HIV感染者(エイズ患者含む)情報
エイズ患者38名,感染者54名の報告
さる7月末に厚生省エイズサーベイランス委員会(山崎修道委員長)がHIV感染者情報を発表。今年5月1日から6月末日までの2か間に計92名の患者・感染者(患者38名,感染者54名)が報告された。
発表の内訳(カッコ内は患者数)は,(1)感染原因別では,異性間性的接触47名(19名),同性間性的接触26名(10名),静注薬物濫用1名,その他3名(2名),不明15名(7名)。(2)性別では,男性72名(32名),女性20名(6名)。(3)年齢区分別では,20歳未満1名,20歳代28名(10名),30歳代34名(12名),40歳代14名(7名),50歳以上15名(9名)。(4)国籍別では,日本人57名(26名),外国人35名(12名)。(5)感染地域別では,国内53名(23名),海外23名(13名),不明16名(2名)であった。
また,「HIV感染者発症予防・治療に関する研究班」から,平成8年5月末現在の凝固因子製剤による患者・感染者1868名(患者630名含む)の報告があった。
さらに,今回16名の死亡報告があり,「HIV感染者発症予防・治療に関する研究班」からの報告と合わせ累積死亡報告数は801名となった。
なお,今回の発表に際して山崎委員長から,「7月7日から12日まで,カナダのバンクバーで“ひとつの世界,ひとつの希望(One World, One Hope)”をテーマに第11回エイズ国際会議が開催された。今回の会議ではHIV感染症の治療では多剤併用療法が有効であることなど様々な研究成果が報告されただけでなく,“女性とエイズ”“開発とエイズ”“HIVとの共生”など,広い視点から有意義な意見交換がなされたと聞いている。しかし,わが国でもここ数回エイズサーベイランス委員会への報告者数が増加し,感染拡大が懸念される。今回のエイズ国際会議でも世界のHIV感染者は2200万人おり,毎日新たに8500人以上の人がHIVに感染しているとの報告がある。感染拡大の防止とともに,エイズとともに生きる社会の構築に向けて積極的な取り組みが必要」とのコメントがあった。
さる7月末に厚生省エイズサーベイランス委員会から発表されたHIV感染者情報は以下の通り。今年5月1日から6月末日までの2か間に計92名の患者・感染者(患者38名,感染者54名)が報告された。
|
|
(1)*1=平成8年5月末現在における「発症予防・治療に関する研究班」からの報告による数字。なお,「後天性免疫不全症候群の予防に関する法律」施行後(平成元年2月17日以降),凝固因子製剤が原因とされる者は,法による報告の対象から除外されている。
(2)( )内の数値は外国人(再掲)。
(3)表1,2とも平成8年6月末現在の届出数字。
(人) |
||||
アフリカ (54か国) |
499,037 | タンザニア ケニア ウガンダ マラウイ |
82,174 63,875 48,312 43,067 |
23,174 21,400 16,672 7,989 |
アメリカ (45か国) |
690,042 | アメリカ合衆国 ブラジル メキシコ |
513,486 79,908 28,544 |
248,710 146,155 81,141 |
アジア (42か国) |
29,707 | タイ インド 日本 |
22,135 2,095 1,186 |
54,532 844,324 123,611 |
ヨーロッパ (38か国) |
167,578 | フランス スペイン イタリア |
41,058 38,393 33,304 |
56,634 37,746 56,557 |
オセアニア (14か国) |
7,285 | オーストラリア | 6,442 | 15,602 |
合計(193か国) | 1,393,649 |
【注】
(1):( )内は,患者報告のあった国数。 (2):この報告による日本の患者数は1996年2月末現在。 |