医学界新聞

 

金原一郎記念医学医療振興財団贈呈式開催


 (財)金原一郎記念医学医療振興財団(理事長=伊藤正男氏・理化研脳化学総合研究センター特別顧問)は,「第18回研究交流助成金」と「第18回留学生受入助成金」の認定証贈呈式(第35回)を,さる3月3日,東京・文京区の医学書院本社において開催した。
 今回の研究交流助成は53件の応募者の中から25名,留学生受入助成は49件の応募者の中から3名がそれぞれ選出された。
 同財団は基礎医学の振興を目的として,(1)基礎医学医療研究助成,(2)研究交流助成,(3)留学生受入助成,(4)研究出版助成を行なっている。
 開会に際して,金原優同財団常任理事(医学書院社長)は,「大変ささやかではあるが,今回の受賞を励みとし,今後の研究成果に結びつけていただきたい」と祝辞を述べた。
 認定証贈呈に続いて,同財団理事で選考委員長を務めた野々村偵昭氏(東大名誉教授)が,「今回は例年にもまして応募が多く,選考には難儀した。また,師弟2代にわたる中国からの留学生受入があったことは微笑ましい限りである」とエピソードを紹介した後に,激励の言葉を述べた。
 これを受けて,受賞者を代表して挨拶に立った山本希美子氏(東大)が,「選考に当たっていただいた野々村委員長をはじめとする委員の先生方,ならびに財団関係者の皆様にお礼を申し上げたい」と謝意を表すとともに,「私は,血管細胞生物学の分野での研究に従事しており,血瘤によって生じる血行力学因子が血管内皮細胞に及ぼす影響を生理学的ならびに病態学的な面から解析している。今回,貴重な助成金を活用させていただき,第13回国際血管生物学会へ参加し,『流れずり応力により誘発されるES細胞の血管細胞への分化と管腔網形成』に関する研究成果を発表するとともに,同分野での研究者との交流,情報交換を行なう予定にしている。今後もなお一層の努力を継続したい」と抱負を述べた。




金原一郎記念医学医療振興財団

第18回研究交流助成金・留学生受入助成金交付対象者とその助成対象(出席会議または研究題目)


(1)阿部克成(長崎大/内2腎):2004年国際腹膜透析学会
(2)伊丹千晶(精神神経センター/診断研究):第34回北米神経科学会
(3)市原佐保子(名大/環境労働衛生):米国心臓病学会議
(4)今井剛(大津赤十字病院/小児):第95回米国癌学会
(5)植松史行(佐々木研/病理):米国癌学会95回年次学術集会
(6)内田信也(浜松医大/臨床薬理):第105回米国臨床薬理学会
(7)小栗鉄也(名市大/臨床分子内):第95回米国癌学会
(8)片野坂友紀(循環器病センター/循環分子生理):GH-IGFシンポジウム
(9)川澄正興(慶大/薬理):第34回北米神経科学会
(10)木下専(京大/先端医学):第44回米国細胞生物学会
(11)河野浩二(山梨大/外1):第95回米国癌学会
(12)阪井丘芳(阪大歯学病院/口腔外1):第82回国際歯科研究学会
(13)清水宣明(東大医科研/免疫病態):キーストンシンポジア/核内受容体
(14)武田茂樹(群馬大/バイオナノシステム科学):第34回北米神経科学会
(15)所正治(金沢大/寄生虫感染制御):第11回国際感染症学会
(16)中井彰(山口大/生体シグナル解析):コールドスプリングハーバー会議/分子シャペロンと熱ショック応答
(17)永根基雄(杏林大/脳神経外):第95回米国癌学会
(18)能崎晋一(金沢大病院/口腔外):第95回米国癌学会
(19)橋谷光(名市大/細胞機能制御):平滑筋の生理的および病態における機能
(20)平山暁(筑波大/腎臓内):第12回国際フリーラジカル学会
(21)藤井順逸(山形大/代謝再生統御):第12回国際フリーラジカル学会
(22)水島孝明(岡大病院/検査):米国消化器病週間
(23)山本希美子(東大/システム生理):第13回国際血管生物学会
(24)吉川賢忠(東大医科研病院/アレルギーリウマチ):キーストンシンポジア/核内受容体
(25)吉田清嗣(東医歯大難治研/分子遺伝):欧州生命科学者協会年次総会2004
(26)秦宵然(群馬大/臓器病態薬理):ミオシン・リン酸化を伴わない平滑筋収縮・その機序の解明
(27)初春平(宮崎医大/生理1):The central cardiovascular regulation mechanism of corticotropin-releasing factor(CRF)family
(28)孟文翔(三重大/分子細胞生理):細胞骨格系の変化により調節される新規イオンチャンネルの同定