医学界新聞

 

2003年度保助看国家試験合格者発表

いずれも90%を超える高い合格率
新設の必修問題は正答率8割必要に


 厚生労働省は3月26日,全国11会場で本年2月に実施した2003年度の第90回保健師国家試験,第87回助産師国家試験および第93回看護師国家試験の合格者を発表した。今回は保健師92.3%,助産師96.2%,看護師91.2%と,いずれも高い合格率となった。保健師・助産師・看護師の合格率がそろって9割を超えたのは,実に4年ぶりのこと。
 合格基準も同日発表された。初めて必修問題が導入された看護師国家試験では,(1)必修問題で30点のうち24点以上,(2)その他一般問題と状況設定問題で270点のうち162点以上,これら(1)(2)のすべてを満たすものが合格とされた。

●2003年度保助看国家試験の合格基準
【第93回看護師国家試験】
必修問題および一般問題を1問1点,状況設定問題を1問2点とし,次の(1)(2)のすべてを満たす者を合格とする。
◆(1)必修問題24点以上/30点
(2)一般問題
  状況設定問題
162点以上/270点
【第90回保健師国家試験】
一般問題を1問1点(75点満点),状況設定問題を1問2点(60点満点)とし,次の合格基準を満たす者を合格とする。
◆総得点81点以上/135点
【第87回助産師国家試験】
一般問題を1問1点(75点満点),状況設定問題を1問2点(58点満点)とし,次の合格基準を満たす者を合格とする。
◆総得点80点以上/133点


必修8割は医師国試と同じ

 今回は,保助看の国家試験出題基準の改定(2003年版)が適用された初めての試験となった。特に看護国試においては必修問題の導入(30問)という大きな変更点もあり,問題の難易度や合格基準が注目されていた。
 合格発表日に示された合格基準では,大方の予想どおり必修問題の正答率は8割(30点満点で24点以上)が必要となり,以前から必修問題が導入されている医師国試と同じ正答率が求められることになった(医師国試の場合,計500問のうち必修問題は100問,禁忌肢あり)。
 いわゆる「不適切問題」については,助産師国試で1題を認め,採点対象外とする措置をとった。また,今回から保助看とも試験問題の持ち帰りが認められなくなったことで,成績が受験者に通知されるようになった。合格基準と受験者の得点,判定結果が葉書で通知されたようだ。

若干の戸惑いも,大きな混乱なし

 発表会場の1つである東京・厚労省講堂には,一刻も早く結果を知ろうと受験者・各学校関係者らが朝早くからつめかけた。発表の14時になると,前列から一斉に自分の名前と番号を探しはじめ,合格者どうしで喜びを分かちあう姿が見られた。
 会場で取材した受験者からは看護必修問題が予想以上に難しかったという声は聞かれず,「午後の一般問題と状況設定問題が難しかった」「マイナーな疾患が出た印象」「図表が多いのと,専門基礎の問題が午後になっていたので驚いた」など,必修以外の部分で想定外のことが多かったようだ。
 また,今回から試験問題の持ち帰りが禁止されたが,専門学校の中には,生徒が分担で問題を復元し,分析を試みたところもあったという。

発表日の東京はうららかな春の陽気に恵まれた。会場の外では携帯電話を片手に合格を伝える姿が=東京・厚生労働省にて

一定レベルの質確保が課題に

 看護国試をめぐっては,一昨年,試験問題が不適切だとする苦情が日本看護協会や厚労省に殺到。新聞などメディアでも報道され,社会的な関心を呼んだ。合格発表日には,国家試験では異例の9題が採点除外等の扱いになるとともに,初めて合格基準を発表。同日付で,必修問題の導入や問題プール制への移行などの改善策が医道審議会から示された経緯がある。
 国試改革は順調なスタートを切ったと言えるが,今後は,必修問題の増題や禁忌肢の導入,すでに問題公募がはじまっているプール制による問題の質や難易度の維持などが課題となる。

●保助看国家試験合格者数・合格率の推移
 回数 合格者数(人)合格率(%)
看
護
師
89
90
91
92
93
46,817
40,624
44,820
49,714
44,874
96.4
84.1
84.3
92.6
91.2
保
健
師
86
87
88
89
90
4,900
5,465
5,800
7,454
8,048
90.7
93.0
83.5
91.5
92.3
助
産
師
83
84
85
86
87
1,695
1,545
1,513
1,531
1,694
96.3
93.4
88.3
89.2
96.2