医学界新聞

 

第6回日本看護サミットちば2001開催


 第6回日本看護サミットちば2001が,さる7月26-27日の両日,澁谷禎子実行委員長(千葉県看護協会長)のもと,「世紀を拓く-コミュニケーション新時代」をテーマに,千葉市の幕張メッセで開催された。

さまざまな視点から看護を語る

 開催にあたり,女性知事の堂本暁子氏があいさつに立ち,「21世紀はヘルスケアの時代。看護職はその中にあって活躍できる集団」と述べるとともに,「女性知事でなければできない事業として,女性と健康を視野に入れた,女性のための医学推進を千葉県から発信したい」と語った。
 なお同サミットでは,柳田邦男氏(作家・医事評論家)による特別講演「いのちを救う看護」をはじめ,分科会として I「地球・未来・看護-グローバルな人材育成のための革新的な看護教育」,II「安心・医療・看護-安全な医療に向けた管理体制の構築と看護の質の保証」,III「人・いのち・看護-市民とともに変革する看護」,IV「健康・いきがい・看護-少子高齢社会における生涯を通しての健康づくり」の4テーマが,さらに統括フォーラムとして「鼎談:看護新時代-世紀を担う,未来に翔ける」(発言者=厚生労働省副大臣 南野知恵子氏,日本看護協会長 南裕子氏,朝日新聞社編集委員 田辺功氏)が行なわれた。

看護新時代への苦言と提言

 特別講演を行なった柳田氏は,「看護職は人の命をどう見ているのか」をテーマに講演。「人の命を預かる医療職には,常に勉強が強いられる」とした上で,患者を理解するためには,(1)人は物語を生きている,(2)人の見方は広角レンズの視野で,(3)しっかりと患者に耳を傾けること,(4)心で聴く,などが必要と提言した。また,講演の結びにあたり,「ナイーブな感性を失わず,決断のできるナースになってほしい。今行なっている看護は,自分にとっての『代表作』という意識を持っていてほしい」と述べ,看護職へのメッセージとした。
 また,約1500名の参加者を集めて行なわれた分科会Ⅲでは,黒岩祐治座長(フジテレビ報道局)のもと,岡谷恵子氏(日本看護協会専務理事),砂田清子氏(東武百貨店広報室),辻本好子氏(ささえあい医療人権センターCOML),浪川淳子氏(原発性免疫不全症候群患者と家族の会「つばさの会」代表)の4名が登壇した(写真)。
 岡谷氏は,「21世紀の医療は国民参加型」とした上で,日本看護協会が掲げる「まちの保健室構想」や「看取り医療のあり方」を概説。これからの看護者の役割について,(1)擁護,(2)代弁,(3)支持,(4)助言,(5)援助・支援をあげた。また辻本氏は,医療機関に望む患者自立支援のための整備として,(1)医療情報コーナーの設置,(2)よろず相談窓口の設置,(3)チーム医療の再編成を指摘。さらに浪川氏は,「質の高い医療を決定づけるのは看護職の質であり,看護職はもっと難病に関する知識を持ってほしい」と強調した。なお,次回は沖縄県で開催される。