医学界新聞

 

患者の健康回復を図るために

日本整形外科看護研究会が発足


第73回日本整形外科学会から

 さる4月6-9日の4日間,第73回日本整形外科学会が,水野耕作会長(神戸大)のもと,神戸市の神戸国際会議場,神戸ポートピアホテル,他で開催された(本紙2387号に既報)。
 同学会では,今国会での成立が懸念されている医師の「卒後臨床研修」の必修化をめぐり,ワークショップ「整形外科卒後教育の現状と未来」を企画。その席上,各医学会が認定を行なう認定医と専門医に関して,「その領域での経験が5年未満を『認定医』,5年以上を『専門医』とする」ことが日本医学会の統一見解と示された。また,同ワークショップの総合討論の場では,これからの医師には国際性が求められるとの議論から,「医師国家試験や専門医試験に英語での出題を加えるべき」との意見などが出された。さらにワークショップ「介護保険下での地域リハビリテーション」も企画されるなど,他領域の専門職との協働によるチームワークの必要性を示唆するプログラムも散見された。

整形外科看護国際フォーラム開催が初の行事に

 なお,同学会では特別企画の一環として,日本整形外科看護研究会との共催で「整形外科看護国際フォーラム」を開催(関連記事を掲載)。
 同研究会は,昨年開催された第72回日本整形外科学会(1999年4月8-11日,会長=横市大 腰野富久氏,パシフィコ横浜)から準備委員会を組織し,発会へ向けての活動をはじめた。その後,同年10月に開催された日本リハビリテーション看護学会(会長=落合芙美子氏,高知県立県民ホール)での広報活動などを経て,さる4月8日に469名(同日現在)の会員を得て,神戸国際会議場での発会式開催に至った。
 「整形外科看護を医療・福祉・保健の分野との関係において広く追究し,あらゆる場における看護サービスの質的向上をめざし,専門領域における学術の充実を図る」ことを目的に掲げる同研究会の発会式では,発起人代表である落合氏から,研究会発足に至る経過報告とともに,これからの研究会に期待する旨の挨拶が行なわれた。
 また,同研究会発足のきっかけとなった「整形外科看護国際フォーラム'98」の主催者でもあり,発起人である井形高明氏(前徳島大)が「脊椎手術の変遷と看護への期待」と題し記念講演。さらに,同研究会準備委員会の会長を務めた武田宜子氏(横市大看護短大)が,「アメリカ整形外科看護協会主催研修会」の報告を行なった。
 その後に実施された発会審議では,会則やニュースレターの発行,第1回学術集会の開催などの活動計画の審議が諮られるとともに,役員を選出。会長には武田氏が就任,顧問には落合氏が就いた。なお,武田会長は就任の挨拶の中で,「整形外科看護ユニットの質の確保をしなければ,患者の健康回復は図れない」など,診療科別に沿った研究会発足の意義を述べるとともに,第1回日本整形外科看護研究会学術集会は,日本整形外科学会の開催とは切り離れて,明年6月に横浜市のパシフィコ横浜で開催することも報告した。また,今後は学術集会に並行して国際看護フォーラムを開催すること,将来的に学会に移行する考えがあることも述べた。同研究会では会員を募っている。問合せは下記まで。
・事務局:〒236-0004 横浜市金沢区福浦3-9 横浜市立大学看護短期大学部(富重)
 TEL&FAX(045)787-2562