医学界新聞

 

金原一郎記念医学医療振興財団

第30回認定証(第16回基礎医学医療研究助成)贈呈式が開かれる


 (財)金原一郎記念医学医療振興財団(理事長=理化研脳科学総合研究センター所長 伊藤正男氏)は,このほど「第16回基礎医学医療研究助成」の交付対象者として応募総数285名の中から34名(助成総額1,530万円)を選出し,さる10月3日に,東京・文京区の医学書院本社において,第30回認定賞贈呈式を開催した(助成対象者および研究内容を本号12面に掲載)。同財団は基礎医学の振興を目的として,(1)基礎医学医療研究助成,(2)研究交流助成,(3)留学生受け入れ助成,(4)研究出版助成の4つの助成事業を行なっており,1986年の設立以来,総計1046件・総額4億7,468万円が贈呈されている。
 開会に際し,金原優同財団常任理事(医学書院社長)は,「医学書院創業者金原一郎の遺志を継いで設立され,まったくの民間の財団として,医書出版等の基金から成り立っている同財団の認定証贈呈式は,今回で第30回を数え,年数にして15年目となる。若い研究者を対象に,基礎医学の発展をめざし,微力ではあるが今後も末永く財団を運営していきたい」と述べ,「今回の助成を糧に,ますます充実した研究を続けていただきたい」と激励した。
 認定証の贈呈の後,選考委員長を務めた 野々村禎昭氏(東大名誉教授)が,「年々応募者のレベルが上がってきており,本年も確実に質が向上していることを実感した。その中から,実力本位の選考を行ない,格別に質の高い研究を選出することができた」と選考の経過を報告し,「時勢は混乱の局にあるが,受賞者は,競争率8倍の難関から,実力で選考されたことを誇りに,今後も自信を持って研究に励んでいただきたい。また,その成果は当財団が発行する「生体の科学」誌への投稿をお願いしたい」と祝辞を述べた。
 これを受けて,受賞者を代表して,南木敏宏氏(東医歯大)が,「このたびは,同賞のご交付をいただき,関係各位に衷心より感謝している。選考の労をとっていただいた野々村選考委員長をはじめ選考委員の方々,ならびに多大なご尽力をいただいた財団関係者の方々に深謝したい」と謝意を表すとともに,「私は,慢性リウマチの正しい治療を追究し留学していたが,帰国して1年目にこのような賞を授かり,改めて研究の機会をいただいたことは,誠に幸運である。受賞者一同,今後もますます気を引き締め,それぞれの研究分野に寄与し,社会に還元していきたい」と抱負を語った。