医学界新聞

 

国際音楽療法フォーラム

「緩和ケアにおける音楽療法」開催


 ライフ・プランニング・センター(日野原重明理事長)の主催による国際音楽療法フォーラム「緩和ケアにおける音楽療法-緩和ケアにおける音楽療法を用いたアプローチ」が,さる2月11日,東京・中央区の聖路加看護大学において開催された。
 ゲスト・スピーカーとしてカナダから招かれたデボラ・サーモン氏(ロイヤル・ビクトリア病院/音楽療法士)は,「音楽療法は,症状→不安→症状という悪循環を断ち切る」と臨床での身体的側面への有効性を述べた。また,「音楽は,自分を理解し,他人と接触させてくれる象徴的言語」と捉え,「患者が自分の深層心理に触れ,再び表層に戻ってきた時,その患者は幸せになれる」と口演。また,「音楽を療法的な目的としてどう使うかという知識を持っている者が音楽療法士」とし,フロアからの「音楽療法を受け入れない患者にはどうするか」との問いには,「音のない静寂も音楽。あくまでも患者の意思を尊重している」と答えた。
 日野原氏は,“緩和ケア=スピリッツを持った人間への全人的ケア”という考えのもと,「長い歴史の中で培われた文化(音楽)が,薬や検査とは違う側面から効果を発揮する」と述べ,音楽療法士の役割の大きさを強調した。