看護出版部

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看護出版部

2016年 新卒者採用
生命理工学専攻修了

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系統看護学講座シリーズ

看護学生向けの教科書である『系統看護学講座』シリーズを担当する課に所属し、『解剖生理学』『基礎看護技術II』などの編集・制作を担当しています。

教科書の掲載内容は、厚生労働省や文部科学省が公表している看護師等養成カリキュラムや看護師国家試験の出題基準などを網羅する必要があります。それらを考慮して、学生に学んでほしいこと、最近のトピックとして掲載したいこと、読者からの意見への対応など、編集会議など著者との打ち合わせを重ねて企画を詰めていきます。

企画を立てたら、社内の会議に提出します。他の書籍を担当する編集者から鋭い指摘を受けることもしばしば。社内での議論を経て企画を練り上げたのち、執筆を依頼します。

執筆期間は約半年です。著者の多くは大学の先生や病院に勤務されている医師・看護師で、業務の合間を縫っての執筆となります。スケジュール調整なども編集者の仕事です。

原稿を受領してからは、原稿整理や校正刷りの作成を進めます。教科書は専門家によって書かれ、初学者が読むものです。正確性を担保しつつ、読者目線で理解しやすくなるよう考えることが編集者の重要な仕事であり、最もやりがいを感じるところです。著者に原稿の構成や文章表現の調整を提案することもあり、「わかりやすいね、ありがとう」とおっしゃっていただけたときは、ほっとします。

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教科書の解説動画にもモデルとして出演。「車椅子による移送」の患者さん役です。

また、誌面掲載用の写真や動画の撮影を行うこともあります。『基礎看護技術II』では、看護師の手技を撮影しました。自分が患者役となり、包帯を巻いていただいたこともあります。実際に見せていただいた手技を、わかりやすく読者に伝えるためには、なにをどのような角度から撮影すればよいか、著者と打ち合わせながら撮影していきます。

教科書は冬ごろに発行し、翌年度から全国の看護師養成校で使用されます。読者にとってよい教科書ができたか、営業担当者を通じて読者の声を聞き、次回の改訂の糧とします。また、著者にもお礼をお伝えします。初めて教科書の執筆をされた著者に「手厚いサポートのおかげで書き上げることができました」とおっしゃっていただけたときは、とてもうれしかったです。

ある1日のスケジュール

7:00

起床

フレックスタイム制度を使い、家事、お弁当作りを済ませて出勤。

9:20

出社

メールや郵便物を確認。著者から届いた校正刷りには目を通して、お礼や確認の連絡をします。

読者からの質問対応

読者から質問が届くことがあります。資料を調べ、著者に確認をとり回答します。

12:00

昼食

9階の社員ラウンジでピアノサークルのメンバーと昼食。

13:00

社内会議

進捗状況の確認や著者の情報の共有。企画の検討では、執筆者の選定や目次立てなどを議論します。

15:00

原稿整理

どうしたら看護学生に伝わるのか、一文一文向き合います。先輩に相談することも。

18:00

退社

週に1回、茶道のお稽古へ。茶室で頭をリフレッシュ。

24:00

就寝

「看護を学ぶ学生にとって真に役立つ教科書」を追求した教科書づくりに携わっていきたいと考えています。学生に好まれるものを作るというのも1つの考え方ですが、教育現場で広く長く使われる教科書として、看護師になったあと、臨床の場でも役立つものを作っていきたいです。

またご執筆いただく著者の先生方にとっても、内容・制作過程ともにご満足いただける書籍作りをしていきたいと思っています。教科書は、執筆に10年以上携わってくださる著者も多くいらっしゃいます。長きにわたって看護の未来を支える教科書という出版物を、執筆してよかったと感じていただけるような仕事をしていきたいと考えています。

好きなことを好きなだけ勉強できるのは今だけと、生物学を専攻しながらさまざまな授業をとり、面白そうだったので理科の教員免許を取得しました。研究室に配属されてからは、大好きな生き物に囲まれて実験に励み、もう少し研究してみようと大学院に進学しました。

もともと読書が趣味で、生物学や実験の教科書、論文などを読むうちに、教員免許の取得の過程で学んだ教育学の知識、教えることの面白さ、それを出版という仕事に活かせないかと考えて、教科書系や自然科学系の出版社への就職をめざすことにしました。

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1968年創刊の歴史ある『系統看護学講座』シリーズは、70巻を数えます。

『系統看護学講座』シリーズは、これを読まずに看護師になった人はいないくらい、長い歴史と、多くの看護学生に使用されてきた実績のある教科書です。教科書に限らず、1959年創刊の治療年鑑『今日の治療指針』や情報誌『医学界新聞』、雑誌『胃と腸』など、医療関係者であれば必ずどこかで医学書院と出会っているはず。より多くの人にアプローチできる仕事がしたいと考えたとき、医学書院が第一志望になりました。

出版社の仕事は、書籍や雑誌を発行することにとどまらず、必要な人のもとへ情報を届ける仕事だと思います。弊社でも、電子版の書籍を発行する、書籍から派生してセミナーを企画する、オンラインプラットフォームを作成するといった、いろいろな取り組みを行っています。書籍や雑誌を作りたいという人はもちろん、「自分の得意なこと」×「医学書院」で情報を伝える新しい仕事を生み出したいという人も、ぜひ弊社に来てください。一緒にお仕事ができるのを楽しみにしています。