生涯人間発達論 第3版
人間への深い理解と愛情を育むために
生まれてから亡くなるまでの発達過程を人へのやさしいまなざしで語る
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エリクソンの理論をもとに、人間の発達過程をわかりやすく解説した書。生まれてから老いて亡くなるまで人は発達危機に遭遇し、人格的活用を獲得しながら発達し続けるという。その文面からは、長きにわたって児童相談所や大学などで多くの子供や学生、その家族と関わってきた著者の、人に対するやさしいまなざしを感じられる。看護師や看護学生だけでなく、介護士や保育士、子育て中の人にも是非読んでもらいたい。
著 | 服部 祥子 |
---|---|
発行 | 2020年02月判型:B5頁:224 |
ISBN | 978-4-260-04133-1 |
定価 | 2,310円 (本体2,100円+税) |
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第3版によせて
第2版は初版(2000年)から10年後,2010年に加筆し上梓した。第2版では序章において,21世紀初頭10年目の節目における生涯人間発達論の新しい課題を総括的に論じた。そこでは当時の日本社会に押し寄せていた3つの波に注目し,その波の影響が大いに人間発達にかかわっていることを論考した。さらにI章よりX章のそれぞれに,各発達段階における新たに突出してきた課題について具体的に解説した。
ちなみに第2版でとりあげた3つの波とは,①暴力(テロ),病気,経済不況,環境問題の汎国際化の波,②生活および人間関係の変容をもたらす情報通信技術(ICT)進化の波,③年齢・性別の枠組の自由化・多様化を進める高齢社会と男女共同参画社会進展の波,である。これらは良きにつけ悪しきにつけ,当時の日本人の日常生活を根本から,圧倒的な力とスピードをもって変容させる波であった。
そして,その3つの波の勢いは2020年の今も,弱まるどころかますます強大化している。この現実はきわめて重要で,引き続き第3版でもこれらの課題から視線をそらすことはできない。
さらに,第2版以来10年の時を経た現時点では「人生100年時代」の到来が考えるべき大きな課題となってきた。そこで第3版では終章で「人生100年時代の生涯人間発達論~21世紀20年目の節目に」として,人生前半期(0~50歳)と後半期(50歳~)の発達における強調すべき点をとりあげ,考察している。
生涯人間発達論は精神社会的な側面を重視する論であるため,社会の変化はきわめて重要な要素である。そのため学説の基本そのものは堅固でゆるぎないが,人間が生きる日常生活の様相や社会通念・価値観等の変化やその影響も考慮に入れて,人間発達を柔軟に論考することを旨としている。そしてその上で,どのような社会情勢にあっても,人間が生涯にわたり人間として発達していく,という確固たる信念を中核において,第3版を世に送り出そうと思う。初版から第2版へと続いた20年の歩みの先を,第3版が元気に歩いてくれることを心より願っている。
2020年1月
服部祥子
第2版は初版(2000年)から10年後,2010年に加筆し上梓した。第2版では序章において,21世紀初頭10年目の節目における生涯人間発達論の新しい課題を総括的に論じた。そこでは当時の日本社会に押し寄せていた3つの波に注目し,その波の影響が大いに人間発達にかかわっていることを論考した。さらにI章よりX章のそれぞれに,各発達段階における新たに突出してきた課題について具体的に解説した。
ちなみに第2版でとりあげた3つの波とは,①暴力(テロ),病気,経済不況,環境問題の汎国際化の波,②生活および人間関係の変容をもたらす情報通信技術(ICT)進化の波,③年齢・性別の枠組の自由化・多様化を進める高齢社会と男女共同参画社会進展の波,である。これらは良きにつけ悪しきにつけ,当時の日本人の日常生活を根本から,圧倒的な力とスピードをもって変容させる波であった。
そして,その3つの波の勢いは2020年の今も,弱まるどころかますます強大化している。この現実はきわめて重要で,引き続き第3版でもこれらの課題から視線をそらすことはできない。
さらに,第2版以来10年の時を経た現時点では「人生100年時代」の到来が考えるべき大きな課題となってきた。そこで第3版では終章で「人生100年時代の生涯人間発達論~21世紀20年目の節目に」として,人生前半期(0~50歳)と後半期(50歳~)の発達における強調すべき点をとりあげ,考察している。
生涯人間発達論は精神社会的な側面を重視する論であるため,社会の変化はきわめて重要な要素である。そのため学説の基本そのものは堅固でゆるぎないが,人間が生きる日常生活の様相や社会通念・価値観等の変化やその影響も考慮に入れて,人間発達を柔軟に論考することを旨としている。そしてその上で,どのような社会情勢にあっても,人間が生涯にわたり人間として発達していく,という確固たる信念を中核において,第3版を世に送り出そうと思う。初版から第2版へと続いた20年の歩みの先を,第3版が元気に歩いてくれることを心より願っている。
2020年1月
服部祥子
目次
開く
序 生涯人間発達論 序説
1 生涯人間発達論とは
2 発達の定義
3 人間発達に関する諸理論
現代以前の発達思想の展開
現代の発達理論
4 生涯人間発達論の基本的視点
人生における10階層
精神社会的課題と発達危機
徳(人格的活力)
5 新たな社会情勢と生涯人間発達論~21世紀初頭10年目の節目に
2001~2010年の総括的考察
暴力(テロ),病気,経済不況,環境問題の連鎖
汎国際化の波と生涯人間発達論
生活および人間関係の変容
情報通信技術(ICT)進化の波と生涯人間発達論
年齢・性別の枠組みの自由化・多様化
高齢社会と男女共同参画社会進展の波と生涯人間発達論
I 乳児期(0~1歳)
1 乳児期の発達危機
出産という試練
乳児の無力さ
人生早期の母子結合
欲求充足と基本的信頼感
3か月微笑と8か月不安
「基本的信頼感対不信感」という乳児期の発達危機の解決
2 乳児期の人格的活力
とり入れること
待つこと
希望という活力
3 乳児期の発達に関する興味深い学説・知見
早期体験の重要性 動物学の知見から
母性的養育の剝奪とホスピタリズム
アタッチメント(愛着)
乳児における対象関係論
気質論
4 乳児期の発達的な問題とケア[事例を通して]
●明子ちゃん,生後9か月,ボーッとしている
●正君,生後7か月,夜泣き
5 乳児期の発達における今日的課題[母性的養育の危うさ]
乳児虐待
育児放棄
II 幼児前期(1~3歳)
1 幼児前期の発達危機
自立の第一歩
受動的愛から能動的愛へ
自律性を培う時
しつけと自律性
「自律性対恥・疑惑」という幼児前期の発達危機の解決
2 幼児前期の人格的活力
保持することと手放すこと
他者意識と自己意識
意志という活力
3 幼児前期の発達に関する興味深い学説・知見
分離・個体化理論
自己感の発達論
4 幼児前期の発達的な問題とケア[事例を通して]
●賢二君,6歳,遺尿
●恵美ちゃん,3歳,便秘
5 幼児前期の発達における今日的課題[家庭での養育の危うさ]
児童虐待
里親制度
III 幼児後期(3~6歳)
1 幼児後期の発達危機
個の芽ばえと反抗
独立心と依存心の葛藤
遊びと発達
幼児後期の遊びの効用
両親との関係とその葛藤
「自発性対罪悪感」という幼児後期の発達危機の解決
2 幼児後期の人格的活力
思い通りにすることとまねをすること
希望と意志と目的
3 幼児後期の発達に関する興味深い学説・知見
センス・オブ・ワンダー
子育てと父親
4 幼児後期の発達的な問題とケア[事例を通して]
●剛君,6歳,暴力が多い
●美紀ちゃん,5歳,どもる
5 幼児後期の発達における今日的課題[発達上の気がかり]
子どもの暴力
発達障害
IV 学童期(6~12歳)
1 学童期の発達危機
学校生活開始と自己への気づき
遊びと対人感情
学びと勤勉性
自己意識と劣等感
「勤勉性対劣等感」という学童期の発達危機の解決
2 学童期の人格的活力
ものをつくることと完成すること
目的意識と有能感
3 学童期の発達に関する興味深い学説・知見
前思春期論
発達課題論
4 学童期の発達的な問題とケア[事例を通して]
●良一君,9歳,不登校
●太郎君,10歳,チック
5 学童期の発達における今日的課題[子どもの日常性の変化]
経験欠乏
子どもの貧困(学童期)
V 思春期(12~18歳)
1 思春期の発達危機
pubertyとadolescenceの分離
二次性徴の発現と身体像の動揺
めざめ感と自己中心性
心理的な親子分離と孤独
思春期の心理的特徴
「自己中心性対孤独感」という思春期の発達危機の解決
2 思春期の人格的活力
自分のことを第一に思うこと
夢という活力
3 思春期の発達に関する興味深い学説・知見
思春期モーニング
4 思春期の発達的な問題とケア[事例を通して]
●孝君,17歳,学校をやめたい
●愛子さん,15歳,自殺企図
5 思春期における今日的課題[人間関係の機能不全]
いじめ
ゲーム障害
VI 青年期(18~25歳)
1 青年期の発達危機
思春期を通って青年期へ
性の欲動とフラストレーション
親子間の葛藤と感情の両価性
仲間体験とユースカルチャー
「同一性対役割の混乱」という青年期の発達危機の解決
2 青年期の人格的活力
自分自身であること,活動を共有すること
自我同一性と忠誠心
3 青年期の発達に関する興味深い学説・知見
青年期境界例
アイデンティティ拡散症候群
ユングの学説にみる青年期の自立
4 青年期の発達的な問題とケア[事例を通して]
●裕子さん,19歳,減食とやせ
●知子さん,20歳,不安が強い
5 青年期の発達における今日的課題[同一性確立の困難さ]
LGBT(性的マイノリティ)
在留外国人の増加
VII 成人前期(20~30代)
1 成人前期の発達危機
成熟への入り口
青年期の延長とモラトリアム
親密性と山アラシのジレンマ
「親密性対孤立性」という成人前期の発達危機の解決
2 成人前期の人格的活力
愛の発達
他者の中に自分を発見することと自分を失うこと
親密性と愛
3 成人前期の発達に関する興味深い学説・知見
アパシー・シンドローム
ピーター・パン・シンドロームとシンデレラ・コンプレックス
4 成人前期の発達的な問題とケア[事例を通して]
●公二さん,25歳,無気力
●礼子さん,24歳,自殺企図
5 成人前期の発達における今日的課題[終わらない青年期]
社会的ひきこもり
遠ざかる結婚
VIII 成人中期(30~50代)
1 成人中期の発達危機
中壮年期を成人中期と成熟期に区分
成人中期の生殖性
家庭における生殖性
社会生活における生殖性
家庭や社会における停滞感
「生殖性対停滞性」という成人中期の発達危機の解決
2 成人中期の人格的活力
存在をつくることと世話すること
相互の働きかけとしての世話
生殖性と世話
3 成人中期の発達に関する興味深い学説・知見
レヴィンソンの発達論
グールドの発達論
4 成人中期の発達的な問題とケア[事例を通して]
●明子さん,35歳,アルコール依存
●武司さん,35歳,胃の痛み
5 成人中期の発達における今日的課題[少子化とそれの及ぼす影響]
少子化の家庭にもたらす影響
女性の社会進出
中高年のひきこもり
IX 成熟期(50~70代)
1 成熟期の発達危機
身体的変化とさまざまな動揺
エンプティ・ネスト・シンドロームと定年
新しい自己の発見と挑戦
惑いとためらい
「同一性再確立対消極性」という成熟期の発達危機の解決
2 成熟期の人格的活力
存在を見直す
「自信」という人格的活力
3 成熟期の発達に関する興味深い学説・知見
ビューラーの発達論
ヴェイラントの発達論
4 成熟期の発達的な問題とケア[事例を通して]
●哲夫さん,55歳,自殺未遂
●美子さん,53歳,夫への嫉妬
5 成熟期の発達における今日的課題[たそがれどきの迷いと不安]
親子共依存
熟年の離婚
熟年の自殺
X 成人後期(70代以後)
1 成人後期の発達危機
しめくくりの時,人生の究極
生理的・心理的老化
成熟の極としての統合性
絶望と疑似統合
「統合性(自我の統合)対絶望感」という成人後期の発達危機の解決
2 成人後期の人格的活力
あるがままを生きることと死に直面すること
高齢者の知恵
自我の統合と知恵
3 成人後期の発達に関する興味深い学説・知見
キューブラー・ロスの「死の受容過程」
4 成人後期の発達的な問題とケア[事例を通して]
●美佐さん,72歳,不安発作
●道雄さん,82歳,暴力
5 成人後期の発達における今日的課題[シニア世代の孤独と絶望]
独居高齢者と孤独死
高齢者の犯罪
終章 人生100年時代の生涯人間発達論 ~21世紀20年目の節目に
1 「人生100年時代」を迎えて
2 人生前半期の発達の強調点~乳幼児期の重要性
人生周期I(乳児期)の「基本的信頼感」と「希望」
人生周期II(幼児前期)の「自律性」と「意志」
人生周期III(幼児後期)の「自発性」と「目的」
人格の根本は長い人生を最後まで支える
3 人生後半期の発達の強調点~成熟期の重要性
成熟期は「同一性再確立」の時
成熟期には新たな学びの道がある
成熟期における新しい人間関係の構築
成熟期の実りが成人後期を円熟に導く
おわりに
参考文献
索引
1 生涯人間発達論とは
2 発達の定義
3 人間発達に関する諸理論
現代以前の発達思想の展開
現代の発達理論
4 生涯人間発達論の基本的視点
人生における10階層
精神社会的課題と発達危機
徳(人格的活力)
5 新たな社会情勢と生涯人間発達論~21世紀初頭10年目の節目に
2001~2010年の総括的考察
暴力(テロ),病気,経済不況,環境問題の連鎖
汎国際化の波と生涯人間発達論
生活および人間関係の変容
情報通信技術(ICT)進化の波と生涯人間発達論
年齢・性別の枠組みの自由化・多様化
高齢社会と男女共同参画社会進展の波と生涯人間発達論
I 乳児期(0~1歳)
1 乳児期の発達危機
出産という試練
乳児の無力さ
人生早期の母子結合
欲求充足と基本的信頼感
3か月微笑と8か月不安
「基本的信頼感対不信感」という乳児期の発達危機の解決
2 乳児期の人格的活力
とり入れること
待つこと
希望という活力
3 乳児期の発達に関する興味深い学説・知見
早期体験の重要性 動物学の知見から
母性的養育の剝奪とホスピタリズム
アタッチメント(愛着)
乳児における対象関係論
気質論
4 乳児期の発達的な問題とケア[事例を通して]
●明子ちゃん,生後9か月,ボーッとしている
●正君,生後7か月,夜泣き
5 乳児期の発達における今日的課題[母性的養育の危うさ]
乳児虐待
育児放棄
II 幼児前期(1~3歳)
1 幼児前期の発達危機
自立の第一歩
受動的愛から能動的愛へ
自律性を培う時
しつけと自律性
「自律性対恥・疑惑」という幼児前期の発達危機の解決
2 幼児前期の人格的活力
保持することと手放すこと
他者意識と自己意識
意志という活力
3 幼児前期の発達に関する興味深い学説・知見
分離・個体化理論
自己感の発達論
4 幼児前期の発達的な問題とケア[事例を通して]
●賢二君,6歳,遺尿
●恵美ちゃん,3歳,便秘
5 幼児前期の発達における今日的課題[家庭での養育の危うさ]
児童虐待
里親制度
III 幼児後期(3~6歳)
1 幼児後期の発達危機
個の芽ばえと反抗
独立心と依存心の葛藤
遊びと発達
幼児後期の遊びの効用
両親との関係とその葛藤
「自発性対罪悪感」という幼児後期の発達危機の解決
2 幼児後期の人格的活力
思い通りにすることとまねをすること
希望と意志と目的
3 幼児後期の発達に関する興味深い学説・知見
センス・オブ・ワンダー
子育てと父親
4 幼児後期の発達的な問題とケア[事例を通して]
●剛君,6歳,暴力が多い
●美紀ちゃん,5歳,どもる
5 幼児後期の発達における今日的課題[発達上の気がかり]
子どもの暴力
発達障害
IV 学童期(6~12歳)
1 学童期の発達危機
学校生活開始と自己への気づき
遊びと対人感情
学びと勤勉性
自己意識と劣等感
「勤勉性対劣等感」という学童期の発達危機の解決
2 学童期の人格的活力
ものをつくることと完成すること
目的意識と有能感
3 学童期の発達に関する興味深い学説・知見
前思春期論
発達課題論
4 学童期の発達的な問題とケア[事例を通して]
●良一君,9歳,不登校
●太郎君,10歳,チック
5 学童期の発達における今日的課題[子どもの日常性の変化]
経験欠乏
子どもの貧困(学童期)
V 思春期(12~18歳)
1 思春期の発達危機
pubertyとadolescenceの分離
二次性徴の発現と身体像の動揺
めざめ感と自己中心性
心理的な親子分離と孤独
思春期の心理的特徴
「自己中心性対孤独感」という思春期の発達危機の解決
2 思春期の人格的活力
自分のことを第一に思うこと
夢という活力
3 思春期の発達に関する興味深い学説・知見
思春期モーニング
4 思春期の発達的な問題とケア[事例を通して]
●孝君,17歳,学校をやめたい
●愛子さん,15歳,自殺企図
5 思春期における今日的課題[人間関係の機能不全]
いじめ
ゲーム障害
VI 青年期(18~25歳)
1 青年期の発達危機
思春期を通って青年期へ
性の欲動とフラストレーション
親子間の葛藤と感情の両価性
仲間体験とユースカルチャー
「同一性対役割の混乱」という青年期の発達危機の解決
2 青年期の人格的活力
自分自身であること,活動を共有すること
自我同一性と忠誠心
3 青年期の発達に関する興味深い学説・知見
青年期境界例
アイデンティティ拡散症候群
ユングの学説にみる青年期の自立
4 青年期の発達的な問題とケア[事例を通して]
●裕子さん,19歳,減食とやせ
●知子さん,20歳,不安が強い
5 青年期の発達における今日的課題[同一性確立の困難さ]
LGBT(性的マイノリティ)
在留外国人の増加
VII 成人前期(20~30代)
1 成人前期の発達危機
成熟への入り口
青年期の延長とモラトリアム
親密性と山アラシのジレンマ
「親密性対孤立性」という成人前期の発達危機の解決
2 成人前期の人格的活力
愛の発達
他者の中に自分を発見することと自分を失うこと
親密性と愛
3 成人前期の発達に関する興味深い学説・知見
アパシー・シンドローム
ピーター・パン・シンドロームとシンデレラ・コンプレックス
4 成人前期の発達的な問題とケア[事例を通して]
●公二さん,25歳,無気力
●礼子さん,24歳,自殺企図
5 成人前期の発達における今日的課題[終わらない青年期]
社会的ひきこもり
遠ざかる結婚
VIII 成人中期(30~50代)
1 成人中期の発達危機
中壮年期を成人中期と成熟期に区分
成人中期の生殖性
家庭における生殖性
社会生活における生殖性
家庭や社会における停滞感
「生殖性対停滞性」という成人中期の発達危機の解決
2 成人中期の人格的活力
存在をつくることと世話すること
相互の働きかけとしての世話
生殖性と世話
3 成人中期の発達に関する興味深い学説・知見
レヴィンソンの発達論
グールドの発達論
4 成人中期の発達的な問題とケア[事例を通して]
●明子さん,35歳,アルコール依存
●武司さん,35歳,胃の痛み
5 成人中期の発達における今日的課題[少子化とそれの及ぼす影響]
少子化の家庭にもたらす影響
女性の社会進出
中高年のひきこもり
IX 成熟期(50~70代)
1 成熟期の発達危機
身体的変化とさまざまな動揺
エンプティ・ネスト・シンドロームと定年
新しい自己の発見と挑戦
惑いとためらい
「同一性再確立対消極性」という成熟期の発達危機の解決
2 成熟期の人格的活力
存在を見直す
「自信」という人格的活力
3 成熟期の発達に関する興味深い学説・知見
ビューラーの発達論
ヴェイラントの発達論
4 成熟期の発達的な問題とケア[事例を通して]
●哲夫さん,55歳,自殺未遂
●美子さん,53歳,夫への嫉妬
5 成熟期の発達における今日的課題[たそがれどきの迷いと不安]
親子共依存
熟年の離婚
熟年の自殺
X 成人後期(70代以後)
1 成人後期の発達危機
しめくくりの時,人生の究極
生理的・心理的老化
成熟の極としての統合性
絶望と疑似統合
「統合性(自我の統合)対絶望感」という成人後期の発達危機の解決
2 成人後期の人格的活力
あるがままを生きることと死に直面すること
高齢者の知恵
自我の統合と知恵
3 成人後期の発達に関する興味深い学説・知見
キューブラー・ロスの「死の受容過程」
4 成人後期の発達的な問題とケア[事例を通して]
●美佐さん,72歳,不安発作
●道雄さん,82歳,暴力
5 成人後期の発達における今日的課題[シニア世代の孤独と絶望]
独居高齢者と孤独死
高齢者の犯罪
終章 人生100年時代の生涯人間発達論 ~21世紀20年目の節目に
1 「人生100年時代」を迎えて
2 人生前半期の発達の強調点~乳幼児期の重要性
人生周期I(乳児期)の「基本的信頼感」と「希望」
人生周期II(幼児前期)の「自律性」と「意志」
人生周期III(幼児後期)の「自発性」と「目的」
人格の根本は長い人生を最後まで支える
3 人生後半期の発達の強調点~成熟期の重要性
成熟期は「同一性再確立」の時
成熟期には新たな学びの道がある
成熟期における新しい人間関係の構築
成熟期の実りが成人後期を円熟に導く
おわりに
参考文献
索引