医学界新聞

 

第5回訪問看護交流会開催


 第5回訪問看護交流会が,日本訪問看護振興財団の5周年記念講演会の開催(参照)に合わせ,さる11月19日に,東京・新宿区の日本青年館で開催された。
 本交流会では,季羽倭文子実行委員長(ホスピスケア研究会代表)のもと,「高齢化社会を少しでも幸せに過ごせるよう支えるためには,在宅ケアの充実が必須。訪問看護の役割特性を再認識する機会」ととらえ,テーマを「あなたらしさの未来に向けて-在宅ケアのあるべき姿を求めて」とした。

今後求められる他職種との連携

 なお本交流会では,午前中に老人虐待への看護介入など14題の発表を取り上げた「研究・体験発表会」(座長=東医歯大 高崎絹子氏)と並行して,(1)ケアマネジメントと社会資源,(2)介護保険制度と保健婦の役割,(3)訪問看護と介護ケア-ケアの質を考える,(4)24時間在宅ケア,(5)ターミナルケア,(6)訪問看護とリハビリテーションの連携と協働,(7)訪問看護の起業について,(8)介護保険制度と訪問看護料の8部門での「課題別交流会」が行なわれた。
 課題別交流会(6)では,牧田光代氏(昭島市高齢者在宅サービスセンター愛全園)をリーダーに,サブリーダーの山田一枝氏(訪問看護ステーション正吉苑)から「在宅訪問看護における看護婦と理学療法士の連携」と題しての話題提供がされた(写真)。山田氏は,精神的援助を要した進行性疾患である脊髄小脳変性症患者の事例を紹介。参加したカウンセラーや訪問ヘルパーの視点からも意見が述べられるなど,ADLが低下していく中での他職種との連携のあり方が議論され,今後はますます在宅におけるリハビリテーション職との連携が強まることを予感させる交流会となった。

疲れすぎないあなたであること

 また午後からは,昨年末にある女性の闘病生活と高齢となった両親の介護生活を描いた『こころの居場所』(日本看護協会)を出版した落合恵子氏(作家)による特別講演「こころの居場所」が企画された。
 落合氏は,かつて自分の意思に反して作られたアイドル(1970年代にラジオの深夜番組で「レモンちゃん」の愛称で人気を博していた)であったこと,作家として独立したことや,更年期にある今の自分を含めた半生を語った。また,「患者さんを助ける人が患者になってはいけない。『頑張る』のはすてきだけれど,頑張りすぎるのはやめようよ。疲れすぎないあなたであることが大事」と,働きすぎてしまう傾向が特に強い看護職に向けての言葉とした。