医学界新聞

 

2003年度「浦河べてるの家」総会開催される


 「浦河べてるの家」の総会が,さる5月17日,北海道浦河郡の浦河町文化会館で開催された。精神障害の当事者が中心となって運営する「べてるの家」の実践は,昨年から今年にかけて4冊の関連書が発行されたこともあり,ますます注目を浴びている。
 総会ではまず,関係者や全国各地から訪れたゲストの紹介・挨拶が行なわれた。浦河町長・谷川弘一郎氏は,「精神障害者が自ら取り組む『べてるの家』の活動は,おそらく世界初のもの。その活動を20年にわたって取り組んできた『べてるの家』のメンバーや,それを支えてきた浦河町の皆さんに謝意をささげたい」と述べた。
 また今回,新たな取り組みとして,全国各地の当事者がインターネットを通じて交流できる「べてるシステム」の紹介があったが,その一環として,今回の総会の模様もインターネットで全国に中継された。
 今回,北海道の主要空港から数百キロメートルという立地条件の浦河町に,全国各地から500人あまりの人が訪れた。挨拶にたった川村敏明氏(浦河赤十字病院精神科)は,「今年はいつになく,地域の皆さんからの温かい気持ちが伝わってくる総会だった。『べてるの家』が注目を集め,皆さんが浦河に来てくれることで地域が活性化するのはとてもうれしいことだ」と述べた。(関連記事を2541号看護版に掲載予定)