医学界新聞

 

卒業生が語るマッチング体験談

日医大・学生教育委員会主催座談会より


 さる3月24日,日本医科大学において「卒業生に聞く マッチング座談会」が開催された。この企画は同大学の学生が運営する学生教育委員会が主催,昨年のマッチングを経験した卒業生が後輩に向けて病院見学や面接試験について説明するというもの。会場には今年マッチングを控えた新6年生をはじめ,少しでも情報を得ようと多くの学生が集まっていた。

マッチングの流れを概説

 マッチングは医学生,病院ともに,マッチングへの参加登録,希望順位登録をすることからはじまる。その後,中間発表を経て,最終的な希望順位の追加修正をし,組み合わせの結果はオンラインで発表される(2005年度のマッチングスケジュールについてはこちらを参照のこと)。会場では,この過程が卒業生によって具体的に解説され,マッチングについての情報を得ることができる「医師臨床研修マッチング協議会」(http://www.jrmp.jp/),「医療研修推進財団」(http://www.pmet.or.jp/)が紹介された。

研修医は貴重な情報源

 自分が研修したい病院を決めるうえで,病院見学は情報収集の貴重な機会となる。卒業生からは,まず自分がどのような研修を受けたいのか,しっかりとしたイメージを持つことが強調され,そのうえで「興味を持ったらまずは実際に行ってみる」,「気に入った病院には何度でも足を運ぶ」など,積極的に動くことが勧められた。

 見学に際しては,やはり現在その病院で研修を受けている研修医に直接話を聞くことは重要。自分の将来像を知るうえでも,研修内容だけでなく,生活サイクルなど日常的なことも聞いてみることがポイントとされた。

 さらに,病院の事務職員や患者,地域住民からは,第三者の立場から病院の評価を聞くこともできる。卒業生からは「面接試験を受ける際に,その病院についてさまざまな角度からの情報を知っていることは強みになる」とのアドバイスもあった。

 また,採用試験や面接では,企業で用いられることの多いSPI試験(適性検査)を利用する病院もあることから,就職活動を経験した友人などに,ノウハウを聞くことも有意義だという。

 最後には,後輩に向けて「初期研修の2年間で身につけなくてはならない事項はどこの病院でも同じ。2年後のビジョンも含めて,自分に合った研修先を見つけられるようにがんばってほしい」と激励の言葉が贈られた。