医学界新聞

 

21世紀への決意を新たに

平成12年度日本看護協会通常総会開催


 さる5月17-19日の3日間,日本看護協会(南裕子会長,約50万人)の平成12年度通常総会が,東京・渋谷区の国立代々木競技場第一体育館を主会場に開催された。
 本総会には,代議員・一般会員合わせて約6300人が参集し,平成12年度のスローガンや事業計画・予算などの審議および任期満了に伴う役員改選が行なわれた。また,初日の午前中には,昨年の総会決議に基づき展開された対話型署名運動のしめくくりとして,「准看護婦養成停止を求める総決起集会」を開催。3日目には,保健婦(士)・助産婦・看護婦(士)の各職能集会が行なわれ,それぞれに講演やシンポジウムなどが企画された。

20世紀最後の仕上げに向けて

 通常総会の開会にあたり南会長は,「本総会は今世紀最後の仕上げの総会」と位置づけ,今世紀後半における最大の課題である「准看護婦養成停止」実現に向けて新たな決意を表明。看護婦養成の一本化をめざし,国民1人ひとりと対話する中から,228万人の署名を得た「対話型署名運動」の成果を讃えるとともに,同総会に先立ち行なわれた総決起集会で採択された「准看護婦養成停止を求める決議文」を厚生省および文部省に提出したことを報告。「今までの努力が実を結ぶよう,さらなる努力を惜しまない覚悟である」と述べた。
 また,本年4月から導入された介護保険制度に関しては,地域における看護職の新たな役割があること,またその重要性を指摘。その上で,「看護職には,医療と福祉を結ぶ活躍が期待されている。今後,看護職が第一線で活躍するためにも,介護保険制度の不備を改善するべく積極的に発言をしていってほしい」と訴えた。
 南会長は最後に,「准看護婦問題や頻発する医療事故など,日本看護協会が抱える問題は山積しているが,会員皆の力を合わせて明るい21世紀を迎えたい」と結んだ。
 なお,本年度に採択された平成12年度スローガンは,「(1)看護の力を結集し社会の期待に応えよう,(2)組織の力を強化し政策決定に看護職者の声を反映させよう,(3)看護婦養成制度の一本化に向けて准看護婦養成停止を実現しよう,(4)ILO看護職員条約の批准と適用を促進させよう」の4項目。なお(3)に関しては,代議員から「看護婦養成制度一本化の本来の目的は准看護婦養成停止ではなく,准看護婦制度廃止そのものではないのか」と発言。これに対し南会長は,「准看護婦制度廃止は看護界の究極の目的。養成停止の早期実現は,そのための過程として重要」と応えた。
 また,本総会においては,保健婦(士)・助産婦・看護婦(士)の名称をそれぞれ保健師・助産師・看護師に変更すること,昨年の総会で承認された原宿会館の建て替えに関し,新会館建設のために会員1人1000円以上の寄付金を募ること,地域保健活動の強化と「まちの保健室」構想の推進等が提示され,審議の上採択された。
 なお,同総会の詳報は次回看護号特別カラー版(7月31日付,2398号)に掲載する。