医学界新聞

 

第1回日本うつ病学会開催


 7月2-3日の2日間にわたり,第1回日本うつ病学会が,野村総一郎会長(防衛医大:写真)のもと,東京都千代田区の東京商工会議所において開催された。

 日本うつ病学会は,うつ病の診療・教育・研究の各分野における研究者同士の連携を目的として設立。はじめての総会となる今回は「うつ病-治す力と支える力」をテーマとし,市民公開講座「家族がうつ病になったとき-どう接したらいいのか」など,治療者-患者関係のみにとどまらない,社会に対する積極的な情報発信をめざしている。

 また,2日に行われたシンポジウム(座長=国立精神・神経センター武蔵病院 樋口輝彦氏,野村総一郎氏)では,「うつ病は心の風邪のようなものである」という比喩について,「風邪に例えることで“誰でもかかるもの”という認識が広まり,受診しやすくなった」と評価する一方で,「風邪のように簡単に治るわけではない」と逆に治療に関して誤った理解を生む可能性が指摘された。これを受けて座長の樋口氏は「実際の風邪もこじらせれば簡単には治らない。うつを風邪に喩えるなら,そこには“甘く見てはいけない”というメッセージも同時に伝えるべき」と強調した。