医学界新聞

 

講演・鼎談「心あたたかな医療を考える」

-遠藤周作氏の“ささやかな願い”を再び


 在宅看護研究センター(村松静子代表)の主催による講演および鼎談「遠藤周作-心あたたかな医療を考える-氏の“ささやかな願い”を再び」(司会=医事評論家・前NHK解説委員 行天良雄氏)が,さる3月31日に,東京・有楽町の朝日マリオンにおいて,「今こそ,心あたたかな医療を再考し,継続するとき」との趣旨のもと開催された。故遠藤周作氏(作家)は,1982年に,自身の闘病と,お手伝いの女性が検査漬けの入院生活に苦しんだ末に亡くなったことをきっかけとし,「心あたたかな医療運動」を展開。現在,夫人の遠藤順子氏がその遺志を継いでいる。
 遠藤周作記念文学館(長崎県西彼杵郡)のスライド(村松氏),生前の氏の講演ビデオに続いて,講演「夫・遠藤周作-今私が思うこと」では,順子氏が「医療に絶望はしていない。心豊かな温かい言葉がけ(愛語)など,小さなことから習慣づけてほしい」と医療者に呼びかけた。さらに,永六輔氏(作家)は,「医療と心」と題し,村松氏ら在宅看護研究センターの協力を得て,夫人を自宅で看取った体験を,途中感極まる場面もありながらも,明るい口調で語った。
◆連絡先:在宅看護研究センター TEL&FAX(03)5386-6058