医学界新聞

 

ミレニアムプロジェクト「がん・ゲノム・脳」合同シンポ


 ミレニアムプロジェクト「がん・ゲノム・脳」合同シンポジウム「生命の理解から疾患の診断治療へ」が,さる1月16日に,東京・千代田区の学術総合センターにおいて開催された。同シンポは,平成11(1999)年12月にミレニアムプロジェクトの一環として,約100億円の科学研究補助金を配分された文部科学省(旧文部省)特定領域研究(C)「がん」「ゲノム」「脳」各総括班の共催によるもので,3領域の研究の進展を報告するとともに,国民および産官学の理解と支援を得ることを目的に,本年より毎年開催される予定。今回は,3領域の各代表により,それぞれの研究概要が説明された後,具体的に進んでいる注目すべき研究成果について2題ずつ計6題の報告があった。
 「がん」領域代表の鶴尾隆氏(東大分子細胞研)は,「総合がんを中心に,発がん,がん治療,先端がんなどの各分野の密接な連携のもと,テーラーメイド医療などの臨床につながる研究に力を入れる」と述べ,「ゲノム」領域代表の小原雄治氏(国立遺伝学研)は,「総合ゲノム,ゲノム医科学,ゲノム生物学,ゲノム生物学の4分野から,ヒトを知るべく,生命の歴史を徹底的に追究したい」と言及。さらに「脳」領域代表の井原康夫氏(東大)は,「creative competitionを実行した目的達成型の研究を行ない,究極的には,神経変性疾患に有効な治療法の開発を目標にする」と,それぞれの展望を語った。