医学界新聞

 

リストラの中で看護職が生き残る方策とは


 さる3月25日に,日本看護管理学会の看護必要度研究会(代表=青森県立保健大教授 上泉和子氏)の主催による講演会が,横浜市の神奈川県民ホール会議室で開催された。Linda O'Brien-Pallas氏(カナダ・トロント大教授,写真)を招いて行なわれた本講演会のテーマは,「変革期におけるナースのキャリア開発」。
 O'Brien氏は,カナダ・北米では,医療費削減政策で看護職のリストラが進んでいることを報告。「病院経営の逼迫は,患者ケアの質を低下させる」,「実務者研修・教育が優先して削減されようとするが,医療において最も大切なのは教育費用であり,看護職はその教育費を死守してほしい」と述べ,日本の看護政策は北米より5年は遅れているとして,今後看護職のリストラが進む可能性を示唆した。その上で氏は,リストラの中で生き残る方策として,(1)政治力を身につけること,(2)看護職が結束すること,(3)うまくいかなくともめげずに前向きに考えることを指摘。さらに,リストラは一時的にはコスト削減となるが,長期を展望すると,パート職,派遣労働者などの安い人材の導入は結局コスト削減には直接つながらないことをデータが示していると解説した。