医学界新聞

 

看護職のたばこ対策の推進を強調

日本看護協会プレス懇談会開催


 昨(2001)年12月13日に,日本看護協会のプレス懇談会が,東京・原宿の同協会大会議室で開催された。なお,同協会は昨年末に原宿会館建て直しのために千代田区一ツ橋に事務所を移転(本紙昨年12月17日付,2466号に既報)。今懇談会は,歴史ある会館での最後の開催となった。

一般女性を大きく上回る喫煙率

 懇談会では,最初に南裕子会長が挨拶。「保健婦助産婦看護婦法」の一部改正により,名称が保健師・助産師・看護師となったことを受け,「これまで看護職は,婦長さん,看護婦さんと呼ばれてきたが,この機に職種名ではなく固有名詞で呼ばれることを望みたい」と述べた。また,男性助産師導入は今回の法改正には盛り込めなかったが,南会長は「国家試験受験資格がないだけで,男性も助産師教育を受けることは可能。時期をみて,改めて男性助産師導入の提案をしていきたい」との展望を示した。
 会長挨拶に引き続き,(1)「保健婦助産婦看護婦法」の一部改正,(2)厚生労働省の「医療制度改革試案」に対する見解,(3)看護職のたばこ対策,(4)介護保険制度に関する取り組み,(5)医療・看護安全対策,(6)専門看護師・認定看護師の現況,の6テーマについて担当役員から報告が行なわれた。
 なお(2)に関しては,「21世紀に利用者主体の医療制度を構築するために」と題する意見書を発表。診療情報開示義務の法制化や,看護婦免許更新制の検討から,看護職の役割と裁量権の拡大,病院理事長要件の撤廃などを提言し,「医師に集中している業務権限を,医師以外の職に拡大する」との方向性が示された。
 また(3)では,同協会が昨年8月に実施した「看護職の喫煙実態とたばこの意識調査」の調査報告(速報)を提示し,協会としての取り組みが紹介された。本調査は全国88施設,6807人の看護職を対象としたもので,女性看護職の喫煙率が24.5%と,一般女性の喫煙率13.4%を大きく上回ったことが報告された。今後の方策については,都道府県看護協会との連携により「看護職におけるたばこ対策推進会議」の開催を行なう,「禁煙支援指導者研修会」を実施し,組織的な取り組みの企画・実践・評価ができる人材を育成するなどの計画を示した。
 さらに,「世界的にも看護職の喫煙率は高い。弊害を知っていながら喫煙する看護職は,頑固な喫煙者とも言える」との見解を述べるとともに,看護学生の3割が喫煙者であることから,教育レベルでの禁煙プログラム実施も必要とした上で,どの程度の減少を望むのかなどの具体的な数値目標は検討中であることを報告した((3)についての問合せは同協会の専門職業務部へ)。
◆日本看護協会(新住所):〒101-0003 東京都千代田区一ツ橋2-4-3 光文恒産ビル
 TEL(03)5175-5871(代表)