が「科学の文法」を味方につけるためのノウハウを伝授してくれます。「大丈夫、Excelでたいていのことはできますよ、そして仕事が楽になりますよ」とにっこり微笑む田久先生の笑顔が浮かぶような書籍です。

(『看護教育』2020年4月号掲載)
「こんな便利な機能があった」Excelをマスターするための必携書
書評者: 濱岸 利夫 (中部学院大准教授・理学療法学)
 「医療者のためのExcel入門」とタイトルにあり,サブタイトルには「超・基礎から医療データ分析まで」とある。そのため,「Step1 Excelに慣れよう 基本操作編」から始まる。

 読者が少しでもパソコンやExcelの操作に慣れていれば,Step1には見向きもしないで他のステップへ進んでしまうかもしれない。

 しかし,私はStep1から目を通すことをぜひともお勧めする。具体的には,私たちがExcelの操作時に「間違えやすい文字(表1-2)」が列挙してあり,「編集操作でよく使うショートカット(表1-3)」も表にまとめてある。

 Step1を読んで理解すれば,データ入力時あるいは分析時,セルに数値を入力したはずが,思ったように計算できないことにイラついたり,大量のデータ処理時に煩わしさを感じたりすることを避けられるかもしれない。

 そして,初版からある「データ入力が楽になる裏ワザ」(pp.37-44)は必見である。

 今回,私もじっくりと目を通してみると,例えば,[Ctrl]+[;] (セミコロン)で,「現在の日付を入力します」とあるので,実際に入力してみると日付が表示されるので驚いた。

 同様に,[Ctrl]+[:] (コロン)で,「時刻が入力される」ことを確認し,こちらも時刻が表示できた。これだけでずいぶんと得をした気持ちになる。このようにキーボード操作で得られる「お得感」も随所にある。

 さらにStep2は,読者が練習用データ(医学書院Webサイトから入手可能)を使いながら情報処理を練習できるようになっており,テキストを読み進めながら一人でも学習する工夫がされている。

 またStep3は,グラフの作成について記載されており,WordやPowerPointへの貼り付け方の形式も詳しく解説されている。一読すれば,グラフをうまく貼り付けることができる。

 本書の中で,私が最もお勧めしたい内容はStep4「ピボットテーブルを使ってみよう 集計とグラフ応用編」である。ぜひとも熟読していただきたい。

 そこには「ピボットテーブル」というキーワードがあり,耳慣れない方がいるかもしれない。ただ,一度使い始めると,その便利さを実感できる。特にExcelシートのデータからクロス集計表を作成する作業の上ではマスターしておきたい。

 「データから一瞬でクロス集計表を作成するテクニックね……」とご存知の読者もいるかもしれないが,もし,初めて聞く読者であれば,ぜひとも試してみることをお勧めする。

 もちろん,ピボットテーブルからすぐにグラフも作成することができ,その操作についても詳しく記述されている。

 私も著者から教わったとき,最初は驚いた。それ以降,何度もクロス集計表やグラフ作成に役立っている。「Excelには,こんな便利な機能があったのだ……」と当時の記憶が今でも残っている。

 初心者だけではなく,Excelを使い慣れたベテランにもぜひお薦めしたい。
個人レッスンを受けているように作業が進む一冊
書評者: 山田 眞佐美 (大阪国際がんセンター看護師長)
 皆様が本を選ばれる時の基準は何でしょうか? 著者? タイトル? ベストセラーかどうか? どれも気になる内容ですが,私は,(1)見た目の良さ(表紙がすっきりしていて読みやすそうかどうか),(2)手に取った時の手触り(自分の手にしっくりとくるかどうか),(3)ページをパラパラとめくった時の紙の質感(指のひっかかりはよいか,ページはめくりやすいか),(4)最後まで読めそうかどうか(目に痛くない色使い,文字が見やすくて,読みやすそうかどうか),(5)重たさ(手や腕に負担なく読めそうかどうか,持ち運びに耐えうる重たさか)を重視しています。解決したいことや学びたい意欲があるからこそ本を読むのだと思いますが,いくら良いことが書かれていても,自分の頭の一部になるくらいまで何回も読んで内容を理解できないと,知識やスキルにつながる役に立つ本とはならないからです。

 一冊の本との出会いが人生を変えることもあります。私は現在,立命館大MOT大学院テクノロジー・マネジメント研究科博士課程後期課程に在籍していますが,研究者としてのルーツは,上の(1)~(5)の山田基準を満たした田久浩志先生らの『看護研究なんかこわくない―計画立案から文章作成まで』(医学書院)を2000年に読み,初めて看護研究に取り組んだことにあります。どの入門書を選ぶかは,その後の好き・嫌いを左右し,人生にも影響します。「下手の横好き」とは「下手なくせに,その物事が好きで熱心であること」のことわざですが,私と看護研究の関係はまさにこれ,横好きを育てて下さいましたのが田久先生です。

 今回ご紹介させていただく『医療者のためのExcel入門―超・基礎から医療データ分析まで 第2版」は,まず(1)~(5)の山田基準を満たしています。肝心の内容はというと,実際のExcel画面がふんだんに使われているので,とにかくその通りに読み進めれば,まるで個人レッスンを受けているかのごとく作業が進みます。「データを手際よく入力する」「ExcelでPowerPointの原稿を作る」など,先人が四苦八苦しながら格闘されてきた内容が,「裏ワザ」として気前よく公開されているのも本書のお値打ちなところといえます。田久先生は指導者として,どうやってわかりやすく教えるかを常に研鑽されています。本書は文字の配列や色使いも絶妙で,どうやってわかりやすい本を世に届けるかといった医学書院さんのノウハウが結集された,歴史とセンスを感じる一冊に仕上がっています(上から目線になってしまいすみません!)。

 本書の「おわりに」に「データの分析能力が伸びる方の共通点は好奇心」と記されています。「継続は力なり」ということわざがありますが,実際は「継続したこと(だけ)が力」になります。「好きこそものの上手なれ」です。医療の発展は人類の幸せ。研究は人類の幸せのために行うものです。本書をきっかけに「自分が集めたデータをもとに誰もが知らない世界に足を踏み入れ,誰もが知らないことを知り喜びを感じる」仲間が増えることを願っています。

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