医学界新聞

 

カラーグラフ 新世紀を迎えて――リハビリテーションの時代を生きる


看護の視点から探るリハビリテーション新時代

 「週刊医学界新聞」では,本年1月1日付2418号(医学版)にて,「21世紀-リハビリテーション新時代」を企画・編集。機能回復・自立支援の新しいスタイルについて,ロボット技術などの最先端を駆使したリハ関連機器を紹介するとともに,「ユニバーサルデザイン」の考え方に基づく新たな機器の方向性をグラフで示した。また,座談会「リハ医療の可能性」を掲載した。
 そこで,本紙(看護号)では上記に呼応し,カラーグラフで,スポーツ科学と一体化したリハの可能性,そして人と接することそのものがリハとなる可能性を探った。また,新たな世紀におけるリハ看護の可能性から展望と課題までを座談会で追究するとともに,掲載記事を通して,看護の視点から「人が生きることの原点」となるリハの可能性を探ってみた。
 なお,「障害」の領域は視覚・聴覚から,運動機能,知的発達障害まで幅広い。また,先天性・中途障害・後天性と呼ばれるものまでとらえることができるように,それに応ずるリハの領域も多岐にわたる。それらの中から今回は,2施設での実践に焦点を当て,グラフで紹介する。


(協力・撮影:秋田大工教授 土岐仁氏 本研究は横浜ラポールとは関係はありません

横浜ラポールでのリハスポーツ

 電動車いすなどのリハ機器の開発から在宅ケアまで,障害者(児)に対するリハを保健所,医療機関など既存の専門機関・施設と連携し,総合的なリハを行なっている横浜市総合リハセンターに隣接する,障害者スポーツ文化センター横浜ラポール(以下,横浜ラポール)は,「国際障害者年」の理想に基づき1992年に開館された。
 横浜ラポールは,障害者の健康づくりと社会参加,市民相互の交流を図ることを目的に,(1)障害者のスポーツレクリエーション振興,(2)リハスポーツ,(3)障害者の文化・情報活動の中核施設としての役割を担い,ソフト・ハード面にわたる事業を展開。スポーツ教室や医療とスポーツの連携による,障害者のためのリハスポーツ,スポーツ大会の開催などを通じ,障害者と健常者との交流イベントも企画している。身体障害者の水泳・卓球をはじめ,さまざまな障害を持つ人が,健常者と同じようにスポーツを楽しんでいる姿がこの施設から垣間みえる。それは,QOL向上へむけたリハでもある。なお,ここに紹介したチェアスキーは,「ソルトレイクモデル」として次回冬期オリンピック用に,横浜リハセンターが主となり開発中のもの。(1-2面の写真は,スキーを除き横浜ラポール宮地秀行氏の撮影による。撮影地:横浜ラポール)
◆横浜市港北区鳥山町1752 TEL(045)475-2050