医学界新聞

 

高齢者ケアの質の向上をめざして

第10回全国老人ケア研究集会開催


 全国高齢者ケア協会(鎌田ケイ子理事長)が主催する「全国老人ケア研究集会」が第10回目を迎え,さる7月13日に,小西美智子集会長(広島大)のもと,広島市の広島国際会議場で開催された。同研究集会では,介護保険の施行から2年が経過したが,抑制廃止の課題は未だに解決されていないとして,特別発表「抑制廃止とリスクマネジメント」(札幌・西円山病院 三瀬三栄子氏)や,シンポジウム「高齢者ケアの質の向上をめざして」(司会=小西氏,ノンフィクション作家 沖藤典子氏)が企画された。
 シンポジウムでは,大窪明美氏(岐阜・サンビレッジ新生苑)が「ケアマネジメント」を,藤川安芸子氏(尼崎・介護老健施設ローランド)が「ケアプランの教育」を,さらに浜田和則氏(大阪・ナーシングホーム智鳥)が「サービスの評価」をそれぞれ報告。総合討論の場では,「ケアプランが上手に実践できないのはなぜ」などが話題となった。
 また,特別発表を行なった三瀬氏は,抑制廃止福岡宣言(1998年10月に,福岡市で開催された第6回介護療養型医療施設全国研究会で発表)に先立つ1990年からの抑制廃止の取り組みを紹介。「オムツからパンツへ,トイレでの排泄,寝たきりから車椅子での散歩などの実践で,経管栄養60%,オムツ着用30%,寝たきり45%が減少した」と述べ,結果として「自然に抑制帯の使用が必要なくなった」と報告した。
 なお,同協会は明年創設10周年を迎えるが,その記念事業として懸賞論文「私の高齢者ケア」を募集している(締切=明年3月31日)。詳細は下記まで。
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