医学界新聞

 

第8回「医療情報の効率化に関する研究」セミナー開催

日本の医療情報の電子化:現状と将来


日本における医療のIT化の現状

 聖ルカ・ライフサイエンス研・研究事業である第8回「医療情報の効率化に関する研究」セミナーが,さる4月20日,「日本の医療情報の電子化:現状と将来」をテーマに,東京・築地の聖路加看護大学講堂で開催された。なお,同セミナーでは,日野原重明理事長(聖ルカ・ライフサイエンス研)の挨拶に引き続き,休憩を挟み下記の5題(6名)の講演が行なわれた。
 (1)医療情報の電子化に向かって-日本の現状と将来(高知県・高知市病院組合高知医療センター 沖一氏),(2)日本における医療情報システムの未来像(医療情報システム開発センター 開原成允氏),(3)現場発信型の病・診・患連携,分析システム(小倉病院 梅田耕明氏,用賀アーバンクリニック 遠矢純一郎氏),(4)熊本・宮崎合同によるカルテ共有の実験(熊本大病院 吉原博幸氏),(5)総合病院情報システムの未来形(国立国際医療センター 秋山昌範氏)。
 この中で沖氏(写真)は,「病院内情報システム導入状況調査」(対象2773病院,回答761病院,27.4%,2001年7月)の結果から,日本における医療のIT化の現状を考察。電子カルテに関しては,稼動中=1.1%,開発中=3.3%,計画中=25.9%,予定なし=69.7%であったことを報告。電子カルテの導入はわずか1%程度であり,現実には普及していない実態を明らかにした。