医学界新聞

 

岐阜大に医学教育開発研究センター設置

全国初,医学教育の拠点に


 本年度より,岐阜大学医学部に医学教育開発研究センターが設置され,さる5月29日,記念式典などが岐阜ルネッサンスホテルで行なわれた。
 岐阜大学医学部は,1995年度からテュートリアル教育の導入を全国に先駆けて導入し,知識伝授型の教育から問題解決型の学習へと教育内容の転換に取組んできた。現在進行中の医学教育改革でも,モデル的な施設の1つと見られており,同センターの新設が決まった。センター長には同大教授の高橋優三氏が就任した。

教育の中心地としての役割を期待

 記念式典を前に基調講演を行なった文部科学省医学教育課長の村田貴司氏は,特に同センターに期待することとして,
(1)問題解決型学習の推進への貢献
(2)診療参加型臨床実習の導入への貢献 の2点をあげ,(1)については「知識偏重教育から問題解決能力の育成へ」という流れを示した上で,「教育方法の開発,テューターの養成」など,「問題解決型テュートリアル教育開発の中心地としての役割を担ってほしい」と述べた。また,(2)については,「シミュレーション教育の開発」,「OSCEの開発研究」,「模擬患者およびその指導者の養成」を期待するとした。同センターは以上の役割を担うために「テュートリアル部門」と「バーチャルスキル部門」の2分門からなる。
 なお,同センターは全国の医科大学と協力しつつ,医学教育の諸問題を整理し,解決するための研究,新しい教育方法の研究開発などを行なう,全国共同利用施設となる。

●第3回医学教育セミナーおよびワークショップ
 新設の医学教育開発研究センター主催
 参加者募集中 8月27-30日/岐阜市

 岐阜大学医学部・医学教育開発研究センターの主催による第3回医学教育セミナーおよびワークショップが,きたる8月27-30日の4日間にわたり,岐阜市の県民ふれあい会館において開催される。これに伴い事務局では参加者を募集している。
 詳細はホームページを参照のこと。
◆主催者からのメッセージ:医学生のみなさん! 講義ばかりの毎日に飽き飽きしていませんか? テュートリアル・システムの自学自習が注目を浴びています。体験しませんか? 模擬診察で,自分の診察能力を磨いてみませんか? 最新のバーチャル・モデルでの臨床実習を経験しませんか? もうOSCE,英語での症例提示,などを体験しましたか?
 医学教育が大きく変わりつつあります。全国の医学生のすべてが,自分の母校で最新の医学教育を経験できるものではありません。話に聞くだけでなく,新しい医学教育を体験できる体験できる機会が切望されています。去年,多くの学生・教員・模擬患者が岐阜に集結し,これからの医学教育に夢を持ちました。今年の夏休みにも,岐阜に行ってよかったと思ってもらえるようなセミナーを企画しています。ぜひ,ひとりでも多くの医学生が参加されることをお待ちしております。
 教員・事務職員にも多彩なメニューが用意されています。
◆参加費:3,000円
◆連絡先:岐阜大学医学部・医学教育開発研究センター
 URL=http://www.med.gifu-u.ac.jp/medc/