医学界新聞

 

第95回医師国家試験合格体験記


■私の国試必勝法
 
田中弘志(順大卒)

 私は,第95回医師国家試験に,何とか無事合格することができました。合格発表の日,厚生省で教科書ほどの厚みの合格者名簿をふるえる指で繰りながら,自分の名前を見つけた時の喜びは,一生忘れることはないでしょう。
 以下に,私が国試対策において大切だと思ったことについて書こうと思います。

まず己を知る-苦手科目の克服

自分を知ること
 私は,これが一番大事だと思います。国試勉強に関して,「アプローチは何周やった」などとよく言いますが,それはナンセンスだと思います。なぜなら,6年の夏に解ける問題のほとんどは,半年後も解けるはずだからです。同様に,6年の夏に得意だった科目は,半年後もやはり得意なままだと思います。
 私が言いたいのは,一周一通り勉強した後は,すべての科目に同じ時間をかけるのではなく,自分の苦手科目を見つけ,それを重点的に勉強することが大切だということです。6年の秋になると,模試を受験しはじめると思いますので,模試で自分の弱点を知るのもよいことです。私自身は,「産婦人科」が最も不得意でしたので,他科目の2倍以上の時間を産婦人科に費やしました。それでも,最後にやっとギリギリで他の科目と同レベルになったくらいです。「自分の弱点を知り,苦手科目をつぶす」ことが肝要だと思います。

「必修ノート」を作る

必修対策
 これは,国試勉強後半戦のヤマだと思います。かなり後の時期の話かもしれませんが,ポリクリ中や6年のはじめに1冊だけでも必修問題の問題集をやっておくのもよいと思います。特に,「手技」に関しては,早めに対策しておくことをお勧めします。
 本気で必修問題に取組むのは,2月に入ってからでも遅くはありません。私がやった問題集は,(1)アプローチ(医学評論社),(2)クエスチョン・バンク(MEDIC MEDIA),(3)100問のススメシリーズ(医学教育出版社)の3本柱に加えて,(4)雑誌「KokuTai」(医学教育出版社)の3年分,です。特に,(1)と(4)によい問題が多かったと思います。
 私は,基本的にはノートに勉強内容をまとめるタイプではありませんが,必修問題に限っては間違えた問題に関する内容をノートにまとめ,「必修ノート」を作っていました。国試直前の,何をすればよいのかわからない時期には,よくそのノートを眺めていました。
 以上が,国試勉強に関することです。以下は,本年の国試の特徴について書きたいと思います。今回の問題では,「結核」「糖尿病」「高脂血症」に関するものが多かった気がします。また,出題されると言われていた「一般常識問題」の類は特になかったと思います。例年と比べても難問は少なく,基本的な問題が多く出題されました。ですから,受験生のみなさんは,難問は無視して,まず基本的な問題だけをおさえるようにしましょう。先に紹介した「アプローチ」で言えば,「跳び箱3つ以内」をおさえることです。
 最後まで諦めずに頑張ってください。