医学界新聞

 

生田房弘氏が米国神経病理学会最高功労賞を受賞


 本邦の神経病理学の泰斗生田房弘博士(新潟大名誉教授)が,日本人として初の米国神経病理学会最高功労賞Merito-rious Contribution to NPを受賞した。
 生田氏は現在は新潟脳外科病院ブレーンリサーチセンターに在籍。その業績の一端は『Glia細胞』(クバプロ刊,1999年)にまとめられている。
 1982年のウィーンなどで開かれた国際神経病理学会で,脳梗塞などで破壊された脳機能の再生に,astrocyteが細胞分裂を来たし,移動能を持ち,シナプスをカバーすることで,重要な役割を果たすことを発表して定説を覆した。また,30年におよぶ神経病理学分野における貢献が今回の受賞に結実したもの。
 受賞に対して生田氏は,「日本の神経病理学を認めてくれた。この栄誉は,恩師中田瑞穂先生,HM Zimmermann先生,平澤 興先生,伊藤辰治先生,植木幸明先生など多くの先生方,そして30余年間,研究を共にしてくれた200余名の研究者のご指導と力添えのお陰です」と喜びを語った。