精神看護 Vol.28 No.4
2025年 07月号

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 予想外の新しい視点や関係が創造されたり、自分の信念に変化が起こるなど、さまざまな効能が注目されている「対話」。その多様なアプローチについて、学び、体験しながら、日常における「対話」の可能性を再考するセミナー「対話の効能〈わたし〉と〈あなた〉のあわいvol.2」が、2024年11月から2025年1月にかけて、3回にわたり開催された。
 本稿では、そのうちの1回目である信田さよ子氏と本多清見氏を迎えて開催された「自助グループとグループカウンセリング」の内容を中心に紹介していく。(編集部)

 信田氏が「子どもに問題が起きた母親」たちのグループを開始したのは30年前。以来、毎週木曜日、8~10人の参加者で、日中の2時間、参加費3300円という有料の形で開催している。
 グループの名はKG。「これはなんぞや?」と思うと、意外にも日本語の「依存ループ」の頭文字をとって付けたものなのだそうだ。
 グループに入るには原宿カウンセリングセンターのクライアントとなり、個別カウンセリング担当カウンセラー・グループ担当カウンセラー・クライアントの三者の合意が必要である。
 信田氏いわく、子どもに問題が起きて原宿カウンセリングセンターを訪れる母親の8割は、夫からDVを受けた経験があり、悲惨な夫婦関係を背景にもつという。そのため、このグループの隠れテーマは「夫婦関係」なのだという。
 本稿では、信田氏がKGグループで参加者たちに伝えている「I(アイ)メッセージで話す」ことの重要性を中心に、講演を抜粋する形でお伝えしていく。

ISSN 1343-2761
定価 1,650円 (本体1,500円+税)

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特集 家族はセリフでつながっている役割演技である

「I(アイ)メッセージで話す」ことが壊れた家族関係を変える
信田さよ子

講演を終えての対話
信田さよ子×山内 泰

I(アイ)メッセージで返すことで生じる違いを体験する
(編集部)

KG的にI(アイ)メッセージにはどういう意味があるか
信田さよ子


■特別記事
「濃密なケア」は何が難しいのか──生活を共にする親と子の看護から
久保田あや、武井麻子

精神疾患のクローズとオープンのあいだで
野沢みいこ

知っておきたい精神科看護師の道徳的傷つき
松枝美智子

■寄稿
「相性」の一歩先のこと
齋藤美衣


●新連載
突撃! あなたの街の対話ロジカルスペース…1
「対話にまつわる国際学会inボスニア・ヘルツェゴビナ」参加報告会
星野概念

書評家・スケザネがたどる、中井久夫はこんなときどう言ったか…1
なぜ中井久夫は、自らの論の体系化を拒んだのか?
渡辺祐真

ベルリン演劇留学記──演劇とケアの濃密な時間…1
観客席で混ざり合う
野村眞人


●巻頭イラスト
こいけぐらんじ

●たくさんの人の声、集めました!…27
Xでアンケートをとりました! 描いてみよう☆精神科医療の未来
マツコ、TOKIYAPI、田端恭平、バーサーカー、Eri Yoshihara、はやしりょうた、アディー

●偶然、でくわす精神療法──「いつものケア」からこぼれる小さなセラピー…4
コレクティフってそういうことやったんか! 精神療法にでくわしやすい「治療的クラブ」とその雰囲気
橋本和樹

●当事者研究のスキルバンク…48
本日の研究者:山根さん
本日のスキル:最も頼りない人に相談して情けない宝を発見する法
べてるの家

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