医学界新聞

 

日本看護協会「プレス懇談会」開催


 さる4月20日,日本看護協会(南裕子会長,50万人)とマスコミ各社とのプレス懇談会が,東京都内で開催された。

200万人を超す准看護婦養成停止署名

 この席上,昨年の日本看護協会通常総会で確認された「准看護婦養成停止・看護婦養成制度の1本化を求める運動」の一環である対話型署名運動が全国各地で繰り広げてきたが,まだ集計中であるとしながらも,200万人を超す署名が集まったと報告(5月18日現在,228万人)。南会長は,「対話をしながら署名運動を進めたことで,国民の生の声を聴くことができ,大きな成果となった」と述べた。なお,同協会ではこれらを背景として,「2000年度日本看護協会通常総会」(5月17-19日,東京・国立代々木競技場第1体育館)初日の17日の午前中に,「准看護婦養成停止を求める総決起集会」を開催。決議文を文部・厚生両大臣に提出した。「准看護婦養成停止・看護婦養成制度の1本化」を盛り込んだ。

多発する医療事故への取り組み

 また同協会では,多発する医療事故に対応し,(1)看護職員等のマンパワーの適正配置を図る,(2)看護職員の卒後研修を制度化する,(3)24時間継続したチーム医療体制を確立する,(4)医療機関内における医療従事者の業務範囲と責任を明確にする,の「医療現場のリスクマネジメントと事故防止についての提言」を発表。具体的な取り組みとして,(1)「組織で取り組む医療事故防止―看護管理者のためのリスクマネジメントガイドライン」を作成し,会員に配布すること,(2)小児用の三方活栓の開発など,医療機器・器材の安全管理と事故防止の機器開発について医療機器メーカー等へ提案活動する,(3)各病院にリスクマネジャーを配置すべく,リスクマネジャー養成を開始する(5月より),(4)ニアミス・事故事例の情報収集・分析と対応策の提案を行なう,としている。なお,(4)に関して誤訳事故については,リスク検討委員会で収集・分析中であり,近々対応策がまとまる予定であることが報告された。

夜勤人数「1病棟3人以上」は半数の病院で

 さらに,同懇談会では「看護記録はどうあるべきか」などを盛り込んだ「看護記録の開示に関するガイドライン」が示され,5月中旬に会員に配布されることが明らかとなった。
 また,同協会が4年ごとに調査をしている「病院看護基礎調査」の1999年調査結果が発表された。これによると,2709病院からの回答では,病棟の看護要員構成は看護婦・士(保健婦・士,助産婦含む)71.0%,准看護婦・士13.6%,看護補助者(介護職員)15.4%という結果であった(特定機能病院では看護婦・士が91.5%,准看護婦・士1.5%,看護補助者6.9%)。また,完全週休2日制適用は66.1%となり,前回(95年)調査に比べ8.6ポイント増加した。さらに,夜勤人数は「1病棟3人以上」は50%(3交代勤務)となり,平均勤続年数は9.0年,年間離職率10.4%で,定着率は一般女子労働者を上回っていることが明らかとなった。一方で,直面する看護管理の課題は「医療事故防止対策強化」が約8割と報告され,多くの病院で対応が迫られている背景が明確となったといえる。
 なお,同調査に関する問合せは,日本看護協会(調査・情報管理部調査研究課)
 TEL(03)3400-8382まで。