知っておきたい変更点 NANDA-I看護診断 定義と分類 2018-2020
何がどのように変わったのか、ポイントがすぐにわかる1冊!
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『NANDA-I看護診断 定義と分類 2018-2020』では何がどのように変わったのか? 本書はそのポイントがわかる1冊。注目の看護診断を補助する新カテゴリーの「ハイリスク群」「関連する状態」を解説。また、看護診断の根拠とした診断指標・危険因子・関連因子が、アウトカム・介入にも連動することが一目でわかる「臨床推論モデル」を新たに紹介。新しい17の看護診断については、典型的な事例を提示する。
著 | 上鶴 重美 / T. ヘザー・ハードマン |
---|---|
発行 | 2018年04月判型:A5変頁:112 |
ISBN | 978-4-260-03610-8 |
定価 | 2,200円 (本体2,000円+税) |
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- 序文
- 目次
- 書評
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序文
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はじめに
NANDAインターナショナル(NANDA International:NANDA-I)の『NANDA-I看護診断─定義と分類 2018-2020 原書第11版』には,今回も多くの追加や改訂があり,より一層洗練されたものになっています。たくさんの変更点があるということは,看護の知識がつねに進化し続けている証しでもあります。また,NANDA-Iが最新の知識を確実に看護診断用語集に反映させていることも意味しています。
前置きしておきますが,本書は,初めて看護診断について学ぼうとされている方に向けた解説書ではありません。看護診断の基本を学びたい方は,まずは『NANDA-I看護診断─定義と分類 2018-2020 原書第11版』をお読みください。看護診断の基本,アセスメント,臨床推論,NANDA-I看護診断分類の基本的事項について解説してあります。
本書は,以前から看護診断をお使いの方に,2018-2020年版では何がどのように変わったのか,簡単にポイントを把握していただけるようにまとめています。『NANDA-I看護診断─定義と分類 2018-2020 原書第11版』よりも詳しく変更理由を知りたい方に向けた解説のほか,新しく採択された17の看護診断についてはイメージしやすいように典型的な事例も掲載しています。本書ではまた,次版2021-2023年版に向けて改善の必要な課題を指摘するとともに,今後の発展に向けた提案も掲載しています。
看護診断を臨床や教育現場で活用するうえで,本書をお役立ていただければ幸いです。
2018年2月
著者ら
NANDAインターナショナル(NANDA International:NANDA-I)の『NANDA-I看護診断─定義と分類 2018-2020 原書第11版』には,今回も多くの追加や改訂があり,より一層洗練されたものになっています。たくさんの変更点があるということは,看護の知識がつねに進化し続けている証しでもあります。また,NANDA-Iが最新の知識を確実に看護診断用語集に反映させていることも意味しています。
前置きしておきますが,本書は,初めて看護診断について学ぼうとされている方に向けた解説書ではありません。看護診断の基本を学びたい方は,まずは『NANDA-I看護診断─定義と分類 2018-2020 原書第11版』をお読みください。看護診断の基本,アセスメント,臨床推論,NANDA-I看護診断分類の基本的事項について解説してあります。
本書は,以前から看護診断をお使いの方に,2018-2020年版では何がどのように変わったのか,簡単にポイントを把握していただけるようにまとめています。『NANDA-I看護診断─定義と分類 2018-2020 原書第11版』よりも詳しく変更理由を知りたい方に向けた解説のほか,新しく採択された17の看護診断についてはイメージしやすいように典型的な事例も掲載しています。本書ではまた,次版2021-2023年版に向けて改善の必要な課題を指摘するとともに,今後の発展に向けた提案も掲載しています。
看護診断を臨床や教育現場で活用するうえで,本書をお役立ていただければ幸いです。
2018年2月
著者ら
目次
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はじめに
院内情報システム(電子カルテを含む)における『NANDA-I看護診断』
利用ライセンス取得案内
第1章 何がどう変わったか
ヘルスプロモーション型看護診断の全般的な定義が変わった
リスク型看護診断の定義が変わった(英語版のみ)
看護診断を補助する新しいカテゴリーが導入された
ハイリスク群とは?
関連する状態とは?
診断手がかり用語(関連因子と危険因子)が同じになった
看護診断が追加された:17診断
看護診断名が変わった:9診断(英語は11診断)
看護診断が改訂された:72診断
看護診断が削除された:8診断
診断手がかり用語の標準化
分類法III(案)はどうなったのか?
第2章 課題と今後の取り組み
現在の看護診断のエビデンスは?
症状は看護診断なのか?
看護診断はどこまで細かくすべきか?
より正確な翻訳に向けて
看護診断の定義はどうあるべきか?
シンドロームは看護診断のまとまり,のはずだが?
ヘルスプロモーション型看護診断には課題山積?
診断の焦点が同じ看護診断に共通性はみられるか?
標準用語の確実な理解と活用に向けて
第3章 臨床推論モデル
看護介入の選択根拠としての看護診断
臨床推論モデル(1):問題焦点型看護診断
問題焦点型看護診断:診断推論
問題焦点型看護診断:目標・アウトカム推論
問題焦点型看護診断:看護介入推論
問題焦点型看護診断:評価推論
問題焦点型看護診断:統合
臨床推論モデル(2):リスク型看護診断
リスク型看護診断:診断推論
リスク型看護診断:目標・アウトカム推論
リスク型看護診断:看護介入推論
リスク型看護診断:評価推論
リスク型看護診断:統合
臨床推論モデル(3):ヘルスプロモーション型看護診断
ヘルスプロモーション型看護診断:診断推論
ヘルスプロモーション型看護診断:目標・アウトカム推論
ヘルスプロモーション型看護診断:看護介入推論
ヘルスプロモーション型看護診断:評価推論
ヘルスプロモーション型看護診断:統合
第4章 クイックマスター! 新看護診断17
ヘルスリテラシー促進準備状態
非効果的青年食生活動態
非効果的小児食生活動態
非効果的乳児食生活動態
代謝平衡異常シンドロームリスク状態
エネルギーフィールド平衡異常
血圧不安定リスク状態
移住トランジション複雑化リスク状態
急性離脱シンドローム
急性離脱シンドロームリスク状態
新生児離脱シンドローム
手術部位感染リスク状態
口腔乾燥リスク状態
静脈血栓塞栓リスク状態
女性器切除リスク状態
労働災害リスク状態
非効果的体温調節機能リスク状態
院内情報システム(電子カルテを含む)における『NANDA-I看護診断』
利用ライセンス取得案内
第1章 何がどう変わったか
ヘルスプロモーション型看護診断の全般的な定義が変わった
リスク型看護診断の定義が変わった(英語版のみ)
看護診断を補助する新しいカテゴリーが導入された
ハイリスク群とは?
関連する状態とは?
診断手がかり用語(関連因子と危険因子)が同じになった
看護診断が追加された:17診断
看護診断名が変わった:9診断(英語は11診断)
看護診断が改訂された:72診断
看護診断が削除された:8診断
診断手がかり用語の標準化
分類法III(案)はどうなったのか?
第2章 課題と今後の取り組み
現在の看護診断のエビデンスは?
症状は看護診断なのか?
看護診断はどこまで細かくすべきか?
より正確な翻訳に向けて
看護診断の定義はどうあるべきか?
シンドロームは看護診断のまとまり,のはずだが?
ヘルスプロモーション型看護診断には課題山積?
診断の焦点が同じ看護診断に共通性はみられるか?
標準用語の確実な理解と活用に向けて
第3章 臨床推論モデル
看護介入の選択根拠としての看護診断
臨床推論モデル(1):問題焦点型看護診断
問題焦点型看護診断:診断推論
問題焦点型看護診断:目標・アウトカム推論
問題焦点型看護診断:看護介入推論
問題焦点型看護診断:評価推論
問題焦点型看護診断:統合
臨床推論モデル(2):リスク型看護診断
リスク型看護診断:診断推論
リスク型看護診断:目標・アウトカム推論
リスク型看護診断:看護介入推論
リスク型看護診断:評価推論
リスク型看護診断:統合
臨床推論モデル(3):ヘルスプロモーション型看護診断
ヘルスプロモーション型看護診断:診断推論
ヘルスプロモーション型看護診断:目標・アウトカム推論
ヘルスプロモーション型看護診断:看護介入推論
ヘルスプロモーション型看護診断:評価推論
ヘルスプロモーション型看護診断:統合
第4章 クイックマスター! 新看護診断17
ヘルスリテラシー促進準備状態
非効果的青年食生活動態
非効果的小児食生活動態
非効果的乳児食生活動態
代謝平衡異常シンドロームリスク状態
エネルギーフィールド平衡異常
血圧不安定リスク状態
移住トランジション複雑化リスク状態
急性離脱シンドローム
急性離脱シンドロームリスク状態
新生児離脱シンドローム
手術部位感染リスク状態
口腔乾燥リスク状態
静脈血栓塞栓リスク状態
女性器切除リスク状態
労働災害リスク状態
非効果的体温調節機能リスク状態
書評
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正確な看護診断に欠かせない最新情報がわかる
書評者: 饒平名 かおり (琉球大病院看護師長)
2018年に改訂された『NANDA-I看護診断 定義と分類2018-2020 原書第11版』では,何がどのように変わったのか,また,変更点についてどのように理解し活用すればよいのかについて気になっている人は多いのではないか。
本書は,『NANDA-I看護診断 定義と分類 2018-2020 原書第11版』の変更点や新しい診断について典型的な事例を用いた活用方法が具体的に説明されており,わかりやすくまとめられている。
第1章「何がどう変わったか」では,ヘルスプロモーション型看護診断やリスク型看護診断の定義について,変更点やヘルスプロモーション型看護診断における代理人としての看護師の役割などが具体的に解説されている。また,新しく追加された17診断や診断名が変更になった9診断,削除された8診断について説明されている。変更点については,『NANDA-I看護診断 定義と分類 2018-2020 原書第11版』の「3.変更と改訂」にも掲載されているが,本章ではさらにかみ砕いて説明されていることから,より理解が深まる。
第2章「課題と今後の取り組み」では,看護診断の課題についてNANDA-Iが取り組んできたプロセスと,今後の取り組むべき内容について,具体的に説明している。特に,現場の混乱を回避するために,標準的な用語の正確な理解をした上で活用することの重要性が説明されており,その注意点がわかりやすくまとめられている。
第3章「臨床推論モデル」では,看護アセスメントを通して看護診断するための,臨床推論モデルの3つのタイプ(問題焦点型看護診断・リスク型看護診断・ヘルスプロモーション型看護診断)について紹介している。また,事例を用いて,3つのタイプごとに,臨床推論の要素(診断推論,目標・アウトカム推論,看護介入推論,評価推論)に分けながら解説しているため,現場の事例を想起しながら理解を深めていくことができる。
第4章「クイックマスター! 新看護診断17」では,新たに採択された看護診断それぞれの意味と活用について,典型的な場面や事例を用いて臨床推論に基づき,アウトカムや一般的な看護介入が説明されており,イメージしやすい。
『NANDA-I看護診断 定義と分類』は,エビデンスに基づいて検討され,3年に1度改訂が行われている。改訂年度には,当院においても新しく追加された看護診断や改訂された看護診断について理解を深め,活用するための検討を行っている。その中でも,著者が本書で何度も繰り返している「正確に看護診断することがスムーズな看護展開につながる(個別性をとらえた看護展開ができる)」は肝に銘じたい。看護診断を活用する現場の看護師が,看護師個人にとどまらず,組織全体での理解を深めるためにも『NANDA-I看護診断 定義と分類 2018-2020 原書第11版』に併せて本書を用いて学習する機会を増やしていただきたい。看護診断の理解と知識が深まり,看護の質向上につながる一冊である。
NANDA-I看護診断の変更点や新たな診断のポイントがよくわかる
書評者: 冨澤 登志子 (弘前大大学院准教授・看護学)
3年ごとのNANDA-Iの看護診断の改訂がいよいよやってきました。改訂のたびに,「何がどう変わったの?」と不安になっていらっしゃいませんか?
本書は,NANDAインターナショナル理事長の上鶴重美氏および専務理事のヘザー・ハードマン氏によって『NANDA-I看護診断 定義と分類2018-2020 原書第11版』における前回からの変更点,新たな診断のポイントがダイレクトにまとめられた解説書です。特に新たに加わった診断については具体的な事例と看護介入や看護アウトカムが丁寧に説明されていますので,これまで臨床や教育で看護診断していらっしゃった皆さまの疑問を解決してくれる一冊といえます。
まず第1章「何がどう変わったか」では,前回の定義と分類からの変更点が示されています。ヘルスプロモーション型看護診断の定義の変更,これまで看護介入によっても取り除いたり,修正できない関連因子や危険因子に関する新たな分類などが紹介されており,NANDA-I看護診断ユーザーへのわかりやすい解説が添えられております。前回の改訂からさらにエビデンスレベルが上がり,社会問題や各国の問題なども加味されて,バージョンアップされたことがわかります。
今回,第3章「臨床推論モデル」では,上鶴氏が開発した臨床推論モデルの解説も含まれており,実際に看護診断をしていく上でサポートしてくれる枠組みを学ぶこともできます。臨床推論モデルは看護診断にかかわる診断指標,関連因子,アウトカムなどの関連性を図式化し,診断とケアの関連性や方向性を明確にすることができます。このモデルは,正確な看護診断だけでなく,妥当な看護目標やアウトカムの設定,看護介入をシステマティックに導く秀逸なモデルです。看護学生や新人の看護職の方からアウトカム設定が難しいという話をよく聞きますが,論理的思考の過程を図式化していくので初学者にもぜひお勧めしたいです。
また,第4章「クイックマスター! 新看護診断17」では,新たに採用された看護診断について,定義およびモデルケース,そしてそのモデルケースを臨床推論モデルで説明し,看護診断,目標,主なアウトカム,看護介入について,その関連性を明確に示しています。新しい診断ではありますが,具体的な概念がしっかりとイメージできるように説明されています。看護基礎教育の中では,これまで医学診断や疾患別の看護ケアに多くの時間が割かれており,看護診断にある「概念」を学ぶ機会がありませんでした。看護の独自性でもある看護診断の核となるのは診断概念です。本書によって診断の背景への理解が深まり,具体的なイメージを持つことが可能となるでしょう。
看護職の臨床判断とケアの根拠として1970年代から導き出されてきた看護診断は今回の改訂で244となりました。目まぐるしく変わる社会の情勢に看護のニーズや在り方も少しずつ変化しています。質の高い看護ケアを行っていくためには,専門職である看護師が独自性を持って臨床判断し,適切な看護ケアを実践していくことが不可欠です。コンパクトに要点が押さえられた本書は,質の高い看護をめざし臨床で努力されている看護職の皆さま,看護学生が理解できるように教授する看護教員の皆さまにとって,すぐに活用できる一冊になっています。
書評者: 饒平名 かおり (琉球大病院看護師長)
2018年に改訂された『NANDA-I看護診断 定義と分類2018-2020 原書第11版』では,何がどのように変わったのか,また,変更点についてどのように理解し活用すればよいのかについて気になっている人は多いのではないか。
本書は,『NANDA-I看護診断 定義と分類 2018-2020 原書第11版』の変更点や新しい診断について典型的な事例を用いた活用方法が具体的に説明されており,わかりやすくまとめられている。
第1章「何がどう変わったか」では,ヘルスプロモーション型看護診断やリスク型看護診断の定義について,変更点やヘルスプロモーション型看護診断における代理人としての看護師の役割などが具体的に解説されている。また,新しく追加された17診断や診断名が変更になった9診断,削除された8診断について説明されている。変更点については,『NANDA-I看護診断 定義と分類 2018-2020 原書第11版』の「3.変更と改訂」にも掲載されているが,本章ではさらにかみ砕いて説明されていることから,より理解が深まる。
第2章「課題と今後の取り組み」では,看護診断の課題についてNANDA-Iが取り組んできたプロセスと,今後の取り組むべき内容について,具体的に説明している。特に,現場の混乱を回避するために,標準的な用語の正確な理解をした上で活用することの重要性が説明されており,その注意点がわかりやすくまとめられている。
第3章「臨床推論モデル」では,看護アセスメントを通して看護診断するための,臨床推論モデルの3つのタイプ(問題焦点型看護診断・リスク型看護診断・ヘルスプロモーション型看護診断)について紹介している。また,事例を用いて,3つのタイプごとに,臨床推論の要素(診断推論,目標・アウトカム推論,看護介入推論,評価推論)に分けながら解説しているため,現場の事例を想起しながら理解を深めていくことができる。
第4章「クイックマスター! 新看護診断17」では,新たに採択された看護診断それぞれの意味と活用について,典型的な場面や事例を用いて臨床推論に基づき,アウトカムや一般的な看護介入が説明されており,イメージしやすい。
『NANDA-I看護診断 定義と分類』は,エビデンスに基づいて検討され,3年に1度改訂が行われている。改訂年度には,当院においても新しく追加された看護診断や改訂された看護診断について理解を深め,活用するための検討を行っている。その中でも,著者が本書で何度も繰り返している「正確に看護診断することがスムーズな看護展開につながる(個別性をとらえた看護展開ができる)」は肝に銘じたい。看護診断を活用する現場の看護師が,看護師個人にとどまらず,組織全体での理解を深めるためにも『NANDA-I看護診断 定義と分類 2018-2020 原書第11版』に併せて本書を用いて学習する機会を増やしていただきたい。看護診断の理解と知識が深まり,看護の質向上につながる一冊である。
NANDA-I看護診断の変更点や新たな診断のポイントがよくわかる
書評者: 冨澤 登志子 (弘前大大学院准教授・看護学)
3年ごとのNANDA-Iの看護診断の改訂がいよいよやってきました。改訂のたびに,「何がどう変わったの?」と不安になっていらっしゃいませんか?
本書は,NANDAインターナショナル理事長の上鶴重美氏および専務理事のヘザー・ハードマン氏によって『NANDA-I看護診断 定義と分類2018-2020 原書第11版』における前回からの変更点,新たな診断のポイントがダイレクトにまとめられた解説書です。特に新たに加わった診断については具体的な事例と看護介入や看護アウトカムが丁寧に説明されていますので,これまで臨床や教育で看護診断していらっしゃった皆さまの疑問を解決してくれる一冊といえます。
まず第1章「何がどう変わったか」では,前回の定義と分類からの変更点が示されています。ヘルスプロモーション型看護診断の定義の変更,これまで看護介入によっても取り除いたり,修正できない関連因子や危険因子に関する新たな分類などが紹介されており,NANDA-I看護診断ユーザーへのわかりやすい解説が添えられております。前回の改訂からさらにエビデンスレベルが上がり,社会問題や各国の問題なども加味されて,バージョンアップされたことがわかります。
今回,第3章「臨床推論モデル」では,上鶴氏が開発した臨床推論モデルの解説も含まれており,実際に看護診断をしていく上でサポートしてくれる枠組みを学ぶこともできます。臨床推論モデルは看護診断にかかわる診断指標,関連因子,アウトカムなどの関連性を図式化し,診断とケアの関連性や方向性を明確にすることができます。このモデルは,正確な看護診断だけでなく,妥当な看護目標やアウトカムの設定,看護介入をシステマティックに導く秀逸なモデルです。看護学生や新人の看護職の方からアウトカム設定が難しいという話をよく聞きますが,論理的思考の過程を図式化していくので初学者にもぜひお勧めしたいです。
また,第4章「クイックマスター! 新看護診断17」では,新たに採用された看護診断について,定義およびモデルケース,そしてそのモデルケースを臨床推論モデルで説明し,看護診断,目標,主なアウトカム,看護介入について,その関連性を明確に示しています。新しい診断ではありますが,具体的な概念がしっかりとイメージできるように説明されています。看護基礎教育の中では,これまで医学診断や疾患別の看護ケアに多くの時間が割かれており,看護診断にある「概念」を学ぶ機会がありませんでした。看護の独自性でもある看護診断の核となるのは診断概念です。本書によって診断の背景への理解が深まり,具体的なイメージを持つことが可能となるでしょう。
看護職の臨床判断とケアの根拠として1970年代から導き出されてきた看護診断は今回の改訂で244となりました。目まぐるしく変わる社会の情勢に看護のニーズや在り方も少しずつ変化しています。質の高い看護ケアを行っていくためには,専門職である看護師が独自性を持って臨床判断し,適切な看護ケアを実践していくことが不可欠です。コンパクトに要点が押さえられた本書は,質の高い看護をめざし臨床で努力されている看護職の皆さま,看護学生が理解できるように教授する看護教員の皆さまにとって,すぐに活用できる一冊になっています。
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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。
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