准看護婦の雇用状況はますます厳しく
日本看護協会「病院における看護職員需給状況調査」結果速報より
日本看護協会では,1995年から会員が勤務する病院を対象に,「病院における看護職員需給状況調査」と題して,看護職員の採用状況および次年度の採用予定を把握しているが,同協会は昨年末に第4回にあたる1998年10月に実施した全国7000病院の調査結果(速報)をとりまとめ報告した。以下にその概要を記す。なお,有効回答数は3821病院(回収率57.5%),記入者は看護部長。
98年採用状況および99年採用予定
【98年採用状況】同調査結果によると,回答病院の92.7%で看護職員の新規採用があり,新卒者の採用は72.8%であった。また,96,97年に引き続き,採用数は看護補助者が准看護婦を上回っている(表1)。
98年に採用方針は「看護婦のみ」が36.1%であり,「看護婦優先」は41.1%。55.5%の病院が「基本方針通りに採用できた」としており,「看護婦をまったく採用できず」「看護婦・准看護婦とも採用できず」は計4.6%のみで昨年より減少,採用状況の改善がうかがえる。
【99年採用予定】
看護婦については,「今年度以上採用」25.4%,「今年度なみ」21.0%と看護婦の採用意欲は依然高いものの,「今年度以上」が7.2ポイント減少,「欠員状況による」で5.0ポイント増加と,今後需要数の拡大はペースダウンが見込まれる。一方准看護婦については,「採用予定なし」が43.7%。「医療法人・個人病院」でも「採用予定なし」が3.7ポイント上昇し,初の20%台となった。また,「今年度なみ」で3.9ポイント,「今年度以上採用」が1.0ポイントそれぞれ減少し,准看護婦の雇用状況はますます厳しくなり,就業先がより限られていくことが推測される(表2)。
定着状況と予定初任給
【定着状況】定着率については,「医療法人・個人病院」ながら,「従来からよい」28.1%,「よくなった」51.7%,「依然として困難」10.7%など,看護職員の定着は確実に改善されていることを示している。また,職員確保についても「依然困難」が「新卒看護婦採用」で40.9%あるものの,「看護婦の応募数が,最近増加」は34.8%,「新卒看護婦採用容易に」が30.4%となっている。
【予定初任給】
99年春採用(看護婦・3年課程新卒)の予定初任給は,平均で25万1,153円(国・自治体病院を除く,税込み総額*))で,98年より0.77%上昇している。
*)税込み総額は,住居手当,夜勤手当を含む(民間アパート居住,3交代で月8回の夜勤をした場合を想定)。
表1 1998度新規採用者数 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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※98年4-6月に新規採用(新卒含む)があったと回答した3540病院について集計 |
表2 1999年の採用方針 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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