医学界新聞

 

准看護婦養成停止を求める総決起集会


228万人の署名を背景に

 日本看護協会の平成12年度通常総会に先立って行なわれた「准看護婦養成停止を求める総決起集会」(5月17日,国立代々木競技場第1体育館)には,全国から約5800名が参集。会場には,昨年の通常総会決議を受け,全国で展開された准看護婦養成停止を求める「対話型署名運動」の成果として,228万人(6月5日の最終署名総数は229万)の署名用紙が積み上げられた。
 南裕子日本看護協会長は,「本総決起集会の最大の願いは看護婦養成制度を一本化することにあり,対話を通して社会に訴えることができた今こそが,その結実する時」と述べ,署名を背景とした厚生・文部両大臣へ決議文提出および要請行動は,国会の解散・総選挙にともない,集会当日と総選挙後の2回行なうことを提案した。
 なお,満場一致で採択された「准看護婦養成停止を求める決議」文は,
・約50年前の昭和26年に開始された准看護婦養成を速やかに停止し,看護婦養成制度の一本化を協力に推進すること
・准看護婦養成停止の時期を明示した上で,准看護婦が看護婦になるための移行教育を速やかに開始すること

 集会後,南会長をはじめとする代表団は,丹羽雄哉前厚生大臣および文部省へ要請行動を行なった。これを受けて丹羽前厚生大臣は,挨拶に立った同協会総会の席上,「228万人の署名と決議文を大変重く受け止め,国民および看護職者の要望が実現するように努めたい」と前向きな姿勢を示した。また文部大臣の代理として挨拶した小此木八郎次官(当時)も,「会員の総意を預かり,建設的な協議を進めていきたい」と述べた。
 なお,9道県の協会が登壇しての「対話型署名リレースピーチ」では,各代表がそれぞれに創意を凝らしての署名行動を再現するなど,そのユニークさに会場も大いに沸いた。また,署名活動に協力のあった全国腎臓病協議会など,3関係団体からもリレースピーチが行なわれた。
 その中で清川美和氏(前准看護婦学校教育協議会長)は,「看護婦不足が社会的な問題とされた時に現場を支えたのは准看護婦だった。しかし,専門職志向の強い現在にあって,准看護婦学校教育協議会は,准看護婦養成の責務は終えたと判断し閉会した。今後は,看護婦への移行の道を1日も早く踏み出すことを念願する」と述べた。