医学界新聞

 

シリーズ   私はこうして研修病院を選んだ

医学生へのアドバイス


松井佐織(淀川キリスト教病院消化器内科)

どのような基準で臨床研修施設を選んだか?
1)初期研修をスーパーローテート方式で行なっている
2)初期診療・治療を学ぶ場がある(救急外来当直がある)
3)研修医育成の経験がある(システムがある程度確立されている)
4)研修医をはじめとするスタッフの雰囲気
 まず,私の初期研修の目標は,『初期診療・治療ができるようになる』ということであったので,スーパーローテート形式の研修であり,救急外来での当直のある病院を選びました。内科志望であったので内科中心の研修であることと,初期治療という面で,他科の研修もできることも重要な条件の1つでした。淀川キリスト教病院の場合,私たちの頃は比較的研修の自由度が高く,ある程度希望する科での研修が可能でした。私自身は,当院の内科全科で研修し,外科・救急診療科・小児科・麻酔科・放射線科・ホスピスで研修することができました。
 実際に受験する病院は,自分で実習・見学をし,現場の雰囲気を感じて,自分がそこで働けるかどうかを基準にしました。

情報収集はどうすべきか?
1)同じ方向性の友人との情報交換
2)雑誌等での情報収集
3)実際に自分の希望する病院で研修しているOB等からの情報収集
 いずれも実際に自分でやったことですが,大学でのサークルや同級生の中でも同じような方向性の人と情報交換をしていました。また,各種雑誌などから情報を集め,希望の病院で研修をしていた先輩にメールで連絡をしました。今はインターネットからの情報もありますが,多すぎて困る一面もあるようで,取捨選択が大事なようです。

病院実習に際するアドバイス
1)自己紹介と挨拶を必ずする
2)自ら希望して実習をしているという気持ちを忘れない
3)自分が実習の中で何を見たいのかを明確にする
4)研修医・指導医,スタッフと話をする
 今さらですが,自ら希望して病院実習をしているのですから,挨拶と自己紹介(所属と名前など)はどの場所でもしましょう。また,実習や見学は思ったより時間が限られているので,事前に自分の見たいことを明確にしておきましょう。また初期研修の実際を知っているのは研修医であり,指導医であり,そこで働くスタッフの方々なので,仕事の邪魔にならない程度に,話を聞くと参考になります。また,可能であれば,指導医などにそこでの研修の評価を聞くのもいいでしょう。指導医の先生は他の病院の研修を知っておられるので,相対的・客観的な評価が聞けると思います。

試験・面接に挑む際のアドバイス
1)試験の内容を調べておく(試験科目や面接,その他のものがないかどうか)
2)見学に行った際に,研修医に質問しておく(詳細な内容よりも何が重視されているのか)
3)学生時代の自分の活動をアピールする
4)なぜその病院で研修したいのかを明確にしておく
 たった一度の機会で印象が決まってしまいますので,面接は難しいですが,あまり奇をてらわず,自分を知ってもらう場として,面接に望むのがいいのではないでしょうか。




 松井佐織氏
2001年3月鳥取大学医学部卒業。同年5月より淀川キリスト教病院にて2年間スーパーローテート形式にて初期研修を開始。2003年5月より同病院消化器内科にて専攻医としての研修を開始している。