医学界新聞

 

医療関連業務の労働者派遣など

厚労省検討会が医療分野の規制改革を議論




 さる4月17日,厚生労働省は「医療分野における規制改革に関する検討会」を発足させ,初会合を行なった。医療分野における規制改革は,総合規制改革会議や構造改革特区推進本部を中心として,この1-2年,重点検討事項として取り上げられるようになってきた。本年度も,この6月に総合規制改革会議が「重点検討項目に関する答申(仮称)」のとりまとめを行なう予定となっている。
 本検討会は,そのような状況を踏まえ,これらの一連の規制改革の動きを,医療の受給者および供給者の側から検討するというもの。検討会の冒頭に挨拶した坂口力厚生労働大臣は「これまでの医療分野における規制改革の議論には,患者サイドの視点が少なかった。この検討会では,患者さんや国民の側の視点,あるいは医療の提供者の視点から,現在,課題となっている規制改革についてご議論いただきたい」と検討会設置の趣旨を述べた。

重点的に検討する項目

 検討会では,事務局から医療における規制やこれまでの規制改革の動きなどについて説明があった後,規制改革のあり方や今後検討会として取り組む事項などについてフリーディスカッションが行なわれた。話題にのぼったのは,事務局からも特に規制改革の要請の高い事項として提示された以下の項目である。
・医療機関における医療関連業務の労働者派遣
・電子カルテ等の診療情報を当該医療機関以外の事業者により医療機関外で保存すること
・地域医療支援病院の承認要件のうち紹介率要件についての算定方法
・特定機能病院の承認要件のうち,現行500床とされている病床数基準
・病床規制のあり方を含めた医療計画制度の課題
・公益性の高い「特別医療法人制度」について普及促進のために要件緩和および弾力経営の実現に向けた収益業務の拡大
 など。
 厚生労働省は総合規制改革会議などの動きに合わせ,急ピッチで検討を進め,6月中にも一定の部分についてのとりまとめを行ないたい考えだ。特に第2回目の会合では,医療機関における医療関連業務の労働者派遣について検討される予定である。