医学界新聞

 

Nursing Information (学会・研究会情報)


●朝日カルチャーセンター連続講座「ケアをひらく」
 受講生募集中[前期4-6月:計4回]

 ある時は看護・介護の具体的な技術として語られ,ある時は「他人に注意を向けること」として語られる。積極的な介入であったり,受け入れて承認することだったりする。あるいは「する」ことがそのまま「される」ことに反転する―。
 そのような多様な姿を見せる《ケア》の世界が,今,従来の医療・福祉の狭い枠組みを超えて注目されています。一方では隣接学問領域に風穴をあけるビジョンとして,他方では一般市民の新しい基礎教養として,熱い期待がかけられているのです。
 そこでこの連続講演では,実践と研究の接触面で,ケアをめぐって興味深い発言されている方々に,それぞれの位置からケアはどのような姿に見えるのかを語っていただきます。講師自身の具体的な体験も含めて講義を展開することにより,たんなる「論」ではなく,専門職にとっては日々の実践のためのヒントを,市民にとっては「役に立つ教養」としての可能性を提示します。

(1)広がるケアの世界:
広井良典氏(千葉大助教授)
4月19日(土曜日)15:30-17:30
 「高齢者ケア」,「ターミナルケア」,「こころのケア」等々,最近ではケアという言葉を聞かない日がないほどこの言葉は日常の中に浸透してきている。けれども,いまあらたまって「ケアとは何か」と問い直してみると,答えにとまどってしまうような広がりと奥行きをこの言葉は持っている。この講座では,「ケアする動物としての人間」という視点を踏まえながら,現代社会における「つながり」の意味,「家族関係の進化とケア」,「自然の持つスピリチュアリティ」といった多様な視点からケアの持つ意味を探っていきたい。
(2)ケアを哲学する:
鷲田清一氏(阪大教授)
4月26日(土曜日)15:30-17:30
 ケア従事者がある時ふと触れる,「職業」と「職業でないもの」の境界線。そこは,ケアする人がケアされる場でもあれば,サービスがサービチュード(隷従)に裏返る所でもある。さらに言えば,「支え合い」が「もたれ合い」に滑り出す瞬間であるかもしれない。そんな不思議な肌触りを持つ看護・介護の〈フリンジ=端っこ〉に立つと何が見えるか――皆さんと一緒に考えながら,21世紀の市民の教養は「哲学」と「ケア」であることをお伝えしたい。
(3)障害学はおもしろい:
石川 准氏(静岡県立大教授)
5月31日(土曜日)15:30-17:30
 「障害学」とは,障害者にとって,ひいては健常者にとっても生きやすい社会とはどのような社会なのかを考える学問である。突きつめて考えていくと,この社会の「財」と「権利」と「尊厳」の分配システムの基本原理の修正を求めていくことになる。
 障害とされていたもののかなりの部分を社会的障壁と呼びかえて,社会がその障壁を削減すべき責任を負う。そして障害の残りの部分は,多様な身体のあり方の1つとして,身体へと戻していく――こんな提案を通して能力,承認,他者,支え合い,自由,平等,共同性などの主題を浮かび上がらせようと思う。
(4)精神障害者とどうかかわるか:
春日武彦氏(都立松沢病院精神科医長)
6月21日(土曜日)15:30-17:30
 使命感や道徳心だけでは,精神的に問題を持った人たちとつき合うことはできない。そんなしんどい仕事を支え導くものは,結局のところ「好奇心という杖」ではないだろうか。好奇心は面白半分とか不真面目とかの文脈で捉えられがちだが,私たちはその「杖」があって初めて彼らのリアルな世界に入っていける。そして,実は杖の長さのぶんだけ私たちは客観性を保っていられるのだ。一筋縄でいかない臨床現場で,対象者のみならず,私たち自身をも支える極意を実践例を交えて紹介していきたい。
●受講料=会員2,600円,一般3,100円(4回通しての申込も可=会員10,000円,一般12,000円)
★問合せ・申込み先:朝日カルチャーセンター
 〒163-0204 東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル48階(担当:教養科)
 TEL(03)3344-1945 午前9時半-午後7時
 http://www.acc-web.co.jp/
【★後期予定(7-9月:日程未定。仮題)】
野口裕二氏
(東京学芸大教授):話を聞くとはどういうことか――「物語」からケアを見る
佐伯晴子氏
(東京SP〈Simulated Patient〉研究会):模擬患者という体験-ケアはシミュレーションできるのか
田口ランディ氏
(作家):「場」の力-スイッチが入るということ
武井麻子氏
(日赤看護大教授):看護婦はなぜ疲れるのか-「感情労働」という切り口
大澤真幸氏
(京大助教授):反転するケアの世界-受動性という契機


●山路ふみ子専門看護教育研究助成基金
 申請者募集中 締切=4月18日

 山路ふみ子専門看護教育研究助成基金では,下記の要領で2003年度の助成申請者を募集している。詳細は下記まで。
◆対象:看護分野における看護の方法・技術の開発と評価に関する研究
◆応募資格:(1)日本国籍を有する看護師,(2)国内外の大学院博士後期課程に正規生として在学中の者,その他,規定の条件のすべてを満たす者
◆助成額:1件150万円以内(約20件)
◆応募締切:4月18日(必着)
◆連絡先:〒105-8574 港区芝3-33-1 中央三井信託銀行(株)本店法人営業第2部公益信託課
 TEL(03)5232-8911/FAX(03)5232-8919

●第8回日本難病看護学会
 演題募集中 締切=4月4日
 7月31日-8月1日/東京

 第8回日本難病看護学会が,近藤紀子会長(日本赤十字武蔵野短大)のもと,きたる7月31日-8月1日の両日,東京・江戸川区の江戸川区総合区民ホールにおいて,「難病療養者の自己決定を支える」をテーマに開催される。これに伴い事務局では一般演題を募集している。詳細は下記まで。
◆プログラム:会長講演「看護者が療養者と向き合うこと-難病療養者の場合」(近藤紀子),他
◆連絡先:〒180-8526 府中市武蔵台2-6 東京都神経科学総合研究所 難病ケア看護研究部門内 日本難病看護学会事務局
 TEL(042)325-3881/FAX(042)328-7311

●第8回聖路加看護学会
 演題募集中 締切=5月31日
 9月27日/東京

 第8回聖路加看護学会が,中山洋子会長(福島医大)のもと,きたる9月27日に,東京・中央区の聖路加看護大学において,「看護の“知”と哲学的基礎」をテーマに開催される。これに伴い事務局では,一般演題を募集している。詳細は下記まで。
◆プログラム:(1)会長講演「看護の“知”の水脈を探る」(中山洋子),(2)シンポジウム「実践における“知”をめぐって」,他
◆応募締切:5月31日(消印有効)
◆連絡先:〒960-1295 福島市光が丘1 福島県立医科大学看護学部 第8回聖路加看護学会学術大会事務局
 FAX(024)547-2346

●かながわエイズボランティア育成講座
 参加者募集中 3月/横浜市

 かながわエイズボランティア春の育成講座が,下記の要領で開催される。これに伴い事務局では参加者を募集している。詳細は下記まで問合せのこと。
◆対象:エイズ,ボランティアに関心のある者
◆日程とテーマ:(1)3月2日「あなたとHIVの関係」,(2)3月2日「もっと高めようセクシャルヘルス-どう,あなたは性感染症を予防できるか」,(3)3月23日「日本のNGOの取り組み-シェアタイでの参加型ワークショップを体験」,(4)3月23日「エイズボランティアのすすめ」(基本的に全講座に出席)
◆連絡先:かながわレッドリボンプラザ(森)
 TEL(045)662-3721/FAX(045)651-0169

●沖縄県立看護大卒業記念講演会
 参加者募集中 3月7日/那覇市

 ナーシングリーダーシップ実行委員会の主催による,沖縄県立看護大学卒業記念講演会が,きたる3月7日に,那覇市の沖縄県立看護大学において,「21世紀における看護の課題-新たな可能性」をテーマに開催される。詳細は下記まで。
◆講師:Barmara Molina Kooker(ハワイ大)
◆連絡先:〒902-0076 那覇市与儀1-24-1 沖縄県立看護大学 ナーシングリーダーシップ実行委員会(与那嶺)
 TEL(098)833-8821/FAX(098)833-8812
 E-mail:nao_y@okinawa-nurs.ac.jp

●「保健所保健活動モデル事業」最終報告会
 参加者募集中 3月8日/東京

 日本看護協会による,平成14年度先駆的保健活動交流推進事業「保健所保健活動モデル事業」最終報告会が,きたる3月8日に,東京・千代田区の大手町サンケイプラザにおいて開催される。これに伴い事務局では参加者を募集している。
◆プログラム:鼎談「保健所保健師活動の展望と課題-保健所モデル事業の3年間を振り返って」(全国保健師長会 村田昌子,山形県村山保健所長 阿彦忠之,千葉大 石垣和子),他
◆連絡先:〒101-0033 千代田区一ツ橋2-4-3 光文恒産ビル 日本看護協会「保健所保健活動モデル事業」係
 TEL(03)5275-7380/FAX(03)5275-5919
 E-mail:senmon@nurse.or.jp

●大分県立看護科学大・大分県看護協会 第5回看護国際フォーラム
 参加者募集中 5月10日/別府市

 大分県立看護科学大・大分県看護協会の共催による第5回看護国際フォーラムが,きたる5月10日に,別府市の別府ビーコンプラザにおいて開催される。
◆プログラム:(1)「韓国における看護政策の発展と課題」(前韓国厚生大臣 金慕妊),(2)「看護の原点」(名市大 小玉香津子),他
◆申込締切:4月30日
◆連絡先:〒870-1201 大分郡野津原町廻栖野2944-9 大分県立看護科学大学看護国際フォーラム事務局
 FAX(097)586-4389
 URL=http://www.oita-nhs.ac.jp