医学界新聞

 

日本心臓財団 30周年記念市民公開講座

「突然死を救えるか」,ハートの日に開催される


 慶應義塾大学医学部心臓病先進治療学講座の主催による,日本心臓財団30周年記念市民公開講座「突然死を救えるか」(司会=慶大 三田村秀雄氏)が,さる8月10日(ハートの日)に,東京・千代田区の東京国際フォーラムにおいて開催された。
 法医学の立場から村井達哉氏(慶大)が,救急の立場から原口久男氏(東京消防庁)がプレゼンテーターとして登壇。また,一般市民の立場から黒沼美穂氏が,心室細動のため心肺停止状態に陥った父親を,市民講座で学んだ心肺蘇生術(CPR)で救った時の様子を語り,一般市民がCPRを習得し,一刻も早く救命にあたる重要性を訴えた。続いて,堀進悟氏(慶大)と日野原知明氏(スタンフォード大)が,日米の救急救命医療の現状についてそれぞれ口演し,その問題点について比較・検討した。日野原氏は「米国ではCPRに対する市民の意識が高い。また,突発性心臓停止に有効な自動除細動器(AED)が,空港などの公共スペースに常備され,医学には精通していないが,訓練を受けたことのある市民がそれを使用できる」と報告した。他に,日本蘇生協議会委員長の岡田和夫氏(帝京大)の追加発言と,パネルディスカッション(写真)が行なわれた。