医学界新聞

 

座談会

多様化する医学教育
北米のメディカルスクールを視察して

田中真理子氏
前・文部科学省高等教育局医学教育課専門官/
東京大学保健センター駒場支所内科
日野原重明氏
聖路加国際病院理事長
福井次矢氏=司会
聖路加国際病院院長
後藤英司氏
横浜市立大学教授/臨床研修センター長


 昨年春に必修化された卒後臨床研修制度は,インターン制度の廃止以来,実に36年ぶりの大きな改革であった。新研修制度1期生が2年間の初期研修を終えようとしている現在,後期研修あるいは専門医制度についての議論がにぎやかである。

 卒後臨床研修の必修化は,行き過ぎた専門分化への反省から,プライマリケア能力の向上を図ったものであるが,現在の研修内容は,米国であればメディカルスクール在学中に修了している水準に過ぎないとの指摘もある。

 そんな折,北米の医学教育を視察するツアーが日野原重明氏を中心に企画された。本紙では,ツアー参加者にご出席いただき,北米の医学教育の最新事情と日本の医学教育の展望についてうかがった。


福井 今年の7月9日から15日にかけて,カナダとアメリカの3つの大学を訪問して,北米の最新の医学教育の実情を視察してまいりました。本日は,その視察の背景と実情のご報告をして,全国の医学教育にかかわる方々に参考にしていただければと思います。

 では最初に,そもそもカナダとアメリカの3つの大学のメディカルスクールを視察することになった背景について,今回のツアーリーダーでありました日野原先生から,ご説明いただければと思います。

日野原 私は,文科省の私学委員という立場も含めて,日本の医学・看護学の教育現場を長年にわたって見てきました。

 1968年にインターン制度が廃止され,その後2年間の卒後臨床研修が必修化されるのに36年かかったように,日本では一度決まった法律を変えることはものすごく難しい。教育の革新は大変な困難を伴うということを,身に染みて感じています。

 私は,四半世紀前に,佐賀医大と旭川医大を新設する際に,時の文部省から,それまでとは違った特色ある医学校をつくるよう要請され,今回と同じように,カナダのマクマスター大,アメリカのハーバード大,コーネル大,デューク大,カリフォルニア大を視察しました。そして,佐賀医大では,よい臨床医を養成するためのカリキュラムをつくろうということで,ベッドサイドティーチングを重視した教育をスタートして,かなりいいところまでいきました。しかしながら,全国に三十数校できた新設医大のカリキュラムは,時間の経過とともに,どこも従来の医学部のそれに似てきてしまいました。

 終戦直後にマッカーサーの指令によって,日本の医学教育は,高校を出たあと6年のコースにするという,アメリカにとっても実験的な機会を与えられたわけですが,過去60年の成果をみますと,日本の学生の学習する意欲はアメリカ・カナダとはまるで違ってしまいました。出席を取らない授業には出ないというようなモチベーションの低い学生たちには,自分で勉強する意欲もないわけです。未熟な高校生が,試験勉強ばかりして偏差値をよくして押し寄せている現在の医学部の制度には,私は限界があると思っています。

 私にとって,残された最も大切な仕事の1つとして,学制を変えるための提案をしたいと思っています。そこで,教育のカリキュラムの革新を,勇気を持ってやろうという医学部がいくつかあればと思い,今回のツアーの2か月前に1週間のスケジュールを空けて,福井先生の助けを借りて,全国の医学部長,学長,教育主任といった人たちに声をかけました。1週間以内に参加するかどうかを決めてもらうという無理なことを言ったのですが,6つの施設の方たちが参加の意思表示をしてくれました。

 さらに私は,文科省の医学教育課長にお願いして,こういうことをやりたいと言ったところ,課長は賛成してくださって,今日もご出席の文科省の田中専門官を送ってくださったのです。

 モチベーションを失った学生が集まるところではない医学部をつくるためには,教養課程をすべて終えて,医師になるというミッション,あるいは研究への意欲を持っている人に入学を制限している現場を見ようということで,25年前にまわったのと同じようにしたかったのですが,日程の関係で3つの大学しかまわれませんでした。しかしながら,3校はそれぞれ非常に特徴のある教育制度を持っており,北米での医師づくりに貢献してきた大学です。以上が,今回のプランニングの背景です。

■エビデンスに基づき教育改革を続けるマクマスター大

福井 では,このツアーで最初に行きましたマクマスター大の医学教育の特徴を,後藤先生からご紹介いただけますか。

後藤 マクマスター大に,私は初めて行きましたが,第一の特色は,PBL(Problem-Based Learning),チュートリアルが徹底されていることでした。さらに最近は,コンセプトオリエンテッドのPBLという新しい方向と,Eラーニングを取り入れているということで,どんどん新しいことに挑戦していく姿勢が,非常に素晴らしいと思いました。

 また,入学試験にしても,入学時にマルチプル・ミニインタビューを行って,その成績が臨床的なパフォーマンスと相関するというエビデンスがあるということで,その他にも教育に関するエビデンスをたくさん持っていて,それをベースにさまざまな改革を行っているということでした。もちろん,看護との連携というのも,この大学の特色の1つです。それから,医学教育を3年間に圧縮しているということも特徴といえます。

福井 田中先生,コンセプトオリエンテッドのCOMPASSカリキュラムについて,印象に残っていることなど教えてください。

田中 COMPASSカリキュラムというのは,これまでの臓器別,あるいは学問別の講義カリキュラムではなくて,病態生理の概念を中心とした,講義・実習を全体の流れとして取り入れたものです。ITメディアを多用して実習を補ったり,時間短縮を図ったり,各学生の学習進度を把握しながら,3年間で有機的に基礎から臨床技能のすべてを学ばせようとするカリキュラムです。

 その柱は,教育担当の副学部長が自らつくられた,病態生理を中心に基礎から臨床までを網羅したConcept mapです。これまでもPBLというかたちで,少人数での問題解決型の学習をしてきたのですが,そこでは,病態生理の基本的な知識を系統的に身につけることが足りず,各ケースでの場当たり的な知識の吸収が中心になってしまったという反省をもとに,応用の利く基礎的な知識の吸収をめざしたということでした。

福井 さらに特徴のあるカリキュラムになりつつあるわけですが,日野原先生,マクマスター大は,1970年代からPBLやSP(standardized patient)など,非常に新しいことを世界に向かって発信してきていますが,30年近く前と比べて,今回どう思われましたか。

日野原 マクマスター大は,バプテスト教派のミッションスクールとしてスタートして,看護学部ができて,それから医学部ができたという歴史を持っています。ですから,地域の人の医療のためのミッションを非常に大切にするということで,進歩的なものが根幹にあったんですね。それがいま,よいフィジシャンをつくるためにどうしようかということをさらに強調しているわけです。

 私が最初に行った30年ほど前は,いちばん大切なこととして問題解決技法をあげ,患者のシミュレーションモデルをつくって,患者以外のモデルでも勉強しようということをスタートしていました。その頃の日本では,診断をつけるということはあっても,問題解決法を取り入れる考え方はありませんでした。

 患者の問題は何であるかを知り,その問題を解決するにはどうしたらよいかと,プロブレムリストを作りながら考えるという,後にウィードがやったようなことを,現実の臨床のなかでやろうというわけです。私は,それに非常に感心しました。それが,だんだんに病態生理的な基礎を踏まえて,融通の利くものとして拡張して,システムができあがってきたように思います。

福井 マクマスター大は,自分たちが教育として行っていることを研究テーマとして,その評価をしながら新しいことを進めていくという姿勢を持っていますね。日本では,なかなかそれだけの余裕がないわけで,うらやましい限りです。

 例えばPBLのチュートリアルでも,チューターは各テーマのスペシャリストのほうが,教え方がよいというんですね。テーマについてはまったく素人で,単にディスカッションの仕方をガイドすればよいという考え方が一般的なのですが,マクマスター大のグループは,スペシャリストがディスカッションをガイドしたほうが,学習のアウトカムはよいということを,既に研究論文として出しています。そういう研究に基づいて,着実にカリキュラムを変えてきているのは,いつもながら素晴らしいと思いました。

■スカラーシップとジョイント・プログラムが充実したデューク大

福井 マクマスター大の視察を終えて,アメリカへ移動しました。まず訪れたのがデューク大でしたが,日野原先生のご家族は三代にわたって親交があり,学部長はじめ歓待してくださいました。

日野原 デューク大は,もともとはTrinity Collegeという宗教的な学校で,主に神学や文学を教えていました。Mr. Dukeというチェスターフィールド煙草会社社長が資金を出して,デューク大になって,サイエンスを教えるようになりました。オックスフォード大でオスラーの弟子にあたるデヴィソンが,オスラーの影響を受けて,オスラーの死後4,5年して,1935年にデューク大に医学部をつくったんです。あそこへ行くと,オスラーの医に対する姿勢,ベッドサイドティーチングをしながらも,研究を行うという姿勢がにじみ出ている感じがします。

 デューク大は長い間,カリキュラムを革新をすることがなかったのですが,今度は大変革を加えたということですね。

後藤 2004年に,いま,日野原先生がおっしゃった大改革をしたということで,われわれが行ったのはその直後なので,いろいろ素晴らしい話を聞くことができました。もともと,非常に優秀な学生が全米から集まってくる大学ということで,それがベースになっていますが,3年目にスカラーシップといって,1年間まるまる,基礎医学,臨床医学,社会医学の研究室に配属されます。研究室では論文作成が課されますが,その他にダブル・ディグリーのコースが,上手にできていて,法律やビジネスといった学問を修めた多様な,特色ある医師が育っていることに,ほんとうに驚きました。

 そのほかに,Capstone Courseといって,卒業後のことまで教えるシステムや,ヴァーチャルなスキルラボなどを持っていて,相当進んだ大学だと実感いたしました。

福井 田中先生,デューク大の印象はどうでしたか。

田中 デューク大のカリキュラム担当者が最初におっしゃったのは,よきフィジシャンであり,サイエンティストである医師を育てたいということでした。

 基礎医学を統合してmolecules and cells, normal body, body and diseaseといった3つの単位を1年間で教えているということは,基本的には臓器別に近い考え方だと思いますが,3年目のスカラーシップで大学院のように研究に専念させるというのは,他の2大学になかったものです。

 他の学位と並行したジョイント・プログラムを選択する学生は,全体の半数近くにのぼり,4年間でメディカルスクールだけを終えて卒業する学生は6割ほどで,残りの4割は,MD/PhDコースで7年程度,その他のMBA(経営学修士)やJD(法学博士),MPH(公衆衛生学修士)などを取る人は,1年多くて5年間学ぶのがデュークのスタイルだということでした。

福井 驚いたのは,基礎医学と臨床医学の基本的な部分を教えるのに,たった1年間で十分だということでした。2年目にクリニカルクラークシップに入り,どんどん知識を増やしていくので,卒業時には他大学の医学生とまったく変わらないくらいの医学知識を身につけているという説明でした。臨床の知識というのは,座学で一生懸命教えることよりも,クリニカルクラークシップで十分できるということだと思います。

■周辺の州を含め地域医療に貢献するワシントン大

福井 シアトルでは,ワシントン大(編集室注:正式名はUniversity of Washington。『ワシントンマニュアル』のWashington Universityはセントルイスにある別の大学)の視察を行いましたが,後藤先生,ここの特徴と印象はいかがでしたか。

後藤 ワシントン大では最初に“WWAAMI”という聞きなれない言葉が出てきました。WWAMIはWashington, Wyoming, Alaska, Montana, Idahoの略で,周辺の医科大学のない4つの州の学生が,1年生の時には遠隔ティーチングでそれぞれの州で基礎医学を修めて,2年生以降はシアトルに集まるというんですね。

 もう1つユニークだと思いましたのは,カレッジシステムというものです。チューターのような方が各グループについて,臨床の技能から職業倫理まで,4年間にわたって教えているということでした。そういうことによって,いろいろな州から集まった学生たちが,バラバラにならないで,一貫した教育ができているということは,たいへん興味深く,感心させられました。

福井 卒業後は各州に戻る学生を,公費で勉強させているということで,日本の自治医大が,この制度を参考にしていますね。

日野原 私は,自治医大の創設の時に,この大学との提携にかかわり,交換教授制度をつくり,両校は非常に緊密になりました。

 アメリカでは,かつてファミリー・メディスンにアカデミズムがなく,その克服のために,最も熱心に行動したのがワシントン大でした。医師会の優秀な若い開業医に,大学で3年間,リサーチ,ティーチングを教えて,教授に迎えました。ワシントン大はそれで評価を高めましたが,日本の自治医大と少し目標が似ているので,リエゾンをやったんです。

 しかし,ファミリー・メディスンとジェネラル・メディスンが両方あって,福井先生はどのように思われました?

福井 ワシントン大のジェネラル・メディスンのグループは,全米においても非常に有名で,臨床のみならず臨床疫学的な研究を行うAcademic General Internistのグループです。内科のスタッフ全部で300人のところに,一般内科には100人を超えるスタッフがいて,研究も非常によいものを行っています。ファミリー・メディスンは,一般内科のグループよりも,研究面が強くないので,その意味であまり名前は売れていませんが,コミュニティ・メディスンを完全に請け負っているという意味で,臨床面が素晴らしいと思います。

日野原 そのプロフェッサーたちは,のちにシニアになって地域で開業しています。アクティブですね。

福井 田中先生は,どのようにご覧になりましたか。

田中 ワシントン大の先生が最初におっしゃったのは,社会のニーズにあった医師を養成するということでした。ここの場合には,いま言われたように5州の医療に貢献する医師を養成することと,デュークと同じようにMD/PhDコースもあるので,サイエンティストとしての医師も並行して養成しています。

 最終的に地域医療に貢献する医師となる人も,論文のレビュー,基礎研究,疫学調査,地域医療の実習を通じての調査など,誰もが何か独自に研究テーマを見つけて,卒業前に1つまとめるということを課していました。それによって,いま,福井先生がおっしゃったように,アカデミックに探究する心を育てるということを大事にしているのだと思いました。

福井 デュークに比べると臨床の中での問題解決に焦点を当てた研究ですよね。デュークでは,ノーベル賞に近いタイプの研究に向かう人が多い印象でしたが,ワシントン大はプライマリケアに近い場面での研究に特徴がありましたね。

■わが国の医師養成課程にも多様性を

福井 私たちは,いまの6年制の医学教育と並行して4年制の教育をやらせてくれないかという希望を持っています。通常の4年制の大学を出たあと,4年間の医学教育で,医師国家試験を受ける資格を与えてもらえるコースで,いわゆるメディカルスクール構想です。何箇所かで,10年くらい実験的にやってみて,現在の6年制の教育と比較して,どちらがよい臨床医を養成するか見ていただければよいのではないかと思っているのです。

日野原 ハーバード大のニューパスウェイは,在来の方法とチュートリアルの自己学習の方法によるクラスとの2つに分けて,10年後によその大学の専門家に評価をしてもらって,ニューパスウェイがよいと決めましたね。

 いまは規制緩和の時代ですから,学制の年限も規制緩和して,アウトカムで勝負したらどうでしょうね。

福井 そうなるといいですね。

後藤 オーストラリアでは,もう導入していますね。

福井 ええ。オーストラリアでは,半分近くが6年制から4年制のメディカルスクールになっています。

福井 田中先生はどう思われますか。

田中 今回3つの大学を訪問して,いちばん印象的だったことは,それぞれの大学がユニークで,特色を出そうと非常に努力をされていることでした。何かのスタンダードに合わせていこうとするのではなく,それぞれの大学が,自分たちのめざすものや,社会に求められているものは何かということを十分に検討し,それに沿ったカリキュラムと人員の配置をしています。

 いまは日本の大学も,学科の構成であるとか,カリキュラムの組み方であるとか,何を何単位教えるかといったことは,各大学の裁量でかなり工夫されています。そういった中で,学士入学制度で学生を採っているところが全国でいま35校あります。東海大学のように,大学卒業生に限らず,短大やその他専修学校の卒業生も含めて,学士編入学を採用している大学もあります。枠はそれぞれ5人だったり,20人だったりとまちまちですが。実際にそういう方を6年間ではなく,もう少し短い期間編入させるという取り組みも,既に行われていますので,そういったことが参考になるかと思います。

日野原 今回,アメリカで感じたことは,「アメリカではこうだ」とは言えないということです。各大学が非常に個性的です。日本は,新設医大ができたのに,みんな国立に倣えで,小さなモデルをつくってしまって,特色がぜんぜんないでしょう? いろんなことを反省すると,もっと各大学がユニークなことができると思いますので,勇気を持ってやってほしいですね。

福井 もう1つ日米の違いを感じますのは,日本はドイツ医学の流れがあって,医学を学ぶのは大学が主で,病院はそれに付属したものなんですね。イギリスのように,病院が先にあって,それから医学教育を始めたというのとは,どうも価値観が微妙に違っているように思います。

 イギリスは米国のようなメディカルスクールではないんですが,教育は病院を主としています。私は,病院に付属する小さなメディカルスクールであるメイヨークリニックみたいなところが,日本にあってもいいのではないかと思っています。例えば,聖路加みたいなところで,医学部以外の大学の卒業生を4年間教育して,医師国家試験を受けられるようにしていただきたい。そのルートを認めてくれれば,やるところはいくらでもあると思います。

後藤 病院の目的は,やはり人を病いから救うことから始まりますからね。

日野原 ジョンズ・ホプキンズ大も病院から始まりました。オスラーをはじめ,病理学者など5人で一緒につくったのですから,まず病院ありきです。オスラーの講演録に「病院は大学である」という一節があります。

後藤 日本では,コアカリキュラムが導入されて,むしろクオリティ・コントロールといいますか,各大学を最低限のコアの部分ではデコボコのないようにしましょうというような動きがあります。また全体の3分の1はアドバンストコースで,そこでいろいろな特徴を出してくださいという方向です。少し進んでいるわけですが,あまり特徴がなく,どこの大学も同じようなことをやっているという印象がどうしてもありますね。

田中 それは制度の問題でしょうか。今回訪問した3つの大学では,かなり中からの力でそこを変えているように思いましたが……。

福井 日本では,医学教育とか,カリキュラムのことをいつも考えている人が,大学にはそんなにいないんですね。

後藤 米国では,教育改善を常に考えている組織がしっかりとしているという点で,日本にはあまりないことなので,うらやましいところです。

福井 今回,例えばマクマスターでもそうですが,皆が一枚岩で新しい方向に向かうのではないことがわかりました。医学教育に熱心な人が,いろいろなコンセプトを出して,それを内部で説得していくプロセスのことを話していましたが,やはり臨床だけやっている人や,研究だけしている人を,うまく説得する術を,医学教育の専門家が身につけることも必要ですね。

 今回は大変参考になったツアーでした。これを基盤に医学教育の改善に,それぞれの立場で貢献できればと思います。本日はどうもありがとうございました。


日野原重明氏
1937年京都帝大卒,42年同大学院修了。51年米国エモリー大に1年間留学。その後,聖路加国際病院内科医長,同院長,聖路加看護大学長などを経て現職。その間,厚生省医療関係者審議会臨床研修部会長,自治医大客員教授,国際内科学会会長,国際健診学会会長,日本総合健診医学会会長を歴任。現在,日本音楽療法学会理事長,全日本音楽療法連盟会長。2005年文化勲章受賞。

福井次矢氏
1976年京大卒。聖路加国際病院内科研修医,コロンビア大リサーチアソシエイト,ハーバード大Cambridge Hospital内科クリニカルフェローを経て,84年ハーバード大公衆衛生大学院修了。帰国後,国立病院医療センター,佐賀医大附属病院総合診療部助教授,同教授を経て,94年京大病院総合診療部教授。同大学院臨床疫学教授・社会健康医学系健康情報学教授(専攻長)などを歴任し,2004年より現職。京大名誉教授。

後藤英司氏
1975年横市大卒。同大助手を経て,84年よりカリフォルニア大サンフランシスコ校(UCSF)にAHAフェローとして研究に従事。帰国後の91年より横市大第2内科講師。2002年より現職。04年より臨床研修センター長。文科省「医学における教育プログラム研究・開発事業」の委員として,医学教育モデル・コア・カリキュラムの作成や共用試験の運営にも尽力。「実践的な医療安全カリキュラム」を開発。

田中真理子氏
1993年名大卒。東大病院研修医,帝京大市原病院集中治療センター助手,横浜労災病院循環器科専修医を経て,2001年東大大学院修了。東大病院循環器内科より05年文科省高等教育局参与(専門官)。同年10月より現職。